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地球から地球に転生した男 〜黒銀のミストリオン〜   作者: 大志目マサオ
第一章 幼年期編 長い一日
9/11

第九話 デート。刺客。飛翔。

読んでいただけたら幸いですm(_ _)m

 俺は今、屋敷の三階テラスにて神殿所属の女性神官、うちのまあ食客みたいなもんでもあるジェシカさんとのんびりお茶をしている。テラスは三階のルーフ部分で、日当たりも良好で広い、植栽なども執事のアルが良く手入れをしていて気品に溢れ、前世で例えるなら金持ちがよくバーベキューしてる光景が浮かぶ様な造りだ。

 まあ実際公爵家(うち)でも頻繁ではないにせよ暖かい日にはここで食事をしたり、ガドの料理と夜景をアテに両親がお酒を堪能したりもしているなかなか素敵な場所だ。


 現在時刻は大体15時過ぎ、5歳の誕生日に父親(オーウェン)から貰った懐中時計で先程確認した。霧獅子の紋章付きの一点物だ。めちゃくちゃカッコいいぜ。

職人さんありがとう。


 エオメルはテラスの出入口付近で警戒し、メイドさんが一人いて給仕をしてくれている。

 ちなみにジェシカさんは紅茶、俺はコーヒーだ。そしてもちろんブラック。公爵家(うち)で仕入れてる豆は最高だ。どこの豆だか知らないけどさすが貴族ですわ。


「もう少ししたら夕陽が見られそうですね」

「ええ、特にここから見る夕陽は綺麗ですからね。僕はよく来るんですよ。屋敷の中ではお気に入りの場所の1つです」


 図書室に次いで好きなんだよなここ。

 大してやることもない引きこもりだから一日は長く感じるけど、こうして自分の意思でのんびりしてる時間はまた違ってくるよね。さてジェシカさんとお茶しながら他愛もない会話を楽しもう。


 ◆◆◆◆◆

 

 とても良い時間だ。和やかで、何もなくて、ただ会話とコーヒーがあって……


「やぁ~諸君! 仲良くお茶してるとこ悪いんだけどちょ~っとボクの話を聞いてくれるかな~? ニヒヒ」

「え?」


 間の抜けた声のした方を見るといつの間にか全身黒装束の人物がテラスの角の手摺りに寄りかかっていた。


 エオメルが即座に異常を察知して俺とジェシカさんの前に出て叫んだ。


「何者だ!! ここをマクスウェル公爵家の屋敷と知っての狼藉か!!」


 エオメルは腰に下げた剣に手を掛け、いつでも抜けるように身構えた。


「まあまあ~今日はボク荒事起こしにきたワケじゃないんでね~そこの坊やと話してもいいかな~? ニヒヒ」

「メイドさん! 不審者が現れたことを誰かに伝えていただけませんか! 大至急です! 警備隊でも護衛隊でもどちらでも構いません!とにかく戦える人を! ミスト様とジェシカ様は早く中へ!」 


 おおエオメル素晴らしいぞ!さっきの盗み聞きは不問にしてやろう!って、そんな場合じゃないな。


「は、はい! あ、あれ!? エオメルさん! ドアが開きません!」

「な、何!?」

「はいはいムダムダ~数分は開きませんよ~だ! ていうかここってちょっと強いヒト多すぎじゃない!? ヤバそうなのがいない隙を狙って来たのに計算狂っちゃったよね~ニヒハハハハハ~!」


 なんだコイツの気持ち悪い喋りと笑い方、イカレてんのか?


