第三話 5歳。早朝。挨拶。
ちょっと紹介多めですがご勘弁をm(_ _)m
時が過ぎるのは早いものであれから5年ばかりの月日を経た訳だがまず始めに、ほぼ毎朝起きる度に思うことでもあるし、重ね重ね言いたいことでもある。
「どこが地球やねん」
どこも知ってる要素無いんですけど?そもそもこれ翻訳機能無かったら詰んでますよ。王国語なんて聞いたことないからね?
あの女神様の言うことだし、鵜呑みにしている訳ではないけども…考えても仕方ない。5年も経つのにコンタクトは一度もないし。忘れてんじゃないのかと不安になる。いや、絶対忘れてる気がする。別段話したいことがある訳じゃないんだけど神様が約束5年放置ってどうなの?時間の感覚が違うのはわかるけど爺さんになってからじゃ逆にこっちがあなた誰ですか?ていう展開もあるよ?
……ともかく俺は女神様の言う地球とやらに転生し、こちらに来てから現在5年が経過した訳だが、我が生家はどう見ても中世ヨーロッパ風のバカデカい屋敷で、両親、姉弟、使用人に至るまで全て西洋系の体格、顔立ちだ。
かくいう俺は金髪で肌は白く、これまた西洋系の顔立ちだが目は黒い、どういうバランスなんだ。
なんでも神官のジェシカ曰く、女神様の加護の影響だろうとのことだ。髪とかピンクにされなくて良かったとしておくべきだなこれは、とはいえ学校とかに行ったら悪目立ちしないだろうか?とても不安だ。
そして最初はコスプレかと思ったが獣耳やら尻尾の付いた獣人という人達だ。おまけに屋敷に出入りする人の中にはドワーフ、エルフっぽい人もいる。
ここがファンタジー世界なことだけは確定だ。しかも普通に魔法もある。こうなるとただ単に人類種のいる惑星が地球と呼称される率が高いだけなんじゃないんだろうか?翻訳が地球にされているだけとか?謎だらけだ。
とりあえず屋敷の中に日本ぽさアジアっぽさ、もちろん俺の知ってる地球っぽさなど全然無いし、そんな中で金髪黒目の俺は、今でこそ訳あって行動範囲がほとんど屋敷内だけで完結しているにも関わらず現状浮きまくりだと思う。
思い込みの域は出ないし、誰も言ってはこないがそれは立場ゆえな気がしてならない、気にしいの俺にはどうしてもそう思えてしまう。
なんなら今の見た目は夏休みに友達とブリーチしたら家に帰って大目玉をくらうおバカな中学生さながらだし、より幼いので親にやりたくもないのに金髪にさせられてる残念な子供と同じだ。いや、黒い目に何故か憧れてカラコン入れてる外国人の子供か?
いやちょっと待て、成長過程でおバカな中学生にも一回なるってことじゃん。あれ、これってオジサンになったら…?
と、さすがにこの感覚はここでは俺だけだろうが、細かくお願いしたのは周囲から浮かないことも考えてのものだったのに、まったく少しぐらい転生先の常識を聞いておけば良かったよ。もう考えるのはやめよう。誰か屋敷外の人のリアクションを見る日が来るまで封印だな。
それに、そもそもあの女神様に聞いても要領得ないか…常識が備わっている訳が無いし、聞かないで正解なのかもと思えてくるから不思議だ。
さて、詮無きことシリーズはともかく朝のお散歩ルーティンを開始しよう。まずは挨拶、これが日本人にとって一番大事だ。
さあ第一屋敷人は……?お、いつも通りだ。護衛の騎士と……
「父様おはようございます!エオウィンもおはよう!」
「おお、おはようミスト!今朝も早起きだな!よっ!」
サッと抱き上げられ頬をスリスリだ。護衛の騎士は後ろに控え礼をしてくれている。
俺を抱き上げたこの人物はマクスウェル公爵家当主、名はオーウェン・アルバート・マクスウェル。人間族の35歳男性。金髪碧眼、筋骨隆々の体格で身長も190近いのではないだろうか、他の家人達と比べてもかなりデカい。いつも数名の側近を引き連れ、出掛けたり来客の対応をしたりとかなり忙しそうだ。普段の父親はとても威厳に満ちた人物だ。だが子供達にはメロメロだ。メロメロすぎて若干グレイス姉さんあたりには引かれていると思う……。
「父様もいつも朝早くから大変そうですね! お身体にはお気をつけください」
「なあに、早起きは3ガドルの得というからな。ミストも体調に無理が無ければ続けると良いぞ。では朝食でな!」
「はい、早起きは気持ちが良いので続けます! ではまた朝食で!」
父親は護衛の騎士と共に執務室へ向かったようだ。それにしてもちょいちょい聞いたことある言い回しがあるんだよなぁ。同じくらいの知能があればやはり似たような考えに至るのだろうか?
