15.プレゼント選び
何故か途中でカク視点挟みます。
投稿遅れてしまって申し訳ありません。
「マ、マリア。」
「…………何でしょう、お嬢様。」
周りの通行人は、楽しそうに喋っていたり、ワイワイしたり。特に多そうなのはカップルだろう。スノウクロック国の中でも栄えている方なのか、ちょっとした人混みが出来ていた。その中でベンチに座っているのは買い物に来ていたリリアである。彼女はこれまでにないほどのピンチだった。
「男の人のプレゼントってなにを買うのかしら?」
単純な話である。リリア。記憶喪失中により好きな人が居たのか、恋人は居たのか全く分からず、プレゼントなんてどうすればいいのかすら分からないのだ。
「………………あの人は、リリア様からなら、ゴミをあげても喜びそうですけど。」
「え?なんて?」
「いえ。なんでも。そうですねーお揃いのイヤリングではどうでしょう?」
「イヤリング?お揃い?」
ボーッとしていた顔から辛い物を食べたように顔が赤くなっていく。
(お、おおおお揃い!?そんなん恥ずかしすぎて死ぬんだけど!?)
「だ!駄目よ!そんなの………!?」
「良いからいきますよー」
マリアは手をグイグイと引っ張りながら近くの百貨店に入った。
◇◆◇
「えっと、どれが良いかな!スピン!」
「アードレモカワイイナー」
「ちょっとスピン。きいてるの?リリアへのプレゼント選ぶんだから。」
女子の流行りが分からないカクには、目の前に広がっている物、すべて同じにしか、見えないのである。眉間に皺を寄せ悩んでいる主人を見て、本日二、三回目の溜め息を吐く。
「リリア様へのプレゼントだからこそ自分で選んでください。」
「はいはい、でも助言ぐらいは、くれても良いんじゃない?」
「えー、そうですねー。俺はマリアにプレゼント渡すとき、流行りじゃなくてどれが似合いそうか、で選んでます。」
ちゃんと言い切ったが、カクからは疑いの眼差しが向けられる。それに気付いたスピンはこう言う。
「ま、まぁもし俺だったら、『俺のために選んでくれたんだ!嬉しっ!』ってなるぜ。」
「そんなもんか?」
「そんなもんそんなもん!」
(うーん。喜んでくれるかな?)
そしてしばし悩んだ後、ある物を二つ取ったのだった。
◆◇◆
「お嬢様。何分選んでるんですか?もう、三十分近く選んでますよね。」
「決まらないのよ!ようやく二つに絞れたんだからすごい方でしょ!」
「…………はぁーーーー」
どうやらこちらの侍女も、溜め息を付いているらしい。
「こっちのイヤリングは、淡い色でカク様の姿に合ってるけど、こっちも赤と青のグラデーションで綺麗だし。」
「私は最初の方が良いと思いますけどね。」
「でも、私はもう一個の方も似合うと思ってて、」
「じゃあもうそっちで良いじゃないですか。もうお会計しちゃいますね。」
マリアは商品を取りレジへ行く。価格も二百円とお手頃である。
「えーー!まだ決まってないよー!」
なんか後ろで言ってるが聞こえない振りをしている。
そんなこんなでプレゼントが決まったのであった。
たまに記憶喪失設定、忘れてることがあります。
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