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第7話 力の一端

こちらは本日1話目です。

次話は18時の更新となります。



基本的に権能は【 】で表し、それ以外は《 》で表記します。権能の細かい能力も《 》となっておりますのでご注意ください。


ちなみに「 」は普通の会話文、

    『 』は直接言葉を介していない会話文、

    ( )は心の中の独り言、

    " "は人物や現象の名称、

    〈 〉は地名となっております。

「――よし、じゃあとりあえず自分の力を確認してみるか。」


頭の上でジッとしているリメに対して、そう声を掛けた。

話返してくれることはないが、どうやら言葉は理解しているらしく、今もポヨンポヨンと頭の上で跳ねて反応してくれた。



しかし、どうやって自分の力を調べたものかな。

現状自分の持っている能力は権能である【分解】とスキルである《言語理解》の2つだ。


この世界の生命体は、基本的にスキルと固有スキルというものを獲得できる。

スキルはありふれたものであり、()()()に誰でも獲得することができる能力である。

それに対して固有スキルというものは、基本的に()()()なものであり、同じ世界に同じスキルは存在せず強力な能力になっている。ただし、魔物の一部固有スキルは同種属全てが持つスキルであるため、純粋な固有スキルよりは劣るとのことだ。


一般的にはこの2つしか存在しないとされているが、例外的に権能も存在している。

これは神々にのみ与えられたものであり、固有スキルの数段階上の性能を持つチート能力である。

だから、俺はすでに【分解】というチート能力を得ていて、無双したければできる可能性があるのだ。

まあ、そんな無駄なことをするつもりは毛頭ない。


ちなみによくあるステータスというものは存在していない。

レベルもスキルに関するレベルがあるだけで、強さの指標になる意味でのレベルというものはない。

異世界的には少し物足りない感じがする。



さあ、ぼちぼち能力を試用してみるか。

言語理解は人に会わないと使えないから、確認しようがないから後回しで良い。

それにスキルだから、試すまでもないと思われる。


問題の【分解】の権能であるがどう使えばいいのかがさっぱりわからん。

こういう時に《鑑定》とかそれに準ずるスキルがあればいいのに。


仕方ないから、がむしゃらに試してみよう。

近くにあった木の棒に向けて使ってみる。


「分解!」


シーン……何も起きない。

かなり恥ずかしい、耳まで真っ赤になってそう。

ああ、リメ慰めてくれるのかありがとう。


その後も、声の出し方や発動する際のポーズが違うんじゃないかと試してみるも全滅。

分解するイメージが足りないんじゃないかと思い、イメトレしてから使うも不発。


何がダメなんだ?

異世界ものの小説の内容を思い出し、一つの結論に至った。

権能を使う際の呼称が違うのではないか?

よし、目処が立ったな。



俺は大きく息を吸い、考えられるだけの木の棒を分解するっぽいアイデアを片っ端から唱え始めた。


「木分解!木材分解!木片分解!木の棒分解!棒分解!緑分解!植物分解!グリーン分解!ウッド分解!ツリー分解!スティック分解!なんだ木関連でないのか?……えーっと分解!シンプル分解!一次分解!一回分解!簡易分解!インスタント分解!イージー分解!バラバラ分解!分解分解!とにかく分解!さっさと分解!……やけくそになってはダメだ。部分分解!部品分解!因子分解!素材分解!解体分解!詳s……」


すると、目の前にあった棒が棒と着いていた葉の2種類に分かれた。

まるで魔法にかかったのように一瞬にして種類ごとに分別されたのだ。

念願の能力が発動したようだ。


やった、どれかに反応した!

因子分解か素材分解か解体分解の3つのうちのどれかだな?


そして、また新しい木の棒を用意して、3つを唱える。


「因子分解!」


何も起こらない。


「素材分解!」


すると、先ほどと同じように棒と葉に分かれた。

ビンゴ、これだ!



その後何度か方法変えて、分解作業を行ってみた結果いくつかのことがわかった。


まず、言葉は必ずしも口に出す必要はない。

《素材分解》という能力をイメージするだけで、無詠唱で行使することができた。

逆に口に出しても、その能力をイメージしていないと行使できなかった。


次に分解できる対象である。

分解する対象は生きている生命体以外であった。

試しに近くにいた生きているネズミやミミズに対して行使しようとしても何も起こらなかった。

ただ植物に関しては地面に生えたままでも対象になった。

また対象は自分の視界に入っていて、拳1個分以内まで接近する必要があった。


「木をわざわざ切り倒したりする必要がなくて助かったな。これでリメに頼めば、今日中に簡易的にだが家を建てれそうだ。」


これで拠点作りの目処が立った。

なによりも心配していた衣食住のうちの住が解決しそうだ。

よしよし、順調な滑り出しだな。



待てよ、権能と呼ばれるぐらいだから、もしかしたら《鑑定》に似た能力もあるんじゃないか?

アイネも心を読んだりしていたし、それに近い能力を神々は権能の中に持っている可能性は高そうだ。


そうと決まれば、また実験だ。

また、木の棒を用意して、能力発動のキーになりそうなフレーズを唱え始めた。


「鑑定分解!」


やはり、1度目で発動するなんてラッキーは存在しなかった。次。


「分析分解!」


不発。次。


「ステータス分解!」


なにも起きず。次。


「情報分解!」


木の説明文が脳内に--次。


いや待て、今発動してたんじゃないか?

脳内に木の棒に関する情報が流れ込んでくる感覚があった。

もう一度確認を込めてやってみるか。


「情報分解!」



 [木の棒]

   フバツハートチークの折れた枝。

   木は数年に1本枝が折れたら奇跡と呼ばれるぐ

   らい耐久性が優れている。

   ただし木から離れた木材は、特殊な加工を施さ

   ないとすぐに一般的な木の枝と変わらないもの

   になる。



おお、これぞまさしく《鑑定》だ!

名称だけでなく、それに付随する知識まで開示されるとは便利なものだな。

本家はどこまで見れるかわからないが、とりあえずここまで分かれば十分だな。


そうだ、自分にも《情報分解》をかければ能力がわかるんじゃないか?

これでやっと始動できる、早速試してみよう。



「さあ、どんな能力があるのかな?」

追記(8/29)

 固有スキルに関する説明を一部変更致しました。変更点としては、一部魔物の保有する固有スキルであるものは、同系統の魔物は皆持っている・もしくは持つことができるということにしました。

 具体的には《○○モノ》や《○○ー》は世界に一つしかない固有スキルとなり、それ以外は魔物系統の複数体存在する固有スキルとなります。



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