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第5話 ストラトラトス

知り合いに更新ペースをアップさせた方がいいと言われたので、急遽7月中のみ従来に加えて毎週日曜日にも更新いたします。


こちらは本日1話目です。

次話は18時の更新となります。

――気づくとおそらく森の中にいた。



太陽らしきものが空の真上にあり、木々の間から光が溢れている。


木がたくさんあるから森になる、と漢字の勉強の時に言われたことを思い出した。

じゃあココは森の中なのだろう。


いや、本当に森なのか?

少なくとも俺が知ってる森ではない。

周りの木々が異常に大きい上に、樹皮が赤紫に近く、とてもまともな木には見えない。


いったいココはどこなんだ?


『――あ、あ-、聞こえるかしら?』


自分しかいないはずなのに声が聞こえてきた。

周りを見渡しても、発声元らしき人影は見えない。

それにこの声は…


「アイネ、どこから声をかけているんだ?」


『私は今もまださっきの場所にいるのよ。これはさっきも言ったけど念話よ。』


なるほどこれはまた便利だ、電話いらずだな。


『多分なにも理解していないようだから、現状も含めこの世界について説明させてもらうわね。けど、ジョーのことだから詳しいことは自分で調べて知りたいんじゃないの?』


「ああ、その通りだ。だから、この世界の基本的なことだけ教えてほしい。」


そして、アイネの口からこの世界について語られ始めた。



まず、この世界はストラトラトスと呼ばれている。

そして、異世界ものによくある、いわゆる剣と魔法のファンタジー世界である。

魔法もあるし、魔物をいるし、エルフやドワーフといった亜人も生活している。

勇者や魔王といった存在もいるらしい。


これは当たり前のことだが、この世界の元の住民にはこの世界の名は知られていない。

そう言えば地球があった世界の名前を知らなかったな。

当然ちゃあ当然のことか。


暦はこの星最大の衛星であるルディアナの満ち欠けで判断されている。

地球の時と違い、1年は16カ月で構成され、1ヶ月30日となっている。

もちろん四季というものも存在し、冬春夏秋と1年が4等分され、今は5月で春らしい。

今俺がいる場所は緯度で表すと、日本の本州の同じ程度らしく四季もしっかりあるとのこと。


ただ、ココで衝撃の事実がもたらされた。


『そこは〈不抜の樹海〉と呼ばれていて、いわゆる魔境よ。」


まじかよ、森の中転移のテンプレじゃん。

アイネ曰く、この樹海はイベリア半島の面積とほとんど変わらない広さを誇り、周りを10000m級の山脈と海に囲まれているらしい。

そして、他地域のボスランクに位置する魔物ですら、このエリアではただの雑魚と変わらないぐらいのレベルの魔物が跳梁跋扈しているとのこと。


「それって冗談だよね?」


『いや、事実よ。だってここなら他の人が来ることはほぼないもの。とりあえずここで暮らしてみましょう。』


おお、神よ。

流石に神の権能を手に入れたとはいえ、厳しいものがある。

けどまあ、異世界に行ったら、こういう人里離れたところでスローライフを送りたいと思ってたし、ちょうどいいかもしれない。

とりあえず後で権能を試してみるか…


『とりあえずは大丈夫そうね。初めて会った時から思ってたけど、ジョーは意外と冷静なのね。』


「冷静でなくて物事が好転するならそれに越したことはないよ。ただ、慌ててもいいことないからな、もはやコレは癖のようなものさ。」


『ふーん……なるほどね。じゃあ話を続けるわ。』



この世界ストラトラトスには大陸が4つ存在しており、ここは2番目に大きな大陸にあるらしい。

そして、〈不抜の樹海〉はその大陸の東端に位置しており、どこの国にも属しておらず、開拓はまったくと言っていいほど進んでいない。

そもそも最近まで開拓団が結成されたこともろくにないとのこと。


ゆえにこの地は、ただただ恐怖の象徴として認知されている。


「なるほどな、ここまでは理解した。」


『あら、理解が早いね。記憶力がいいのかしら?』


「ああ、だいたい一度覚えようとしたことは、余程のことがない限りは覚えてるよ。記憶力には自信があるんだ。」



『ふーん、じゃあ他に聞きたいことはある?』


「この世界の通貨とそれらを日本の円換算した時のレートを教えてくれ。」


『この世界は紙幣は存在せず、基本的に金属貨幣が使われているわ。一般的に安い順に鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨となってるの。それぞれ鉄貨を銅貨にするには10枚毎に、それより上は100枚毎に1つ上の貨幣と交換できるわ。ちなみに鉄貨でおよそ10円分の価値ね。』


ふむ、これもよくある設定と変わらんな。

そして通貨単位はないのか、数字表記した方が値段が分かりやすいと思うんだがな。



「"ギルド"というものは存在するのか?」


『ええ、あるわよ。相互扶助団体とでも言えばいいのかしら、国を越えて人々が職業毎に登録しているわ。商業、農業、鍛治、治癒士とあるけど、1番目立つのは冒険者ギルドね。主に魔物の討伐とか護衛任務とか、戦闘が関わるようなものは大体ここが担ってるの。どのギルドでも貢献度や実績等でランク制が導入されて、Fランク〜Sランクまで存在してるわ。ちなみにギルドに登録しなくてもそれぞれの仕事はできるけど、コネを作ったりするために入った方がいいみたい。あとなによりギルドのカードが身分証としても有効なの。余裕があったら作りに行くことね。』


まあ、やはり存在していたか。

これもほとんどありふれた設定だな。

環境の整理が終わったら、近場のギルドにでも行って登録しておくか。

ただアイネが来るまではお預けだな。




その後もいくつか確認したいことを聞いた。


「だいたい聞きたかった基本的なことは聞けたよ、ありがとう。とりあえず今から住居とか確保しないといけないから、また夜にでも念話しよう。」


『あら、そう?まあ待って、最後にさっき渡した子の説明をするから。』

〈不抜の樹海〉の面積を変更致しました。

北海道の面積→イベリア半島の面積


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