31.操り
木曜日ですが投稿します!
「一体どういうことかしら、パトラが昨日言ってた、身体が勝手にって………」
リリアはそう言いながら真夜中の2時、王宮の廊下を歩いていた。物音を立てないように歩いて、ある扉の前で足と止めた。
「……パトラの部屋」
『体が勝手に、動くの……お姉様、逃げて。私最近おかしいの。お姉様を叩いたりするだけじゃなくて、サリス製薬っていう所で、薬を作ってるの!』
昨日のその言葉が気になり真夜中に部屋を抜け出し、パトラの部屋に来た。
キイィという音と共に扉は開いた。中に入ると数年前にパトラに部屋に入ったときと、同じ風景が浮かんでいた。
「懐かしいなぁ…………って違う違う、パトラは………あれ?…………っいない!?」
ベットをのぞいてみてもそこはもぬけの殻だった。
「一体どこに……」
「お姉様?」
「!!」
声がした方を振り向くとそこには、パトラが居た。でも目に生気は無く、まるで人形のようだった。ふとパトラの手を見るとそこには薬品が入っているビーカーのような物が握ってあった。
(操られてる?)
「何をしてたかは知らないけど、ちょうど良かった!いま、お姉様の所に行くところだったの!」
「………え?何をするの?」
「大丈夫!お姉様はこの薬を飲むだけで良いの!!頭の中が真っ白になって、何も思い出せなくなる薬よ!!あたし頑張って作ったの!えっと……なんだっけ、そうそう!記憶喪失の薬!!飲んでくれるよね。」
「いや…………」
パトラはじりじりとリリアに迫っていき、とうとう、棚まで追い詰められてしまった。ぶつかった棚から、花瓶が落ちて、豪快にガシャンと割れた。
「安心して。全部忘れるから。」
「いやっ、やめて、パトラ!」
声もむなしく流し込まれた薬をリリアは飲み込んだ。
次の瞬間、激しい頭痛がリリアを襲い、意識が遠のく直前で届いたかも分からない言葉を発した。
「ごめんなさい…………助けて……あげられ……なくて。」
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