「貴様! 何が目的だ!」

「笑えないよキミ……ボク頭のワルいコってキライなんだよね~! キミね~コロすよ?」

「こちらに近付けば斬る!」


 コイツも銀獅子同様フードを目深に被っていて表情が伺えない……ていうかこのままじゃおっ始めちゃうよな。とりあえず誰か気付くまで時間稼ぎしないと。


「待ってエオメル! まずは話を聞いてみよう!」

「ですがミスト様! この様な得体の知れない輩、ミスト様の身が危険です!」

「坊やは賢いね~! そうそう! まずは用件を聞かないとだよね~! ニヒヒ」


 とりあえず目の前に単独でいる時点で少なくとも逃げおおせる算段はつけているはずなのと、真偽は定かじゃないが計算が狂ったとも言っていた。保証は無いが相手が強攻策に出ない限りこのやり取りを引き延ばすのはこちらに有利に働くはずだ。と信じたい。


「相手は見た感じ相当に手練のようです。当てられるかはわかりませんが攻撃魔法はいつでも放てます」

「わかりました。僕があいつと話して時間を稼ぎますのでいざという時はお願いします」


 小さい声でジェシカさんとやり取りを交わし、俺はできる限りの対話を試みた。


「僕が話すよエオメル……それとこちらからは絶対に仕掛けちゃダメだよ。いいね?」

「ですがミスト様……」

「お願いエオメル!」

「……わかりました。変な動きを見せれば即座に奴を斬ります。それと私よりも決して前へ出ないようにしてください」

「ああ、約束する」

「決して隙を見せぬようお気をつけください」


 いや、隙の隠し方はわかんないよ?


「ああ、うんわかった」

「も~い~かい? ニヒヒ」


 子供に尋ねるように上体を横に倒して黒装束が聞いてきた。まあ子供だけど。


「はい、大丈夫です。それでこんなことをしてまでの用件ていうのはなんなんですか?」

「ん~それはね~坊や、キミの服の下について聞きたいんだよね~! ニヒハハハハハ! ボクってばエッチだよね~!」


 ヤバいよコイツ、絶対ヤバい奴だよ。しかも変態属性も付いてる感じ?


「え、えっと、僕の服の下ですか? なんのことでしょう?」

「あれれ~ざんね~ん……坊やは賢いコだと思ったのになぁ……」


 なんかさっきもだけど急に雰囲気変わるなコイツ。怖いぞ普通に。


「いえ、本当にわかりません。僕の服の下がどうかしましたか?」

「死にたくなかったら今度はちゃんと答えてね。紋章だよ、テッラの紋章、あるよね? キミの身体に」


 しらを切るのは無理か……どうしたもんかな。


「もしもそのテッラの紋章? ですか、仮にそれがあったとしたらどうなのでしょうか?」

「ニヒヒ! トボケてもムダだね~! でもいいよ~いいね~その態度で十分なんだよね~! あるかどうかわかればいいんだよね~ボクは! それがボクのお仕事だからね~!ニヒヒハハハハハ~!」


 ある程度事前に情報を握っちゃいるんだろうけど、それを知ってどうすんだ?どう見てもコイツはカタギじゃなさそうだし、結構面倒な組織にでも目付けられちゃったか?そもそもどこの手のもんなんだ。何か聞き出す方法はないのか?


「あなたは……」

「ダメだよね~! 教えたらボクが怒られちゃうんだからね~! ニヒヒ」


 人の話潰すのはえーよ!せめて最後まで言わせろやこの変態。


「……僕はそんな紋章(もの)がある、とは言ってませんよ。あなたの用件はそれだけですか?」

「ホントはもうちょっと聞きたいことがあったんだけどね~! どうやらもう無理みたいだね~!」

「ぬぉらあああああああ! ふん!」

 

 ――ドガアアアン!