と、父親と別れてすぐに……こちらはいつもよりか少し早いな。
「あら、ミストおはよう! 今日も早起きしているのね! 偉いわ!」
「母様おはようございます! 母様も今日は早いですね!」
「そうなのよ~! 今日からシビデ郷の所に軍隊教練に行かないといけないの。何日か空けることになるわね。ミストに会えないなんてとっても寂しいわ」
お次は抱きしめられて頬をスリスリだ。両親共に俺の想像してた貴族らしくないんだよな。完全な子煩悩だ。まあその方が接しやすくていいんだけどね。
「ああ、そういえば言ってましたね。母様はとても強い魔法剣士だと家人達からも聞いております。色々ななところからお声がかかるとか、とても大変ですね」
彼女はエミリア・ローズ・マクスウェル。人間族の女性で父親と同じ35歳。金髪碧眼、身長は女性としては高い方だと思う。175くらいはあると思われる。3人産んだとは思えないほどかなりスラッとしている。スラッとしているように見えるがその実、貴族の女性とは思えない程全身バキバキの筋肉質でやけに力が強い。あと蛇足だが胸がかなりデカい、離乳するまでは一応実の母親とはいえかなり複雑な心境だったよなぁ…でもまるで1個の美術品でも見てるようで変な気がしてこないというか、血縁のせいかはわからないが不思議な魅力を持つ女性だ。
てか転生者って知ってるはずなのに母乳で育てるって凄いよな。母親って凄い。うん、絶対に忘れよう。その方がお互いの為だ。彼女は少なくともこの世界では紛うこと無き母親なんだからな。
「ええ、でも戦いの準備は怠ってはいけないわ。これもマクスウェル公爵家の人間としての責務なのよ。魔族や帝国、周辺の列強諸国があの一件でこのまま黙っているとは思えないもの…て、いけない支度を急がないと。また朝食でねミスト!」
「心得ておきます母様。はい、では朝食で!」
だいぶきな臭いこと言ってたな。あの一件てなんだろう。詳しい情勢はわからないけど、近々戦争でも起こるんだろうか?暮らしている感じだいぶ平和だと思っていたけど、そうでもないのかな。
それにしても二人とも本当に大層な名前だ。因みに俺はミストリオン・ブライアン・マクスウェルという名前がつけられた。まったく派手にも程がある。
名前負けが非常に嫌なので自分の名前は手加減して欲しかったのだが、こればかりはどうしようもない。
高貴な霧の獅子という意味らしく、霧の獅子というのがどうやらこの公爵家の守護聖獣というものらしい。で、その守護聖獣というのはなんでも遥か昔の大戦時に特定の一族に味方した聖獣らしく、文献によれば魔王討伐にも大きく貢献したとか…いつのことだかわからないけど魔王とかいたんだね。今もいんのかな?今度調べてみよう。
それでその守護聖獣は王家を含めた8つの一族に今尚伝承され、聖獣の力を持つ8家は名誉も武力も一般的なそれとは隔絶している。のが常識らしい。まあ隔絶はちと言い過ぎだがな。とは父親の言だ。
うちの家紋にも霧を纏った獅子が描かれているぐらいで、まったく中二病も甚だしいが嫌いではない。そう全然まったくこれっぽっちも嫌いではない。だってライオンだよ?かっこいいじゃない。
――広い廊下に2つの駆ける足音が響いてくる。これはだいぶ珍しいな。
「ミスト~! おっはよう!」
「グレイス姉さん、おはようございます! 今朝は早いですね!」
