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第68話 水上の問題①

念願の100,000pvを達成しました!


こちらは本日1話目です。

次話は18時の更新となります。

暑い…


じりじりと照りつける日差しに晒されている。

気づけばもう9月の終わりだ。

夏真っ盛りに近づいている。


気温自体は地球にいた頃より全然低いと思う。

上がっても30℃程度ぐらいか。

こちらの世界では科学が発展していないおかげか、温室効果ガスの排出が極端に少ないのだろう。

ただそれでも日差しに関してはどうしようもない。


原因の1つがこの世界の太陽――ソルーナ・サングの大きさだろう。

実際どれぐらいの大きさか分からないが、少なくとも地上から見える大きさは、地球にいた頃見えていた太陽の1.2倍ぐらいはある。

そのため総じて日射量も増えるから、それが原因だろうな。



「暑い…」


「ええい、五月蝿いわ馬鹿者。言うな、余計暑く感じるわ!」


ううむ、次は声に出していたようだ。

OXさんに怒られてしまった。

言っていることは的を得ているので素直に従うことにする。


今、俺は船の上にいる。

勿論その船はレインと会うきっかけになった海遠征の時に作った物だ。

リメの《ストッカー》で保管しておいたので、劣化もしておらず、十分な航行力を保っていた。


なんで船の上にいるかと言うと、理由は至極簡単だ。

海岸周辺の再探索だ。


以前は春季に行ったこともあり、〈不抜の樹海〉近海が荒れ狂う"大荒海"の真っ最中であった。

その影響で探索は少ししかできずに、成果としては僅かでしかなかった。

挙げるとなると、レインの仲間加入と海塩の精製だけであった。

わざわざ船を作って目指した割には合っていなかった。


しかし、今は季節が夏に変わった。

無事に"大荒海"の時期も過ぎ去ったのだ。

これは間違いない情報である。

なんと言ったって、この世界の主神であるアイネから教えてもらったからである。

ぶっちゃけた話、カンニングである。

使える情報は使わなきゃ勿体ないからね。


はてさて、そんな海に向かう道中は前回と違って、人数がいる。

言わずもがな、引き続きリメはいる。

リメがいないと、色々と効率が悪いからならな。

ちなみにリメの存在はもう既に皆の知るところだ。

従魔という存在もあるらしく、それだと言ったらすんなりと受け入れられた。

女性陣から多大な支持を得ている。


他のメンバーは合わせて、5名。

先ほど俺の独り言に苦言を呈した、ご存知OXさん。

《念話》スキル持ちの騎士、ルース。

同様に《建築》スキルの騎士、ケング。

元Bランク女冒険者とその夫騎士、ワーネとリーク。

これが今回の海辺探索人員である。



前回の道中同様にアクアスキッパーの襲撃が何度かあった。


平均的なアクアスキッパーの能力は以下の感じだった。



名前:名無し

種族:アクアスキッパー

立場:[敵(嫌悪)]水辺の住民

能力:《流体移動》《異種族嫌悪》

   《気配感知》Lv3《身体操作》Lv3

   《水魔法》Lv3


《流体移動》

  自身を液体と同化させるようにして、液体の中

  を高速移動するスキル。

  どう同化と言っても、完全に一体化するわけで

  はないため、移動中に相手からダメージを与え

  られることもある。

  またあくまでも液体の中を移動するため、容量

  的な問題により、自分の身体の大きさ未満の液

  体の中を移動することはできない。


《異種族嫌悪》

  本能レベルで異種族を嫌悪するスキル。

  このスキルがある限りは異種族と友好的な関係

  を築くことは叶わない。


《気配感知》

  自身の周辺の侵入者を感知する。

  自身と対象を点と点で見分けるため、《領域感

  知》とは違い、《気配遮断》系の隠密スキルで

  存在を隠蔽されるとその違和感を感知できな

  い。

  感知可能距離はレベルに比例して増加する。


《水魔法》

  水魔法をどれくらい扱えるかの指標。

  Lv3だと、下級魔法と、一部の中級魔法まで