 テラスの出入口から爆音が鳴り響いた。マジで車でも突っ込んできたのかと思った。


「ミスト様、無事ですか?」


 粉砕されたドアと植栽の破片が舞い散る中から出てきたのは……


「ガド! それにキュロスも!」


「おい兄貴! 植栽が! 植栽がヤベェってこれ! アルフレッドさんに見つかったら殺されるぞ!」

「う、うるさい! 今そんなこと気にしてる場合か! 早く侵入者をとっ捕まえろ!」

「ったく、俺は知らねぇぞ! 兄貴が悪いんだからな!」


 アルの植栽がバラバラになっちゃった……いや、まあ俺を守る為だったって言えばさすがにアルも……どうなるかな。


「う~ん? ……へぇ、ちょっとヤバそうだからボク帰るね~! バイバ~イ! ニヒハハハハハハ!」

「貴様! 逃がすか!」


 と、エオメルが咄嗟に剣を抜いて斬りかかる。


「ぬ! クソ!」

「おっと~! キミじゃ~役不足だね~! ニヒハハハハハ!」


 黒装束は片手でいとも簡単そうにエオメルの剣を掴んだ。エオメルは全力で両手に力を込めているようだがビクともしない。


「貴様! 放せ!」

「ヨワヨワなキミはおねんねしちゃっててね~! ニヒヒ!」


 ――ドサッ


 エオメルが唐突に倒れた。よく倒れるなお前は。見た感じ流血は無いようだが……


「大丈夫だよね~! 今日はコロしちゃダメな日だってね~!」

「なぁ兄貴」

「ああ、エオメルはいい奴だったな」

「おう、ってちげーよ!」

「わかってるよ! 行くぞ!」


 これから戦うってのに余裕あんな~二人共。


 キュロスは剣を抜いたかと思うと、その巨体からはかんられない程に素早く、肉食の四足獣のように低い体勢で黒装束との間合いを一瞬にして詰めた。


 ――めちゃくちゃ速い!


「おわ! っとね~! やっぱキミ速いよね~! デカいのにふっしぎっだね~! ボクと同じくらい速いよね~! ニヒハハハハハ!」


 黒装束は多少驚きつつもどこからか取り出した短剣でキュロスの一撃を止めていた。


「どけ!」

「はいよ!」


 一瞬キュロスと黒装束の鍔迫り合いで止まった隙を突いてガドが黒装束に肉薄する。それに合わせてキュロスが横に#飛退__とびの__#いた。


巨熊の剛拳(ビョルンクラッシュ)!」


 ガドインの右腕はその巨体でもアンバランスに見えるほど巨大な熊の腕に変化していて、それで思い切り黒装束を殴った。


 ――ドパン!


「うるさ!」


 鼓膜が破れるかと思った!ソニックブームのような波動が殴った瞬間に走った。ジェシカさんやメイドさんも咄嗟に耳を塞いだが音の衝撃が凄すぎて足元が覚束ないようだ。キュロスは馴れたコンビネーションなのか、爆音に目を細めながらも予め耳を塞いでいた。


「こんなのってヒドいよね~! ボクの腕と鼓膜イっちゃったかもね~! ニヒハハハハハハハハ!」


 黒装束は人間がそんなに飛ぶのかという勢いで上空に文字通り殴り飛ばされた。殴られた衝撃で折れたのか左腕がだらんと下がり、フードが取れている。そして大きな弧を描くように吹き飛んだ黒装束はそのまま敷地の外の森に消えていった。


「あの変態野郎、なかなかやるな」

「あのツラ、それにあの笑い方、俺は見覚えがあるぜ兄貴」

「ああ、俺も思い出した。まさかまだ生きていたとはな」

「二人共あいつが誰だか知ってるの?」


 キュロスが答えてくれた。


「ええ、あの変態野郎は大陸の覇者、武帝の国の暗部【闇武(ドゥンケルハイト)】の一人、確か名前はデリティリオスって奴です。何度か昔かち合いましてね。いけ好かない野郎です」


「へ〜武帝の暗部? ……ていうかそのデ、デリリリオス? って奴は追わなくて大丈夫なの?」

「そうなんですが……すいませんミスト様、逃げを決め込んだあの野郎は正直追っても無駄です。アルフレッドさんがいればまだって感じですが、深追いは返ってこちらに被害が出るかも知れないので、それよりも一層警戒を強化した方が得策ですね」

「そうなんだ。わかったよ」


 なかなか因縁のある間柄っぽいね。ていうか何故アルがいればなんだ?アルも強いとは聞いてるけどそんな隠密的なポジションなの?


