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地球から地球に転生した男 〜黒銀のミストリオン〜   作者: 大志目マサオ
第一章 幼年期編 長い一日
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第十話 分析。謝罪。

読んでいただけたら幸いですm(_ _)m

 俺は自室で着替えを済ませ、キュロスを伴い食堂へと向かった。中央の階段を降りていると聞き慣れた少々騒がしい声が玄関ホールで響いていた。


「あ、ミストただいま!」

「ミスト、ただいま」 

「あ、お帰りなさい! 早かったですね!」


姉妹(プリティシスターズ)のお帰りだ。


「ミストリオン様、ただいま戻りました」

「お、アルもお帰りなさい。早かったね」

「はい、少々学園側には融通していただきました。屋敷に旦那様も奥様もいない状況でしたので……しかもこの様子ですと……何かあったのでしょう」

「そうなんですよアルフレッドさん、ちょいと昔知った顔が屋敷に侵入しましてね。」

「ほう、してその不届き者は?」

「もちろん兄貴と自分で持て成しましたよ。」

「では被害の方は?」

「軽傷三名ってとこです。それとテラスが少々荒らされちまいましたね」


 どうする気だキュロス。


「ふむ、テラスですか……ミストリオン様はその場に?」

「ええ、いましたが無傷です。現場は警備隊と手の空いてる者とで片付けてます。外で警戒にあたらせてる者は警戒レベルを強化、追跡はちょいと相手が厄介なので行ってないですね」

「厄介ですか……心当りがあるようですが何者なんですか?」

「はい、現れたのは【闇武(ドゥンケルハイト)】です。武帝のとこの刺客ですね」

「武帝の手の者ですか……なるほど、理解しました。追跡しなかったのは正解ですね。正しい判断でした。他には何かありますか?」

「いえ、報告は以上です」


 植栽はスルーね、まあ壊したのはガドだしね。


「……これは旦那様に判断を仰がないといけません。しかし【闇武(ドゥンケルハイト)】ですか、だとしたら狙いは……」


 あ、キュロスは途中からだったし、当事者は今俺だけか


「僕に用があったみたいだよ。紋章(あの)ことで」


 アルが少し驚いた様子で目を見開いた。


「それは……やはりといいますか、困りました。旦那様が今日お戻りになれば良いのですが……」

「アルフレッドさんすいません。戦闘と事後の警戒で大事なことが抜けてました」

「構いません。手練だったのでしょう? 今回はいいですが以後は気を付けてください」

「はい、気を付けます」

「ねえ、ミストに何かあったの?」

「はい、グレイスお嬢様、少々問題が起きたようです。今はまだ旦那様のご判断によりますのでわかりませんが、もしかするとお二人はしばらく学園を休まなければならないかもしれません」

「え、今朝は大丈夫って……」

「申し訳ありませんグレイスお嬢様、一応まだわかりませんので、ここは旦那様のお帰りを待ちましょう」

「そうよグレイス姉さん、お父様が戻るまでは、ね?」

「……わかったわ」


 ソフィア姉さんは納得しているようだが、グレイス姉さんは不満そうだ。


「それよりもここでこうしてもいても仕方ありません。夕食にしませんか?」

「その通りですミスト様、まずは副料理長(オーガス)のメシでも食って落ち着きましょう!」


 ん、と誰か来たな。ジャクソンか


「あの、すいませんミスト様。先程は侵入者の察知に遅れてしまい、ご迷惑をおかけしました」


 深刻そうな表情で頭を下げるジャクソン。

 なんでジャクソンが謝るんだ?


「おいジャクソン、お前は悪くないぞ。あの野郎はさすがに手に負えねぇって」


 キュロスがそう言ってジャクソンの肩を叩く。

 だからなんでジャクソンが謝んのよ。


「ん? ジャクソンがどうして?」

「あ、そうかミスト様は知らな……」

「キュロス、不要です。ミストリオン様、まずは夕食を、詳しい事情は旦那様がお戻りになられてから話しましょう」


 なにそれ、めっちゃ気になる~!


「え!? そこまで言ったなら話してよ!」


 アルが思い切りキュロスの方を睨む。


「いえ、その……すいません」

「キュロス、先程は問題の直後ということで良しとしましたがこれは見過ごせません。それとジャクソン、あなたもあなたです。旦那様のお言葉を忘れたのですか?」

「あの、はい……アルフレッドさんすいません。」

「ちょっとちょっと! どういうことなの!?」


 グレイス姉さん、それは俺のセリフだって!


「やれやれ、いけませんねこれは……旦那様になんと申し上げれば良いのやら……」


 アルは本当に心の底から落胆している様子で、キュロスとジャクソンは本当にやっちまったって顔をしている。


 ていうか教えてくれませんかね?


「ミストリオン様、まずは夕食を、その後お話し致します」


 話してくれるんならまあいいか、腹も減ったし。


「わかった。けど必ず話してね?」

「もちろんです。ここまできては隠すだけ失礼です。旦那様のご配慮を考えれば足蹴にするようで心苦しいすが、私からお話しさせていただきます」

「ね~アル! 私も聞かせてくれるんでしょうね~!?」

「あ、私も……気になります」


 だよね~!みんな気になるよね~!っていかんいかん、変態野郎(デリティリオス)みたいだ。


「僕達みんなでいいよね?」

「はい、お嬢様方にも聞いていただきましょう。少し長くなりますが、最後まで聞いていただければと思います」

「わかった。じゃあ今度こそ夕食にしよう」

「聞けるならいいわ! さ、夕食よ! いこ! ソフィア!」

「はい、お腹が空きました」

「キュロスは当然としてジャクソン、あなたも来ていただきます。話が済んだ後も残っていただきますからね。特にキュロスは日頃の行いから今日のことも、何から何まで全てについて話があります。いいですね?」

「「はい……アルフレッドさん……」」


 なんか謝ってばっかりだね君達は、過酷な(みそぎ)が待ってるなこれは


「オーガスの料理、今夜は何かしら!」

「私はオーガスの料理も好きです」

「ソフィアはなんでも美味しいって言うわよね~!」

「もうグレイス姉! そんなことない!」


 姉妹喧嘩の時はすぐソフィア姉さんの口調が崩れるよな~まあそんなとこも子供らしくてかわいいけど


「さあ、では食堂へ行きましょう。副料理長も温かい料理を出す為にきっと首を長くして待っていますよ」

「うん、そうだね」


 長くなってしまった立ち話を終え、みんなで食堂へと向かった。


次回はマクスウェル公爵家の家人にまつわる話になります。

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