  が使用可能。



大体がこんな感じであった。

多少スキルのレベルに差はあるものの、それぞれ最高でもLv4であった。

一部のリーダー格と思われる個体には《統率》というスキルを持っていった。



《統率》

  集団を従わせ、運用することを補助するスキ

  ル。

  自身より格下の存在の意思を自分の意思に誘導

  させ、対立する意思を放棄させやすくする。

  あくまでも意思の誘導であるため、絶対的な命

  令権を得るわけではない。

  しかし、戦闘力に大きな差がある格下相手に限

  っては、圧倒的優位に立つため、意思の操作が

  可能になる。



前回は慌てて、アクアスキッパーの戦力分析なんてしなかったからな。

どんな種族かまでしか調べていなかった。

ただ種族の情報に載っていたことが結構スキルに反映されていた。

《異種族嫌悪》ってそこまでして嫌ってるのかよ。


途中、この世界で初めて殺したゴブリンらしき緑色の人間も殺したが、戦闘の合間ということもあり、詳しい確認は出来なかった。

ただアクアスキッパーとも戦っていたから仲間ではないのだろう。




幾度か戦闘を終えた後、束の間の平穏が訪れた。


「なあ、あんたは《統率》とかそういうスキルは持ってないのか?」


「……ふん、儂は別に将軍とか指揮官の地位にあったわけではない。あくまでも姫様の御目付役、専ら護衛の立場が多かったからな。」


「戦場の経験自体は?」


「それはある。指揮官ではなかったものの、軍人ではあった。幾度か戦場に赴いては戦った。そのほとんどが遊撃であった。勿論隊長的な立場になることもあったが、《統率》スキル持ちの副官などに運用は任せていた。」


ふーん、結構強くて、姫様の御目付役している割には《統率》系スキルを持たない理由が分かった。

まあ、OXさんキレやすいからな。



「ワーネ?ワーネさん?何と呼べばいいんですか?」


「別にワーネでいいわよ。それにタメ口で大丈夫。そっちの方が助かるわ。」


「わかったよ、ワーネ。ワーネはどこで冒険者していたんだ?」


「ありきたりだけど、〈スウィーセファンド〉よ。そこなら面倒な柵もないしね。始めのうちはそこで頑張ってたのよ。」


「へえ、なるほど。じゃあなんで今はリークと夫婦の関係なんだ?きっかけは何だったんだ?」


「……もう、惚気話になっても文句言わないでね。」


「ははっ、全然構わないよ。昔からそういう類の話は聞いていても苦痛には思わないよ。」


「まああなたはモテそうよね…Bランクになった後、〈レンテンド王国〉側の〈クロージャーゼン山脈〉の麓で冒険者活動していたら、あの人と出会ってね。一目惚れだって猛アプローチを受けたのよ。始めのうちは流してたんだけど、段々と絆されていってね…気付いたら結婚してたのよ。」


「へえ、リークがね…そうなんだ、リーク。」


少し離れた所にリークにも尋ねる。


「何がそうなんだなんだよ。おいワーネ、浮気してないよな。」


「浮気なんてしてないわよ。今はリークとの馴れ初めを話してたの。」


「ははっ、参ったな。それは恥ずかしいな。」


「リークは頑張ったんだってな。そんなにワーネが魅力的だったのか?」


「ああ、騎士生活していると女日照りでな。たまたま街でワーネを見かけた時に、まるで砂漠の中の綺麗なオアシスかと思えるぐらい魅力的に思ってさ…一目で恋に落ちたよ。」


「もうリークったら…恥ずかしいじゃないの…」


「ふふっ、ワーネ。別に恥ずかしがらなくてもいいよ。君は本当に綺麗なんだから。」


おっと、イチャイチャ甘々タイムが始まりそうだな。

流石にこの空間にいたいとは思わないし、留まるほど空気が読めないわけじゃない。

さっさと退散するかね。



平和な時間が過ぎていく。

前回と違って、順調な道中だ。

雨が降り始める気配もない。


どうさこのまま無事に終わってくれないかな…

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勇者?聖者?いいえ、時代は『○者』です!
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