「それよりもミスト様、怪我はしていませんか?」

「ああ、大丈夫だよ。ありがとうガド」

「いえいえ、こちらも遅れてすいません。うちの愚弟(バカ)が封印術の解除は任せろとか抜かしやがって、とっととぶっ壊せばいいものを」

「は? 兄貴そりゃないだろ! 屋敷を無闇に破壊しちゃマズいと思ってやってたんだぞこっちは!」

「緊急事態にそんなこと考えてどうすんだ! もう少し遅かったらミスト様が危なかったかも知れないんだぞ!」


 戦闘の時に強引なのは意外とガドの方みたいだな。


「ミ、ミスト君……大丈夫?」

「全然大丈夫です。この通りピンピンしてますよ!」

「本当に? あの音を聞いて平気だなんて凄いのね」

「すいませんジェシカさん」


 ガドがジェシカさんに頭を下げて謝った。


「い、いえそういうつもりでは……助かりました」

 

 確かに……めちゃくちゃうるさかったけど別にそんなジェシカさんやメイドさんみたいに足元がフラつくような状態ではないな。これも例の加護の力なんだろうか?


「いや、実際凄いですよ! 兄貴のあの技は威力は見ての通り強力ですが、何しろ音がヤバいんですよ! 警備隊(うち)の奴らも最初に教えといてやってもフラフラになっちまうぐらいですからね!」


 なんでそんな技使うんだよ。それとなんでキュロスが得意気なんだよ。


 いや、違うな、そのぐらい強力なのをくらわせてやらないといけないような相手だってことか……


「あの変態野郎、瞬時に受け流していやがったな。俺は息の根を止めるつもりで殴ったんだが」 


 怖!殺すつもりだったの?て、そりゃそうか……


「ああ、多分次はこっちの仕掛け方自体変えないと当てんのもキツそうだ」

「だな。初見で殺すにはあのやり方が一番いいんだが、俺もどうやら鈍ったらしい。あいつがまた来ると考えたら、俺も再び鍛えないと駄目かもな」

「り、料理長って強い方なんですね」

「いえいえ、俺なんかは姐……エミリア様や旦那と比べればまだまだ足元にも及びません……」


 ふ~ん、なんとなく察してたけどやっぱ父親(オーウェン)母親(エミリア)は別格なのかね。

 キュロスが唖然としてあれ、俺は?と自分に向けて指を差している。


 ドンマイキュロス。そんなことより


「それよりもジェシカさんは医務室に行かれた方がいいんじゃないですか? 外傷は無いとはいえ、一応医者に見てもらった方がいいですよ」


 ガドの爆音攻撃で後遺症なんて笑えない。


「そうですよ。あそこでノビてる奴と、あとメイドのネーチャンも連れて行かないと、おーいお前ら! 3人医務室に連れてけ!」

「「へいボス!」」


 いつの間にか来ていた警備隊の連中が担架でエオメルとメイドさんを運んでいく。


「おいキュロス。お前まだボスなんて呼ばせてんのか、いい加減恥ずかしいからやめさせろ!」

「いやいや兄貴、そうは言うけど俺だってちゃんと隊長って呼べって言ってんだぜ? けど俺らはボスで慣れてるんでって、警備隊(あいつら)が勝手に呼んでんだよ」


 この反応は自分で呼ばせているなキュロス。お前はそういう奴だ。あとその吹けもしない口笛やめろ。誤魔化し方が古代レベルだぞ。


「失礼しやすです! えーっと、こちらの……ジェシカ……様でしたか? は、運ばんで大丈夫なんですかい?」


 と、警備隊の(一応公爵家(うち)の家紋入りの制服は着ているのに)どう見ても山賊にしか見えない風体の男が尋ねてきた。

 なんか警備隊ってこんな奴ばっかなんだよな。元冒険者とは聞いてるけど、冒険者ってみんなこんな感じなのかね。一度警備隊についても深堀しないといけない気がする。今のところ成り立ちとかざっくりとしか知らないんだよね。


