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不定期投稿で申し訳ありませんどうにか頑張ります(;_;)。楽しんでください!

「ほ、本当にこれで良いかなぁ?変じゃない?」

「変じゃありません!何回言うんですか!?」


買ったお揃いのイヤリングは明日、()()呼び出されたパーティーで渡すことにしたらしい。


(カクに似合うとは思うんだけど、喜んでくれるかな…………)


そう思うと自然と眉毛が下がって心配そうな顔になってしまう。と、突然美味しそうな香りが漂う。リリアはその匂いでパッと顔を上げる。


(あれは…………!)


「マリア!たこ焼きよ!」

「えっと、日本という国の食べ物でしたっけ。」

「そうなのよ!とっても美味しくてね!食べてもいい!?」

「……良いですよ。では、買いに行きましょうか。」


喜びながら屋台へ向かう。一ヶ月前、たこ焼きの屋台がお祭りで出ていたのを見つけたリリアは、たこ焼きを食べることになったのだが、それが美味しくリリアの初の好きな食べ物なのだ。


(自分がなにを好きだったか覚えていなかったから、好きな食べ物が出来て嬉しいのよね)


「いらっしゃいませ!」

「八個入り、一つお願いします」

「あいよ!」


たこ焼きがパックの中に詰められていく。ヨダレが垂れそうになるのを必死に我慢してまるで『待て』と言われた子犬のようである。


「こちら、八個入りで七百五十円です!」


財布からお金を出そうとすると、横からお金を差し出される。


「これで。」


覚えのある声が聞こえ、リリアは思わずそちらに目をやる。


「カクっ………!?」


◆◇◆


「奢っていただいてありがとうございます。」

「いえいえ。俺が勝手にやったことなので。」


人気の少ない公園に足を運ぶ。この季節はとても寒く吐息も白くなっている。近くにあったベンチに座って、たこ焼きを食べる。サクサクフワフワの食感はとても癖になる。


「カクはたこやき、好きですか?」

「俺、たこ焼き食べたこと無いんですよ。でも、美味しそうですね。」

「はい!とても美味しいですよ!…………あ、そうだ!」

「?」


つまようじで、たこ焼きを一つ刺して、カクの前に差し出す。


「どうぞ!食べてください!」

「!?えと、じゃ、じゃあお言葉に甘えて………………」


大きな口で一口で食べてしまった。


(ん!?てっきり手に取ってから食べるものかと……………)


予想外の出来事にリリアの顔は真っ赤っかになっていく。


「すっ………すみません。」

「い、いえこちらこそ。」


それを見たカクも真っ赤になっていく。恥ずかしい、でもどこか、心地よい沈黙の中でリリアは考えた。


(これ、プレゼント渡すのに、ちょうど良いタイミングじゃないかしら?…………よしっ!)


『「あのっ!」』


二人の声は同時に重なった。また恥ずかしくなるが。勇気を持って、声を出す。


「あっ、お先どうぞ…………」

「ありがとうございます。では、リリアにコレを渡したくて」


ポッケの中から二つの物を取り出す。


「これは、ブレスレット?」

「はい。今日購入した物なんですが、リリアへのプレゼントにと思いまして、いやなら付けなくても良いんですけど!」


そんなことを言っているカクをよそに、ブレスレットを手首にはめてみる。緑色の宝石、エメラルドが月の光に反射してキラキラと光っている。


「綺麗ですね。これを私に?」

「はい。お揃いで!喜んでくれますか?」

「勿論です!ありがとうございます!記憶喪失以来初めてのプレゼント!じゃあ、私からも、」


リリアもポッケからイヤリングを取り出す。


「!……………」

「私からもお揃いです!安物ですし、私の方こそ捨ててくれたって、」

「いえ、絶対捨てませんよ!嬉しいです!でも良いんですか?好きな人が居るんじゃ…………」


「…………え?」

★★★★★、ブクマ、レビュー、お願いします。やる気UPになります。

これからもよろしくお願いします!

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