18. 繋がった気持ち
結構長くなりました。
楽しんでください!
「あのお姉ちゃん、急いでる」
「何処に行くのかしらねぇ、好きな人の所だったりして。」
「へぇ、すてきだね!」
道行く親子は、そんなことを話してる。だが少女には、周りの人達の声など聞こえていなかった。
「はぁっ………はぁ……………何処にいるんだろう………」
貰ったブレスレットと返された、イヤリングを持って、リリアはカクの元へと走っている。足は冷え、手も赤く、痛々しくなっている。
(三十分ぐらい前にフラれちゃったし、近くにはいないかも、でも、もうちょっとだけ探してみよう!)
カクはその後、すぐに見つかった。クレープを手に持ち、二人席にスピンと座っている。リリアはそこへ進んでいった。そして、カクの腕を取り、
「すみません!ちょっと借りていきます!!」
「!?…………リリア!?」
カクは少し困惑状態だが、スピンは微笑みながら、「どうぞどうぞ。」とばかりに、手をヒラヒラとしている。一礼だけして、人気の少ない所へ移動する。
◆◇◆
「リ…………リリア?」
「………………あの」
ずっと伝えたかった言葉。声が震える。もし誤解が解けてもダメだったら、という不安がこみ上げてくる。でももう後戻りは出来ない。返されたイヤリングを、再び差し出す。
「好きです!私と、付き合ってください!」
「……………………………へ?」
カクはぽかんとしていたが数秒後、手に持っていたクレープが、ベチャ。と鳴り地面に落ちた。
「わぁぁぁ!すいませんすいません!後で同じやつ買うので!…………」
咄嗟にクレープの所へ駆け寄る。
「いや大丈夫です。え?てか…………は?なんて、」
「え?何って…………」
カクの方に視線を移すと、そこには耳まで赤くなったカクの顔がうつった。それを見てリリアはようやく、今の場面を思い出した。
「いや…………あのぉ…えっと、好きっていい、まし………た。」
「そうですよね、聞き間違いじゃないですよね…………」
「あの、ですので、お返事を……………」
リリアの方も顔が熱くなってくる。返答を待っていると、予想とは違う答えが返ってきた。
「あのお返事の前に…………好きな人って言うのは……」
「!………それは、カクのこと、言ってて。」
そう言うと、カクは目を丸くして驚いた。
「恋バナの話も?」
「はい…………」
「全部僕の誤解?」
「は……い…………ですので、お返事を……………」
そう言うと更に顔を真っ赤にして、手で口を覆った。
「困った。」
「え?何でですか?」
カクは、顔に手でそっと触れると、リリアにしか聞こえないように呟いた。
「告白は、俺からすると決めていたのに。」
「!!それって…………」
告白の答えは、唇と唇が重なった後に伝えられた。
「好きだ。俺の婚約者になってくれ。」
「…………は、はい!」
誤解が解け、付き合った安心から、リリアは泣いてしまった。そして、それとほぼ同時に一人木の陰から出てきた。
「いやー。良かったね~~安心安心!」
「あ、あなたは!」
「!?何でレオが居んだよ。」
呼び捨てで、呼んでいることに対してリリアは一番驚いた。
「良いじゃないか。親友に二度目の春が来たって言うんだから。」
「おい、誤解される言い方すんなよ。」
(わわ、カクのタメ口、初めてかもしれません…………ていうか、)
「あ、あの、お二人は知り合いだったんですか、」
「そうだよ!王子教育高等学校で知り合ったんだ!」
「まぁ、たまに話すぐらいの仲だかな。」
レオとカクが話している途中だが、どうしても気になることがあり、カクの服の裾を引っ張る。
「ん?リリアどうしたの?」
「あ。これは…………」
空気を呼んで、レオは二人の視界に映らないところに移動する。
「あの、私とも、タメ口で話してほしいです。」
「!?い、いいよ。あ、でも、リリアもタメ口ね。」
「!あ、ありがとう…………あと、もう一つ…………」
「なに?…………」
少し間が空き、空気が変わる。
「二度目の春ってどういうことですか?」
レオとカクはお友達です!
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