「おう、運んでやってくれ! 丁重にな! あとヤラシイ目で見んなよ!」

「へいボス、そんなことは絶対しませんぜ! 姐御のツレの人なんでしょ? んなことしたら殺されちまいますよ! ナハハハハハグムぅ……モぅモフ!」


 咄嗟にキュロスが隊員の口を塞ぐ。


「バカ! お前! 呼び方! やめろ!」


 何の何段活用だよそれ。


「へい、すいやせん……そいじゃあ連れていきやす。ツレのお嬢さん、こちらへ」


 まだなんか色々とおかしいけどな。


「ツレ? は、はい、お願いします。では皆さん一旦失礼します」

「はいジェシカさん、お大事に」

「お大事に。すいませんでした」

「お大事に……それでミスト様、あの……エミリア様には……あのぅ……その……」


 ガタイのいい男がモジモジすんなよ。


「言わないよ。ただもうちょっと指導しとかないとヤバいと思うよ?」

「はい、頑張ります。できる限り」


 自信ないよなそりゃ、キュロス自身ができてないんだから、それに何年も警備隊やっててあの調子じゃ無理だろ。公爵家(うち)の定番コントとして考えておこう。俺が怒られる訳じゃないし、見てる分にはまあまあ、うん。


「さあそろそろ夕食の時間です。ここは兄貴と警備隊(うち)の奴らに任せて、食堂に行きましょう」

「うん、だけどその前にせめて着替えたいな。部屋に寄ってっていい?」

「あ、そうですよね! 兄貴のせいで埃まみれですもんね!」

「キュロスお前なぁ!」

「ウソだよ! やめろ! 襟引っ張んなよ!」


 こいつらも前世の俺と同じぐらいの年齢なのに仲良いよな。ちょっと羨ましいよ。地球(むこう)の俺の弟と妹もちゃんと元気にしてんのかな……。


「さ、行こうか! ガド、ありがとうね! 助かったよ!」

「はい、いつでもミスト様の為、引いてはこのマクスウェル公爵家の為ならこの俺の命ぐらい張らせていただきます」


 カッコいい兄貴だよ本当に、俺もこんな兄貴が欲しいよ。


「え! あの! ミスト様俺は!? 俺は駄目なんですか!?」

「はいはい、キュロスもありがとう!」

「え~! なんすかそれ~! 俺だってこの公爵家の為ならなんだってしますぜ!?」

「わかってるよ。本当に感謝してるって!」


 俺はキュロスの腰をバシバシ叩いてやった。


「どうも兄貴の方が上に扱われてる気がすんだよな~! 見てろよ兄貴! 絶対逆転してやっかんな!」

「言ってろ愚弟(バカ)が、そんなことはいいからミスト様をちゃんとお守りしろよ」

「チクショーなーんか腹立つんだよなー! わーってるよ! じゃあな毛むくじゃら! ミスト様行きましょう!」

「アハハハハハ! 二人共最高だよ! ハハハハハ!」

「……おいおい、毛むくじゃらのせいでミスト様がおかしくなっちまったじゃねーか!」

「な、お、俺はそんな……やっぱりあの技はダメだったか、大丈夫ですかミスト様?」

「ハハハハハハ! ふぅ……はぁ~、うん、笑った! 全然大丈夫! さ、行こう! ご飯ご飯! 僕先に行っちゃうよ~!」


 変態野郎のデリティリオスは正直怖かった。けど前世では決して味わえなかった経験に浮かされたのか、コント兄弟に毒されたのかはわからないけど、俺はとても楽しい気持ちになっていた。


 この時の俺はまるで本当に童心に返ってしまったようだった。




兄弟や家族って本当に憎たらしい時もあるけど、何故か人に馬鹿にされると異様に腹が立ちます。なんでですかねぇ?私だけでしょうか?



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