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第62話 家屋の問題

これでシルバーウィークの連続更新はおしまいです。

次の3日以上の連続更新は年末年始の予定です!


こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

9月に入ったらしい。


俺はなんとなくでしか暦を把握してなかったから、あまり実感は湧かない。

いや、気温的な意味でなら結構感じている。


何度も言ってるが、この世界は1年は16ヶ月で構成されている。

9月から12月が四季区分で言うと夏なのだ。

地球にいた頃とのギャップがやばい。

近年こそ9月でも高温が続き夏という解釈でも間違いなかったが、本来は秋である。

だから、感覚的には9月ということで秋になるはずなのに、蒸し暑い夏がやってくるのだ。


……そのうちカレンダーも作らないとな。




昨日土魔法組による土均しが無事に終わった。

予定では数日早く終わるはずだったのだが、土魔法使えない組に数字を教えた翌日にしっかりと雨が降ってしまったため、所々で作業のやり直しが必要となった。


土魔法使えない組はその土均しが行われている期間中、ずっとアラビア数字を用いた計算に精を出していた。

始めはこちらの世界の言葉で足し引きの計算指示を出していたが、これまた単語として書く必要があり

面倒であった。

そのため、計算記号も流用して教えた。


導入当初は戸惑いはあったものの、今では元の状況よりも素早く計算することが可能となった。

中でも目覚ましい成長を遂げたものがいた。


1人が俺に懐いているルテアである。

一番精力的に取り組んでいて、分からなくなった時はすぐに質問してきていた。

あとは日本であったら中学生という、元々吸収が良い年齢だったのもあるだろう。

単純な計算問題ではピカイチのスピードを誇る。


もう1人が意外なことに《建築》スキル持ちのケングだった。

土魔法組なのでまともに教えたのは雨の降った日だったが、理解度が段違いに高かった。

元々スキルの関係でその方面での隠れた才能があったのだろう。

他の人が解けない複雑な計算式でもケングだけは解けたりしていた。


気付いたら、全体的に少なくとも小学校卒業レベルの計算は解けるようになっていた。

まだ活躍の場面はないと思うが、いずれきっと役に立つことだろう。



土均しが終わったので、いよいよ家作りだ。

あと2週間もすればアイネが来るから早く我が家から人を独立させないといけない。


今回活躍してもらうのは勿論《建築》Lv7であるケングだ。

力仕事ということで男性陣は総出で頑張ってもらう。


オーボエナッシ家の屋敷はレンガ製だったらしいが、とりあえず木製で我慢してもらおう。

レンガを作るとなると材料の入手から始めないといけないから、時間がかかってしまう。

あと、フバツハートチークという最高の木材があるのにレンガをわざわざ作る意味が今は見当たらない。


ひとまず建築の参考にしてもらうため、我が家をケングに見せる。


「……いやあ、これは見事ですね。」


家の中に入ったケングが感嘆の声を上げる。

そう言えばケングが家の中に入るのは初めてか…


「積み重なっている木材に寸分の狂いもないですね…木材を組み合わせるとどうしても小さな隙間ができるというのに…」

「窓の透明な物体はガラスではないんですね…これは見たこともない素材ですぜ!」

「束石を置いて床の腐食防止…束石も窓の透明な物体と同じじゃないですかい!一体どんな素材なんだ?」


ああ、そうだった。

我が家はそれこそ神の権能レベルで作られた家だったな。

リメが使えた《生み出すモノ》による寸分の狂いもない木材。

固有スキルすら弾く、別名不壊石と呼ばれるアンチディスダイト製の束石と窓ガラスもどき。

よく考えると、国宝とか世界遺産認定されてもおかしくないレベルなのか。


素材については適当に誤魔化しつつ、設計図を描くように促す。

《建築》スキルで建築技術を理解した建物を図面に起こすことができる。

我が家を基準に家を作ってもらうのだ。


騎士夫妻は素材が一部違うものの、俺の家と同じものを用意する。

OXさん一家は俺の家より部屋数などを増やした少し大きめのものを作成する。

独身騎士達は申し訳ないが、作業時間の関係上で長屋式の兵舎に入ってもらうことにした。

別に構わないと言ってもらえたが、そのうちちゃんとした一軒家をそれぞれに用意してあげたい。



家の根幹を支える束石。

マイホームはもう在庫がこの星に存在しない貴重なアンチディスダイトである。

それを同じように用意することなど不可能に近い。

では今回どうするのか?