この元気の良い女の子は長女のグレイス・ロザンナ・マクスウェル。年齢は10歳で両親からの遺伝もバッチリ金髪碧眼、とても明るくて優しい、顔は母親似で美人系、面倒見の良い性格で作法にも明るく勉強好きのようだ。少々背伸びをしがちだが長女としての威厳と言ったところだろうか、なんだか見ていて微笑ましい。
「ミストおはよう。あなたはいつも早起きね。偉いわ」
「いえ、癖のようなものです。ソフィア姉さん、おはようございます」
そしてこのおとなしめの女の子が次女のソフィア・ロージー・マクスウェル。年齢は8歳でこれまた金髪碧眼、顔は両親の良いところをかけ合わせた感じで、どちらかと言うと可愛らしい顔立ちだ。
グレイス姉さんほど明るい性格では無いが、お淑やかと言えばいいのだろうか、俺が産まれるまではワガママ放題だったらしいが、母親によれば俺の妊娠がわかったぐらいから急に変わったらしい。姉になる自覚について誰かに言われたんだろうか?なんにせよこちらも微笑ましい限りだ。きっと好奇心を抑えるのに苦心しているに違いない。
本人は勉強を不得手としているらしいが、家人曰くグレイスが優秀すぎるだけでソフィアも十分優秀らしい。似たようなミドルネームだが母親の猛烈な拘りのようだ。薔薇が好きなのだろうか?その辺はまだよくわからない。
「今日の朝食は母様と一緒に作るのよ! 楽しみね!」
「あ、そうなんですね! 母様の料理はガドも一目置いてますからね。とても楽しみです」
だから2人共早いのか、母親も支度ってそういうことね。いつもはもう少し姉妹も寝ているイメージだったからな。でも、早起きしても朝食の時間は変わらないぞ?
「グレイス姉さん急ぎましょ。これから私達母様に料理を教わるの。何日か帰れないから早起きができたら調理場に来なさいって」
「ああ、なるほど。それで姉さん達も料理に興味が?」
「もちろんよ! だって料理は淑女の嗜みだって母様が言ってたわ!」
母さん?嗜みもなにも貴族の女は別に料理せんでもいいのでは……?
「ミスト、また後で」
「急ぐわよソフィア!」
淑女の嗜みと言いながら猛烈ダッシュだ。遅れてやってきたお付きのメイド2人もたしなめるのに困り顔だ。
「お嬢様方! 廊下を走ってはいけません! 待ってください! あ、ミストリオン様、おはようございます。失礼致します。お嬢様〜!」
まったく朝から元気なもんだ。まあどんよりした家庭よか100倍マシだな。家族はこの4人で、俺を含めた5人一家だ。親戚もいるらしいがまだちゃんと会ったことはない。俺が産まれてから何人か来ていたらしいが、俺は赤ん坊の本分でもある睡眠に勤しんでいて記憶にはない。
あ、マズいこのシルエットと足音は……
「これはミストリオン様、おはようございます。今朝もお早いですね」
お手本のように綺麗な一礼だ。
「う、や、やあ! おはようアル!」
いかん、マズいぞ。これは抜かったか。
「早起きはとても良い習慣です。続けてくださいませ。」
「あ、ああもちろんだよ!それじゃ……」
「それと、ミストリオン様、昨日警備隊長のキュロスと何をしていたのかお伺いしても?」
クソ、やっぱりか……どうにかバックレないと
「ん? なんのこと? 普通に庭を散策してただけだよ」
