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第6話 分霊のリメ

知り合いに更新ペースをアップさせた方がいいと言われたので、急遽7月中のみ従来に加えて毎週日曜日にも更新いたします。


こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

「ん?さっき渡した子?」


『ええ、丸い水晶みたいな物体を渡したでしょ?それ、()()()なのよ。』


「――ッ、なんだと…」


私の子だと?

ぐぬぬ、まさかアイネに子供がいたとはな。

『結婚前提で付き合ってくれ』と言ってしまったが、まさかNTR案件になってしまうとは!

だめだ、NTRだけは俺の食指は動かん。


『なんか苦悩してるみたいだけど、思ってるのとは違うわよ。その子は私の眷属みたいなもので、私の魂の一部から生まれたの。だから、誰かとそういう関係になって生まれた子ではないわけ。……ちなみに私はま、まだそういう経験のないき、生娘よ…』


「それは安心したよ。それにしてもね、麗しき女神様の初めての恋人になれるかもしれないとわな。」


『か、勘違いしないでよ。別にまだつ、付き合うと決まったわけではな…』


「いいんだ、可能性があるだけでも。とりあえず1年以内に相思相愛になってみるさ。」


絶対今赤くなって、モジモジしてるな。

この目でその様子を見れないことが残念でならない。


それにしても、これは思わぬ情報を収穫できた。

アイネの初めての恋人になれるかも知れんとはな。

これを聞いて、これから頑張れずにいれるものか!



『と、とにかく!話を元に戻すわね!』


「ああ、からかったりしてごめんね。それでこの水晶、というかこの子はなんなの?生きてるの?」


『ええ、今ならその子を起こすわね。』


すると、持っていた水晶がブルブル震えたかと思うと、手の上でポヨンポヨンし始めた。

なんかすごいクセになりそうな感触だな…

それに見ててとても可愛い。

あ、アイネの髪と同じ色なんだな!


『どうかしら?ひとまず説明させてもらうと、その子は見た目世間一般で言うところ、スライムよ。』


「スライム!これがそうなのか。この世界に来てから一応第1モンスターということになるのか!」


『ふふ、テンション高いわね。けど、厳密には違うわ。その子は私の魂の一部分であり、いわば私の()()ってやつね。種族名としては、この世に一匹しかいないゴッドハートスライムよ。』


「へえ、それはまた貴重なものを貸してくれたね。ありがとう、大切にするよ。」


『――すぐに感謝してくれるところはかなり印象いいわ。でその子だけど、世界にいる魔物とか一線を画す能力を持っていて、戦闘とかでも世界最強と言われる竜種にも匹敵するわ。少なくともその樹海の中なら負けることはないと思う。』


「ほう、こんな見た目可愛いのに強いんだな。」


『まあね、けどその子の本当の力はそこではないわ。その子は分霊、私の魂の一部であるが故に、私の権能である【創造】の一部を劣化とはいえ使うことができるの。具体的にいうと、材料さえあれば生命体以外は生み出すことができるわ。』


「それは便利な能力だな。しかし、どうやってやってもらうんだ?」


『じゃあ試しに何か作ってみようっか。いくつかの石と木の棒を拾って来てよ。』


そう言われて、俺は周辺に落ちていたものを探した。

幸いにも、資源は豊富なようで秒で集め終えた。


「集めた、けどこんななんでもないものでいいのか?」


『大丈夫よ、初めてなんだし説明をかねてるんだから。じゃあ素材をその子の前に置いてあげて。』


「わかった。」


そうして、その分霊の前に先ほど集めた素材を置いた。

すると、分霊はプルプルと震えだし、身体が元のソフトボール大からバスケットボール大へと大きくなった。

身体の大きさは変化自由なのか?


そして、移動して素材に身体が触れると同時に、素材を体内へと吸収し始めた。

分霊の透き通った身体の中でみるみるうちに素材が溶け、淡い光となっていった。


「素材がなくなったように見えるけど、大丈夫なのか?」


『ええ、大丈夫よ。一度素材を吸収して、それを体内で再構成し直すの。』



すると、それまで体内で漂っていた淡い光が集まり出して、包丁のようなものに形作られた。

その物体は次第に色づき始めたかと思うと、その分霊の身体の中から排出されてきた。


『これで完成よ。どうかしら?解体包丁を作ってもらったわ。』


ふむ、見事なものだな。

切れ味も良さそうだし、そしてなによりも綺麗だな。

ん、体内から出てきたというのに、特にヌルヌルになっていたりしていないな。

これがファンタジー仕様というものか。


「ああ、見事なもんだな。素材を集めるだけでこんな業物作れるなんて驚きだ。」


『ふふ、そうでしょ。素材さえあれば、その子は身体の大きさより小さいものならなんでも作れるわ。

ちなみにその子は最大で1kmぐらいの大きさまでなれるわ。』


「まじか、それはまたすごいな。」


『ひとりでいるうちは、その子の能力も活かして生き抜いてね。まあ私がそっちに行くことになったら、その【権能】は使えなくなって、戦闘力しか残らないから一応覚えておいて。』


「そうなのか?まあ、了解した。ひとまず拠点を作ってもらったりするさ。」


『あと、多少ならその子に物資を貯蔵することもできるから、遠方とかまで素材集めに行くときは活用してね。』


「そんな能力もあるのか!ほんと便利だな、この分霊は。」


『ええ、そうでしょう。じゃあ最後にその子に名前をつけてあげてね。まだその子生まれたばかりで名前つけてないから。』


「俺が名前つけるのか?てか、それでいいのか?」


『大丈夫よ、だってジョーとしばらく過ごしていくんだし、愛着持った方がいいでしょ?』


「なるほどな、けど名前か…」


ふむ、名前をつけてくれか。

自慢じゃないが、生き物に名前をつけるのは初めての体験だ。

地球でペットを飼ったりしてたこともあったが、だいたい俺以外の身内が名前つけてたから、今までチャンスがなかったんだよな。


んー、スライムって確か性別ないものだから、そこを考慮しないで済むのはありがたい。

青いスライム…ブルースライム…スラ、違う安直すぎる…イム、これもなんか違う…ライム、色が違う…ブルー、ただ色で呼ぶのはな…


待てよ、スライムのスペルってなんだっけな?

たしかSLIMEだった気がする。

Sを取って読むと、リメか。

良さそうだな、これにしよう。


「よし、決めた。こいつの名前は()()だ。」


『ふーん、素敵な響きね。いいと思うわ。悪くないセンスなんじゃない?』


分霊もこれでもかポヨンポヨンしてすり寄ってくる。

嬉しそうに見えるから大丈夫だと思うが、納得してくれたのかな?


「ありがとよ、名前つけるの初めてなもんでな。

まあ、これからリメと頑張ってくさ。」


『(なんか今モヤっとしたわ)ま、まあ、頑張ってちょうだい。私と会える日は1週間後の夜だから、それまでにある程度拠点作りを終えておいてね。楽しみにしてるから。』


「ああ、頑張るよ。今度こそ動き始めるから、また夜にね。」


『ええ、わかったわ。じゃあ頑張ってね、応援してるわ。』

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