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色無しタクトと叡智の剣  作者: 涼透 孝明
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プロローグ

初めまして、涼透(すすき) 孝明(たかあき)と申します。

素人の中の素人ですので、文脈の乱れや描写不足など読み辛いかと思いますがどうかお許し下さい。

また、更新は不定期になると思います。

何卒、ご容赦ください。

「やめて!死んじゃう!」


僕の手を止めたのは女の人の必死な叫びだった。

ふと視線を声の方へ向けると、そこには目に涙を溜め、青ざめた顔の女の人。

衣服は乱れ、ガタガタと肩を震わせている。


「うぅ…」


彼女とは別の方から、今度は苦しそうに呻く声。

その瞬間、何やらズキッと右手が痛んだ。

何故だろう、とても息苦しい。

僕は痛む右手に目をやる。


「…?」


僕の右手、握られた拳は所々擦りむき、血が滲んでいる。

しかしそれよりも僕の目を引いたのは、怪我以上に真っ赤な血がべっとりと付いている事だった。


「…え…?」


思わず間の抜けた声が漏れる。

とたん、今度は左手がズシリと重くなった。


「…うぅ…」


再び呻く声。

左手の方からだ。

息が、苦しい。

僕は恐る恐る、左手を見る。


「…!」


はっと息を呑んだ。

視線を移したその先、僕の左手は男の胸ぐらを掴んでいた。

掴み上げ、壁に押し付けているその男の顔は、赤く腫れ上がり、所々血を流し、苦しそうな呻き声を漏らしながら白目を剥いている。

大きく心臓が脈打った。

上手く息が出来ない。

思わず男から手を離すと、ずるりと壁に沿って項垂れ落ちる。


「はっ…はっ…俺、俺…!」


僕が、これは僕がやったのか?

何故?

どうして?

僕が、彼を、こんなになるまで?

自問自答しながら、僕は自分の手と男を交互に見る。

息が、息が苦しい。


「○○!大丈夫!?」


誰かが叫んだ。

誰が、誰を?

もう、何が何だか良くわからない。

僕が、誰かを?

こんなに、血だらけになるまで?


「○○!」


また、誰かの声。

息が、苦しい、視界が霞む…。


「○○!」

「○○くん!」


誰かが呼ぶ声。

悲鳴にも似たその声を聞きながら、僕の視界は真っ黒に塗り潰されていった。

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