11.君の手の温かさ
投稿できてなくてごめんなさい!
だいぶ溜めてるので数日は連続で投稿できそうです。
(わぁ~こんなに泣いたの久しぶりです。少し、スッキリしたような。)
目元はまだ赤くなっている。
(あれ?そういえば)
「あの、カク様」
「あ、その前に、」
「?」
「カクって呼んでくれませんか?」
「へあっ!?い、良いですよ?!」
(何で急に!マリア以外を呼び捨てで言うの初めてなんだけど!?)
じわじわと顔が赤くなってくるが、最初から目元が赤いおかげでバレていない。
「じゃあ、えっとカク。」
「なんですか?」
「記憶喪失のこと何で知ってたんですか?」
(地味に気になるのよね、国王様やパトラ様が私と、どんな関係かも知ってそうだったし。)
「あぁそのことですね。実は僕、記憶喪失前のリリア様と仲が良かったんですよ。」
「え!そうだったんですか?なるほど。だからなんですね。記憶喪失前の私とは、お友達だったんですか?」
「はい、お友達みたいなものでした。」
「へー!それは早く記憶を取り戻したいです!」
(覚えてないのが残念……………)
「よかったら、記憶を戻すお手伝い、しますよ!」
「ふふっ。ありがとうございます。」
◆◇◆
(ん!?待って。いつの間にか話が進んで、カク様の馬車で帰ることになったんですが!?申し訳ないですしお断りしなければ。)
「あの……………やっぱり歩いて帰りますよ。お馬さんが風邪を引いてしまいます。」
眉を下げて申し訳ないという分かりやすい表情を浮かべる。
「なにいってるんですか。あなただって風邪が治ったばかりでしょう。あなたの体の方が心配です。」
(即答された!ここまで来ると断る方が申し訳ないような。あれ?カク様がこっちを、ジロジロと見ているような………………なんか、はずかしいっ!)
「そうですか……ありがとうございます。」
「はい。マリアさんの方も、別の馬車で送りますからね。」
(それは、ありがたい。って何でそんなに見てくるの!?どっかおかしい!?あぁぁぁどうしようどうしよう!)
「本当にありがとうございます。馬車なんて久々に馬車なんて乗ります。懐かしいですね………………………あの、ジロジロと見られると恥ずかしいです…………」
(もしかしたら、メイクが取れているのかもしれませんね。うぅはしたない……ちゃんと謝らなければ。)
「あ、すいません。あまりにも可愛かったので。」
(あぁそうですよね、申し訳…………!?)
「かわいっ!?…………ソ、ソウナンデスカ。」
(男の人から可愛いなんて初めて言われました。心臓がドキドキしています。)
「ほら。もう可愛い。顔真っ赤ですよ。ところで、最後に馬車に乗ったのはいつなんですか?」
(また可愛いって言った……言い慣れてるんだろうな。何だろうさっきとは違う感じのドクドクって感じが……)
「え、えと記憶を失う前なので、五ヶ月前程かと。」
「五ヶ月前!?それは辛かったですね。」
(今まで乗せて貰ったことなんかないし、きっと記憶を失う前も…………)
「いえ、もう慣れているので。」
瞬きをした次の瞬間。カクに手を握られていた。
「えっ………………」
一瞬の出来事でリリアは目をぱちぱちとしている。
「俺はあなたの苦労を知っています!リリアが溜め込む必要はありません。良いですか!あなたは俺が救います!」
(あぁ。この人は何でこんなに、嬉しいことを言ってくれるんだろう。)
心の中でうれしさが溢れ出てくる。それをカクは沈黙と受け取ったそうだ。
「…………………すいません。一人で盛り上がってしまって。」
(え、違うのに、とりあえず、誤解を解かないと。赤くなった顔がなんだか…………可愛い)
「いえ、ありがとうございます。次はカク様がお顔を赤くする番ですね。」
(え?いま私、可愛いって。でもっちょっと、カッコいいところも……………!?)
「あはは。そのようです。よかったらこれからもリリアと呼んでも?」
「もちろんです。」
(あああぁ口が勝手に、まさか私、)
一瞬戸惑った。だがその気持ちは、すぐに分かった。
(この人に恋をしたの?)
明日、カク視点のお話も出します。
★★★★★、ブクマ、レビュー、お願いします。やる気UPになります。




