19.昔、そして未来
ここから解決へと進んでいく………予定です。
投稿スピード頑張って上げるので、是非最終話まで楽しみにしていてください!
「うえぇ!?こ、婚約者だった!?」
「うん、そう。」
「でも友達って…………」
「友達じゃなくて、友達みたいなもの。だからね。」
これまでで一番大きな声だったのかもしれない。記憶喪失前、婚約者と伝えられたら、誰でもこのぐらいの声は出るだろう。そのとき、急にリリアの頭の中で、一つの映像が見えた。
「リリア?」
質素な部屋の中で誰かに頬を叩かれる景色だ。ぶつかった棚から、花瓶が落ちて、豪快にガシャンと割れた。
(これは、記憶を失う前の?)
映像の中のリリアは『ごめんなさい』と必死に言いながら、泣いている。叩いている人物の顔はよく見えなかったが、次の瞬間瓶に入った何かの薬品を、リリアの口の中に無理やり入れ込んでいる。
(何をしているの?怖い…………薬?やだ…………)
「…………リリア?」
映像はそこで終わった。あまりの恐ろしい光景に、血の気が引いて、涙が出てくる。
「………あ……いやっ……」
「リリア!」
その後、ひどい目眩がリリアを襲い、目の前が真っ暗になった。
◇◆◇
目を開けた後、周りを見渡してみる。一番最初に映ったのは、カクの心配そうな顔だった。
「カク?」
「リリア!良かった!」
目が覚めたことに気が付くと、カクは、手をギューッと握り締めてきた。
「あれ?なんで、自分の寝室にいるの?」
「覚えてないの!?リリアが急に倒れたから、ここまで運んだんだ。心配したよ……………」
とても悲しい声で言うから、リリアの方まで泣きたい気持ちになってしまった。
「急に倒れてビックリしたよ。」
「具合はどうですか?」
「レオにマリアまで…………」
あの光景は、思い出すだけで、気分が悪くなってくる。
「カクなんか、リリアが起きるまで、死にそうな顔してたんだぜ。」
「おい、勝手なこと言うなよ。」
そんな気分もここにいる人達を見ていると、少し軽くなる気がした。
「リリア様。何があったか、聞かせてくれますか?」
「あ、うん。えっと……………」
◆◇◆
「って事があって。」
ことの事情を話すと、その場にいた全員が黙り込んでしまった。
(え、えぇ?何で黙り込むの?そんなヤバいことなのかな………まさか、妄想癖のあるヤバい奴って思われてる!?)
「リリア、」
「ん、どうしたの?カク。」
「それって、記憶喪失前に起こった事じゃないかな………」
「記憶喪失前………の、事?」
(ても、記憶を失う前のことが完全に分かる訳でもない…………)
「ってことは、私の記憶は、戻りそうな所で止まっている。という事?」
「多分ね。」
ぽかんとしていると、レオから質問があった。
「なぁ、リリア。映像の薬品ってのは、何色だったんだ?」
「え?えーっと、確か黒っぽいオレンジだったはず。」
「それもしかして、サリス製薬の薬じゃねぇか?」
「聞いたことがあります。なにやら、怪しい薬を売っているとかで有名な、」
(サリス、製薬………うーーん、どこかで聞いたことがあるような…………)
「サリス……………っあ!あれだ!」
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