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34.幸せ

最終回です!!

三年後。スノウ・クロック国


スノウ・クロック・パトラは侍女になったローレ・タニカトリに話しかけた。


「……ローレさん。婚約者をこの中から選ぶの?」


目の前にあったのは縁談話の大量の手紙だった。


「ローレでいいですよ。そうですね。パトラ様もそろそろご結婚される年齢ですし。タイプとかないんですか?」

「そうだよね~。タイプ?一途な人かな。」

「そうですか……あ。この人はどうですか?」


ローレはそう言って山積みの手紙の中から、一枚の丁寧に封をしてある手紙を選んだ。


「婚約っていうより戦争の方が興味あるって聞きますし。少なくとも愛人を作られる可能性は少ないでしょうし。」

「……それはホントに大丈夫なのかしら。平和主義なのだけれど。」

「まぁ。一回だけでも会ってみましょう。」


数日後


「………」


面会室には微妙な沈黙が流れていた。パトラが部屋に入ってから一分ほどこの状態である。


「………スノウ・クロック国、王女のスノウ・クロック・パトラですわ。よろしくお願いします。」

「……あ、あぁ。マイドローナ国から来ましたシェイトです。よろしく。」


(何も話さないと気まずいな。顔はかっこいいかもだけど、やっぱり縁談なんてやらなくても良いんじゃ……)


「なんで、私と婚約したいと思ったんですか?」

「両親が結婚しろとうるさいので。でも俺あんまり、結婚とか興味なくて、適当に婚約してみたいな感じで考えてたんですけど、あの、パトラさん、凄いタイプで、すいません。うまく話せなくて。こんなの初めてで」


そう言い終わった頃にはシェイトは耳まで赤くなっていた。


「………え?あ、えっとありがとうございます?」


(まって、心臓の音凄い。顔あっつ。)


気付かないうちにパトラの顔まで真っ赤になっていた。

その後気が合った二人は笑いながら話した。


「今日は楽しかったです。ありがとうございました。」

「私も楽しかったです。また、会っても良いでしょうか?」

「!………嬉しいです。また手紙書きますね。」


この後二人は仲良くなり幸せになった話はまたどこかで。


◆◇◆


リパーチア国にある王城の中。執務室から声が聞こえてくる。


「そういえば、薬屋ほんとにやめちゃって良かったの?」

「えぇ。こうやってこっちに住んでるわけだし。移動も大変になるでしょう。」

「そっかー。ていうかリリア~疲れたー抱きしめていい?」


第二王子イエラド・ウル・カクは机の上に置かれた大量の仕事を見ながらぐったりと呟いた。それに答えたのはスノウ・クロック国長女のマーガレット・アル・リリアである。


「なんで?!もうちょっと頑張って!!あと五分だけでも…………わっ」


リリアが言い終わる暇もなく手を引かれて椅子に座っているカクに覆い被さる形になる。


「充電~」

「急に引っ張らないでくれる?」

「えー?照れてる?かわいーね」

「っっっ~~~う、うるさい!ちゃんと仕事して!」


そう言っても離れる様子のないカクにしびれを切らしたリリアはおでこにキスをした。


「あのーりりあさん?」


顔を真っ赤にするカクにちょっとだけキュンとしてしまうが、わざと怒ったフリをしてみる。


「カクが離してくれないから。」

「えっ。かわいい。」


効かなかった。


と。そんな二人をのぞき見しているのはリリアの侍女マリア・レオナドールと、カクの従者、トア・スピンである。

マリアは手に持っていたコーヒーを一口飲んでこう呟いた。


「尊い。お嬢様かわいすぎ。コーヒーが甘すぎたわ。」

「そりゃそうでしょう。角砂糖十個も入れたんだから。」


そう言うとマリアはスピンを見て頬を膨らませる。ちなみにマリアは甘党の中の甘党である。


「俺的には、こっちの方が可愛いんだけどな。」

「………」


マリアは顔を赤くし、そっぽを向く。スピンはご主人にバレないよう声に出さず笑った。と、そこに走ってきたのは長女メアルと次女ルシアだった。


「マリアさん。スピンさん何してるんですか?」

「!………メアル様。覗いて良いですよ。」

「………お父様とお母様は仲良しですねぇ」

「るしあも、みる」

「ルシアはダメかなぁ」


そう言うとルシアは泣き出してしまった。その声を聞いてリリアとカクが走ってくる。いつも通りの流れだった。

ここまで見てくれた皆さんありがとうございました!!

次回作は8月ぐらいになると思います!!出来次第活動報告しますのでよろしくお願いします!!

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