彼は執事のアルフレッド・バトラル。人間族の男性で年齢は60歳前後と思われる。油断の無い佇まい、ビシッとした服装、細身で長身、調えられた髭、オールバックに撫でつけられた白髪、モノクル、貼り付けた様な笑顔、笑ってない瞳、丁寧極まる言葉遣い、執事と言えばこれしかないという特徴を全て兼ね備えた人物だ。代々マクスウェル公爵家に仕えている一族らしく、とてつもなくマナーにうるさい。食事の作法から言葉遣いまで事ある毎にひたすらに注意をしてくる。
とはいえもちろん彼は公爵家に尽くしているだけであって全然悪い人間ではないのが余計に困る。
「左様ですか、ではキュロスに問正すとしましょう。生垣が何故あんなことになっているのか、庭師のジャクソンも本当に困っていましたからね」
「は、はは、なんでだろうねぇ。はは……」
キュロスごめん。アルとの遭遇が唐突すぎてどうしようもなかった。これは事故だ。さよならキュロス。
「……なんて言うと思いましたかミストリオン様」
「え?」
「メイドのイグが見ていたのです。使用人がこの屋敷に一体何人いると思っているのですか? ミストリオン様、あれ程剣術や体術の稽古はまだ早いと申しているのに何故やるのです。大きなケガでもしたらどうするのですか?」
な、バレていたのか!しかもカマ掛けパターンは余計にバツが悪い。
「う、嘘ついてごめんよアル! でも稽古は本当に楽しいんだよ! 気をつけてやるからキュロスを怒らないでやってくれ!」
目下の難敵であり俺が物心ついてからの日々はほとんどがこのアルとの攻防戦だ。父親の側近なんだから俺に構うなと言いたい。まあ主に俺が悪いんだけどさ……
「いいえ、キュロスにはしっかりと言わせていただきます。あの男は旦那様の温情を与り、警備隊長になっておきながらその自覚が全然足らないばかりかミストリオン様を甘やかす始末。公爵家を背負って立つお方に対してただただ甘やかすなど言語道断。しかも禁止されているのをわかっておきながら主人である旦那様に黙ってミストリオン様に稽古をつけているなど愚かの極み、一言言ってやらねば家人達の規律にも関わります。決して許す訳には参りません」
な、なげぇ、しかも的確すぎる。これはどうやらいつもよりも輪をかけてマズい。アルがここまで怒っていたとは迂闊だった。
「そ、そんなぁ、頼むよアル! キュロスは悪くないんだって! 僕がキュロスに黙っているように頼んだだけなんだよ! 学園に通うのが待ちきれなくて早く剣を覚えたいって!」
ちくしょー、朝からバッチリ説教タイムになってしまった。アル…怖い奴だ。しかも沈黙が長い……どうなるんだこれは……お尻は叩かないで欲しい。
「……ミストリオン様は幼い頃の旦那様そっくりです。止めても無駄なので一応稽古は認めますが、骨折などの程度の大きい怪我をすれば一大事なのですよ? 側にいながら怪我を負わせたとなればキュロスの立場にだって迷惑がかかります。治癒の魔法は領内でも使い手が少なく、処置が遅れれば後遺症になる恐れもあります。この事は様々な問題を含んでいるのです。きちんとわかっておいでなのですか?」
本当にいつも痛いところを突いてくるよなぁ……キュロスの立場ねぇ……考えてなかったなぁ。キュロス自身はどう思ってたんだろ?さすがに庇ってやらないと可哀想だな。貴族って面倒くさい。だが稽古してもいいんなら重畳だ。
「あ、ああ誓って無理はしないし、誰にも迷惑がかからないように配慮するって約束するよ。キュロスにも今回は僕から言うからさ」
通れ!通るんだ!
