24.優しい人
遅くなりました。
楽しみながら見てください!
「ちょ、まだ付かないの!?」
「しょうがないじゃないですか、バスも馬車も使えないし。」
現在、リリアを含めたカク、レオの三人は、リパーチア国から、スノウ・クロック国まで行き、そこから更に五キロ歩いて、現在。絶賛山登り中だ!レオはヘトヘトになっている。
「お前、体力無いよな~」
「うるせぇな。どうせ、騎士様にこの気持ちは分かりませんよーだ。」
「あ、そっか。カクって騎士団に入ってるんだっけ?」
険しい道をせっせと登りながら、後ろを向いて声をかける。
「うん、そうだよ。今は副団長やってるんだ。」
「へぇー。あ、付きましたよ!」
「はぁ、やっと付いた。……………って、すごい!いろんな植物がある!ワロストロに、びけまろふ草まで!」
レオのキラキラと光る目には、好奇心が滲み出ている。カクも驚きを隠せない様子だ。
「泣く子も黙る、私の秘密基地です。」
「すごいな。毎回ここに来てるの?」
「うん。予算がヤバくて、ここなら、珍しい薬草もいっぱいあるし、無料で取れるし。」
はしゃいでるレオとカクを見ながら、ふと思い出す。記憶喪失になってからすぐのこと。
◇◆◇
「えっと、マリア………さん。本当に、ここの薬草取っても良いんでしょうか、」
「マリアで良いです。はい。お嬢様は前からここを使っていたんですよ。私にはよく分かりませんが、珍しい薬草がたくさんあるそうです。」
まだマリアのこともよく分からなかったとき、ここに連れてきてくれた。木漏れ日が気持ちいい所だった。
「わぁ、本当です、すごいです。」
「お嬢様は小さい時から、好きな人が居たんですよ。」
「好きな人?それはどんな人だったんですか?」
マリアは私が生まれたときに雇われた三歳年上の女性らしい。
「その人はお嬢様の婚約者だったんです。」
「へぇ、そうなんですか。きっと優しい人なんでしょうね。その人は私のこと好きだったんでしょうか?」
「えぇと、ラブラブでしたね。安心してください。すぐ現れますよ。」
その時のマリアがぽつりぽつりと教えてくれたこと。今になったら分かる。それはカクのことだったんだね。確かにすぐ現れたし、マリアは多分、私達のことを本当に分かってるんだ思う。
◇◆◇
「リリア?」
「あっ、ご、ごめん。ぼーっとしてた。」
「大丈夫?何か考え事?」
カクの声で意識が戻る。ふと、前を見てみると、レオが花の冠を作っていた。
「考え事って言うか、記憶喪失したばっかの事を思い出したの。マリアがカクのこと話してて、私の大好きだったって。」
「ふーん。今も大好きだよ。」
「そっ、そう言うことは、二人きりの時に言って?恥ずかしくなってくるから。」
その時、空からカラスの声が聞こえる。それはまるで、夕焼けのベルのように高く響いていた。
「あ、もうこんな時間。そろそろ帰りましょうか。薬草も採れたし。」
「そうだな。おいレオ!帰るぞ!」
「はーい!」
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