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第37話 井戸プロジェクト発足

ブックマーク100件越えました!

これからも頑張ります。


こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

翌朝、目が覚めたのでレインが寝ているはずのベッドに目を向ける。

……あれ、いないだと…


まさか、と思い自分にかかっていた布団を跳ね除ける。


ただそこには自分の身体しかない。

柔らかい感触で起きた、とかでなかったからいる可能性は低かったが、確認せずにはいられなかった。

安堵しつつも、どこか残念な気持ちになってしまった。


ちなみにシーツは真っ白だった。



すると、扉のノック音が聞こえてきた。


「お目覚めになられたでしょうか?ご朝食が用意できております。」


どうやら先に起きて、朝飯を作っていてくれたようだ。

起きた時にリメもいなかったし、大方リメに食材を出してもらったんだろう。


それにしても、誰かに会話できるって素晴らしいな。

一応アイネやオリ爺とも会話はできていたが、念話だったり頻度が少なかったりしたからな。

その点、レインはように会話できる存在でありがたい。


そして、朝食も美味しかったです。



「それで本日はいかがなさるのですか?」


朝食も食べ終わったので、これからやるべきことを考える。

レインという人手が増えたこともあり、やれることは増えたはずだ。


勿論少し考えただけでもいくつも浮かんでくる。

だが、早急に求められることとなると悩ましいところがある。

ああ、今この瞬間も欲しいものがどんどん浮かんでくる。



……一度原点に立ち帰るか。

生きていくことで必要となるものはなんだろう。

基本は、衣食住だ。


衣は、ミスリルウィップスパイダーの糸とサーモキプトバードの羽毛を使った服がある。

レインの分の問題もあるが、アイネ用に作っていたものがいくつかあるから優先すべきことではない。


食は、植物由来は、栽培環境の確認も兼ねてのフバツソラヌンの収穫待ちだ。

この結果が出ないと、以降の栽培についての見通しが立たない。

動物由来は、狩った魔物や動物の肉が1年分ぐらいは潤沢にあるので、優先度はかなり低い。

実際周辺の個体数の減少も見られないので、まだまだ狩りに依存していて良さそう。


住は、自分用のものは十分に満たされている。

まあ昨夜言ったこともあり、レイン用の住居を作らないといけないのだ。

建築方法は今ある住居を建てた時に学習済みであるから、なんとかなると思う。

しかし、当のレインが住居を欲していないのだ。

このまま同じ屋根の下で寝泊まりするの一点張りだ。



ふむ、基本は押さえ…

いや、あったな。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が未だ解決してないではないか。





「よし、()()()()()()。」



「い、井戸ですか?」


俺が解決すべきと判断したのは、他でもない水問題だ。


まあレインのその反応もわからなくもない。

水問題は現実的に考えると、解決されていると認識しているのだろう。

俺もほんの数分前までは解決済みと認識していたのだから。


なぜなら、リメが貯蔵している水を適宜放出してくれているからだ。

時折、最寄りの川まで赴き、補充しているので尽きてしまうこともない。

そう、リメのおかげで何不自由することもない。


しかし、それが1番の問題点なのだ。

現状を認識し直すと、リメがいないと水が用意できないのだ。

これは是正すべきことだ。


ちなみに野営の時レインから聞いたが、水魔法で水を生成することも可能だそうだ。

しかし、生成された水には魔力が内包されており、飲料水にしてはならないとされているらしい。

少量なら問題にはならないものの、摂取し続けると体内に魔石が形成され、魔物に堕ちてしまうとのこと。

そのため、リメやオリ爺に魔法で水を用意してもらうわけにはいかない。



それで、この現状を打開する方法を考えた結果、2つの案が思いついた。



1つが、水路を造成し溜池に水を貯めるという方法だ。


メリットとしては、ほぼ安定して水を供給できるという点だ。

幸いにも、最寄りの川の水量は豊富で、枯れることはほぼないようだ。

それに水路があると、農作業の効率も確実に良くなる。


しかし、デメリットも存在する。

それは、拠点全体を巻き込みかねない、大規模な作業になるということ。

魔法やスキルを用いれば、作業自体は案外容易いことであろう。

しかし、拠点内に引き込むとなると、今ある環境を構成し直す必要が生まれる。

拠点内に水路を作るため、土壁の一部を撤去したうえでそこの防衛策を練り直さないといけない。

さらに水路を経由して、水生動物や魔物などが流入する恐れがある。

これに対する手段も講ずることが求められる。


したがって、水路と溜池の案は推奨できない。



それで白羽の矢が立ったのが、もう一方の案である井戸だ。


メリットは、前者のデメリットと違い、小規模な作業で済むということだ。

拠点内に大地を穿つ穴を1つ設けるだけ。

そのため、環境を再構成し直す手間もかからない。

水脈経由の魔物の襲来対策も、さほど厳しいものにはならないはずだ。


まあデメリットはこちらにも存在する。

と言いつつも、容易に解消できるものだ。


まず、水脈が拠点内に確実に存在する保証がないということだ。

しかし、このデメリットは実は解決している。

オリ爺という根を張る型の魔物がここにいるのだ。

そして、()()()()()()()()()()()()()()


『水脈があるようで地中の水分も豊富でございますな。』


フバツソラヌンの畑を作る際、地中の状態を確認してもらった時にそう言っていた。

つまり、畑周辺に確実に水脈が存在する。

そのため、このデメリットはない。


他は、その地下水が飲用可能であるかということだ。

川水の方は実際飲用していることもあり、安全であることが確認されている。

しかし、地下水となると、話は変わってくる。

病原微生物や有害物質を含んでいる可能性が大いに上がる。

正直、医療環境は整備することは長期的な課題となる。

その間、病魔に侵されるということは忌避しないといけない。

そのため、飲用可能な水である必要がある。

だが、これもまた【分解】の権能を用いれば問題ない。


よって井戸の抱える諸々のデメリットは心配ないのだ。




そのため、井戸を掘ることにした。

その考えをレインに話したところ、特に反対されることもなく、同意してくれた。


「たしかにこのまま依存し続けると、なによりもリメさんに多大な負担を強いることになりますからね。」


「そういうことだ。まあ1日もあれば作れるし、早速作るとするか。レインとリメ手伝ってくれるか?」


「はい、勿論でございます。なんなりとお申し付けくださいませ。」



そして俺はリメを抱き抱え、家を出て、フバツソラヌン畑の方へと向かった。

次回更新日は明日です。お見逃しなく…


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