実は簡単に解決ができる。

既に念願のセメント作りに成功していたのだ。

そう今回束石を作るにあたって使うのはコンクリートだ。


コンクリート作れるならそもそもちゃんとした基礎工事をすればいいという考えもなくはない。

ただ、残念ながら材料的な意味で断念した。

まだまだセメントの量が足りないのだ。


あと、涙ぐましいセメント作りの秘話はこの際いいだろう。

だってもう作ることができたのだから。


コンクリート作りで活躍するのは風魔法だ。

《コア魔術大全:中級》を持つ姫様は勿論、レインや他数人が風魔法を使える。

頑張ってもらおう。


風魔法を使い、不純物をふるい分けた砂と砂利に、セメントを加え、よくかき混ぜさせる空練りという工程を行う。

砂と砂利とセメントが一体化して、砂利がよく見えなくなるまで混ぜる。


よく混ざり合ったら、そこに水を加えて混ぜる水練りの工程へと移る。

水を一度に加えず、小分けにすることでしっかりとした品質に仕上げる。


そして、練り上がった生コンクリートを風魔法で成形・乾燥させて束石を次々に作り出す。

地球の頃はコンクリートは作った以上は使い切らなくてはいけなかったが、今は《ストッカー》がある。

リメに頼んで余った分は保存しておいてもらう。



その束石作りと並行して、俺は木々のカットもこなしていた。

前は何も出来ず、リメの《生み出すモノ》頼りだったが今は違う。

俺には《魔糸操作》があるのだ。

糸に《分解結界》を付与させることで、木材をカステラの如く成形していく。


また色々と言われているようだが、さすがに3つ以上のことは同時にできない。

2つのことを同時に行うので限界なのだ。

まあそのうち思考を分けるタイプのスキルが入るかもしれないな。


出来上がった材料をケング主導の下、次々に組み上げていく。

《建築》スキルのおかげでまるで積み木で遊んでいるかのように家の形になっていく。


実はガラス作りにも成功していた。

前は材料の1つであるソーダ灰、つまり炭酸ナトリウムがなかった。

しかし、海に行った時の塩づくりの一環で、ソーダ灰の精製に成功していたのだ。

ガラスを作る高温も火魔法の中級魔法でちょちょいのちょい。

おかげで、新しい家屋の窓ガラスは全て純粋な窓ガラスだ。

我が家のアンチディスダイト製のなんちゃって窓ガラスもどきとは違う。



建築期間は、合計で10日かかった。

途中2日ほど雨で作業できなかったため、都合12日とアイネが来る2日前に終わった。

その内訳は、騎士夫妻の一軒家で1軒につき1日、OXさん家族の家で1日半、独身騎士の兵舎で2日半

だった。


引越し祝いを兼ねて、簡単なベッドと椅子を人数分、各家庭にテーブルを1つずつあげた。

ここに来てからそれぞれが使っていた毛皮もそのまま寝床に使ってと寄贈した。

あとの諸々の家具は自力で頑張ってくれ。


それにしても、家がたくさん建つと拠点の様子も様変わりするな。

最早一種の村とすら言えよう。

家の大きさ的にOXさんが村長だな。


井戸も作らないといけないな、ということでさらに1日かけてレインと井戸作りをした。

誰もいないタイミングでオリ爺に水の豊かな地下を教えてもらう。

しばらく話をしてやれなくて悪かったな。

ただこれからは少なくとも夜には話ができるようになる。


井戸作りで汗もかき、日も沈みかけできたので風呂に入る。

ここ最近は労働している感が強くて、1日の終わりの風呂の爽快感もひとしおだ。

ただ頭がスッキリしたおかげで、()()()()()()()()()()()がしてくる。

なんだっけな。


さっぱりしつつもモヤモヤした俺は久しぶりの自分の部屋へと向かう。

後ろには勿論レインがついてくる。

ざっと半月以上ぶりだな。

やあ、懐かしのマイルーム、ただいま。


ガチャ。



「クンクンクン…あ、どうも…」



バタン。


うん、きっと気のせいだ。


ガチャ。



「クンクン…あ、お休みですか?」




なんで()()が俺のベッドの上で匂いを嗅いでいるのだろう。

次回更新日は9/25(金)です。


良かったら評価の方よろしくお願い致します。

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勇者?聖者?いいえ、時代は『○者』です!
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