「ミストリオン様は幼くしてこうも言葉を良く知り、賢くておられるのに、どうしてそこまで好奇心が旺盛なのか……血は争えませんな。約束ですからね。あと、庭師のジャクソンには必ず謝るように、貴族だから何をしてもいいという訳ではありません。人の模範となることが肝要なのです。それとキュロスには私が言います。彼と通通の仲のミストリオン様が注意しても意味がありません。わかりましたね?」
サラっといけば大丈夫かと思ったが、すまないキュロス。良い奴だったよお前は……改めてさよならキュロス。
「う、うん。もちろんだよ。ジャクソンには必ず謝る。手伝えそうなことはやるようにもするよ」
「ふむ。良い心掛けです。マクスウェル公爵家の人間として高潔な心を持ち、行なったことには責任を持ちましょう。謝るからといって家臣に謙るのではなく、次期当主として恥じぬ振舞いをしてください。では、朝食まであと半刻程です。遅れないように散歩の続きをどうぞミストリオン様」
「わかった。では後で。」
ふぅ……アルの言うことはいつも正しいけど疲れちゃうよ。俺まだ5歳だよ?それに謝るのに謙らないってムズくない?もうちょいおバカな振りでもした方がいいんだろうか。いや、今更そんなことしてもどうせアルには逆効果だな。いつもより格段に怒られるオチが絶対に待っている。やめておこう。
さて、外の空気が吸いたいのにまだ屋敷から出られてもいないよ。気を取り直して散歩散歩~!
◆◆◆◆◆
と、屋敷の西側の出入口を出てすぐ。屋敷から綺麗に石畳の敷かれた道を進むと、庭園の前を掃除している女性が1人。これはいつも通り。さっきの説教の残念感を払う為にも元気良くいこう。
「あら、これはミスト坊っちゃんおはようございます!」
「やあリリアン! おはよう!」
産婆としても活躍していた婦長のリリアン・ネロス。人間族の恰幅の良い女性で、これまた代々マクスウェル公爵家に仕えている一族らしく、アルフレッドとの会話を聞くに、上下関係は無さそうだし、見た目から同じぐらいの年齢だと思われる。家人の中ではアルフレッドと双璧を成す存在であり、主に公爵家の諸用や雑務はこの2人を中心に回っている。
にしてもリリアンはいつまで坊っちゃんと呼んでくるのだろうか。まあ全然いいけど
「まあ元気のよろしいことで……このリリアンもなんだか清々しいですわ。あ、そういえば今朝はグロウバードが1羽、庭園のグリムツリーに留まっておりましたよ。ミスト坊っちゃんも今行けばまだ見られるかも知れません。もしかしたらあの時の個体かもしれませんよ!」
マジかよ!
「え、本当に!? 急いで行ってくるよ! ありがとうリリアン! 後でね~!」
「ミスト坊っちゃん! わかっていると思いますがあまり騒ぐと逃げてしまいますからね~!」
「うん、わかってるよ~!」
急げ~急げ~!!
グロウバードはそれなりに希少な鳥型モンスターだ。全身深い青色の羽と体毛で、嘴は濃い黄色、だいぶカラフルだが例えるならタカに近い骨格と見た目だ。
翼を畳んでいる時は体長60cmぐらいで開くとゆうに2m近くなる大型の鳥だ。温厚な性格で危害を加えなければ人に害意を持たない珍しい種類でもある。
うちの庭園のグリムツリーという30mぐらいある大木に、番いが一度巣を作ったことがあり俺がまだ3歳ぐらいの時の春に、1ヶ月間ぐらいはほぼ毎日見れた。
グロウバードに限らずモンスターは生育が早いらしく、巣を作ってすぐ産卵、2週間程して雛が産まれて、その後3週間もしたらどっかに行ってしまった。いなくなった時は落ち込んだものだ。
本当に綺麗な色の鳥で、たまたま庭に落ちてた1枚の羽根を見つけた時は我ながら無邪気に喜んだ記憶がある。拾った羽根今も大切に机の中の小箱に入れてしまってあり、俺の宝物だ。
見られるならまた見たいとずっと思っていた。早くグリムツリーのところに行こう。
とりあえず主要な人物が少し登場しました。
両親が鑑定文の内容を知っているのにミストを子供として扱っているのにはちゃんと訳があります。その内知れると思います。