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10.顔なじみ (マリア視点)

8話あたりからのマリア視点です。

(これは二人きりにした方がいい空気ですね。)


「あぁ、ではお嬢様。私は先に会場へ。」

「!?マリア!?」


会場へ移動する。


「さて、なにか飲んで待っていましょうか。」

「お嬢さぁん」


ふと後ろから声を掛けられる。

(あぁ、最悪だ。)


「…………何でしょうか、どちらかというと私、侍女なのですが。」

「どっちでも良いじゃん!かわいいし、ねぇ、一緒にお茶しない?」

「すいませんが、主人を待っていますので。」


(困りました。めんどくさいのに見つかりましたね。)


「じゃあさ!その主人って()が来るまででいいからさ!ね!ね!」

「私の主人を奴呼ばわりですか、相当なクズなのですね。」


(本当にリリア様は神のようにお美しく、儚く、綺麗な存在だというのに。)


「は?今なんて言った。」

「私の主人をバカにする人はクズに値すると、言っただけです。」

「はぁ!?てめぇ誰に口聞いてんだ!」


男性は手で叩こうとした。


「痛っ……………………?」


想像していた痛みは来ない。恐る恐る目を開けてみる。


「だめですよ。人の女口説こうとしちゃ。恥ずかしくないんですか?会場のド真ん中で。」

「………………!スピ…………」

「は………」


マリアもつられて回りを見る。すると会場の皆がこちらを見ている。我に返ると、段々恥ずかしくなってきて、顔が赤くなってくる。後ろから現れた青年、スピンはマリアの顔を瞬時に隠す。


「相当覚悟がおありなんですね。」

「うっ、うるせぇなぁ!覚えてろ!」

「分かりやすい捨て台詞だ。マリア。バルコニーへ行きましょうか。」


会場の令嬢のほとんどが頬を染めていた。


◇◆◇


「あ~雨降っちゃってるね。」

「お久し……ぶりです。」

「あは。久しぶり。何で敬語なの?」


(いやいや、馬鹿なの?今も()()っていうのは変わらないかもしれないけど、やっぱり、恥ずかしいし、)


「いや、あの、緊張しまして。」

「そっか。いやぁそれにしても。あなたの主人愛は変わりませんね。三ヶ月前から。」


(あ、でも、)


スピンの服をマリアがつかむ、そして半泣き状態で言った。


「やっぱり……敬語………や、です。」

「おっと分かった。いじめすぎた。泣かないで俺のプリンセス。そのかわりマリアも敬語無しね。」

「………うん、あと。」

「あと?」


「な、何であんな登場するんですか!?かっこよすぎて失神するかと思いましたし!周りの人たちもめっちゃ見てたし!」

「ヤキモチ妬いてくれたの?嬉しいな………でもさ、君もさぁ照れた顔、怒った顔、呆れた顔、驚いた顔も。みんなの前で見せたよね、おあいこじゃない?」


(あ、やばい。スピンがヤンデレモードに。)


「覚えてないの?」

「え、っとなにを?」

「え!三年前初めて会ったとき、一生君を愛すからリリア様と僕の前以外で表情を出しちゃだめって。約束したじゃん!」


怒涛の勢いで前のめりになって、マリアに話す。そう。スピンはマリアを愛す余り、たまにヤンデレになるのだ。


「あ、それはちゃんと覚えてるよ。スピンとの初めての約束だよね。」

「良かったぁ。じゃあさ、もし約束を破ったら何だっけ?」


スピンの目が光る。


「う………キスを……する。」

「よく言えました!じゃあちゃんとキスしなきゃね!」


(この人には、いつも、敵わない)


雨が降る日の夜。二人の侍女と従者が甘い甘いキスをした。



◆◇◆


「さて、そろそろ、カク様とリリア様の所に戻りますか。」

「え、もうちょっとだけ。」

「その言葉、もう五回目!私が無表情に戻せなくなるから。」

「あ、それは困る!さぁいこう!」


そう言って、別室に戻ると、リリアは泣いていた。


「は?あいつリリア様のこと泣かせたの?殺そうかしら。」

「待って待って!ほらカク様ハンカチ出してるし、慰めてるだけかもよ。リリア様笑ってるし!早まらないで!」

「………そうですね。良さそうな頃合いを見て中に入りましょうか。」



スピンは安堵のため息を付いた。

なんか主人公ってかんじ出てますが、主人公はリリアですよ!?

10話到達しました!見てくれている皆さんありがとうございます。


★★★★★、ブクマ、レビュー、お願いします。やる気UPになります。

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