表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/122

第22話 最後の足掻き

こちらは本日1話目です。

次話は18時の更新となります。

目が覚めたらトイレの床に伏していた。

硬い床で寝ていたおかげで身体の節々が痛い。


そして()()のアイネの言葉を思い出し、また悶絶しそうになる。

……いや、そんな時間はない。

可能な限り準備をしなくてはならないのだ。


気持ちを切り替えたようでニヤニヤが抑えきれていない顔のまま作業を始める。

若干リメとの距離が遠い気がする…




せめて敷布団と掛け布団が欲しいと思い、羽毛を手に入れるべく森の中へ狩りに行く。

時間は限られているため、迅速に動く。

羽を持っていない魔物は極力無視、それでも襲ってくるやつは特製糸で真っ二つにしながら進む。

小一時間ほど森の中を走り回って、ターゲットの群れを見つけた。



[サーモキプトバード]

  特殊な羽毛に覆われており、常に体温を一定に

  保っているガチョウ型の魔物。

  極寒、灼熱の環境下でも体温に変動がないた

  め、外敵の少ない限界環境に生息する。

  ガチョウ型ではあるが、実は飛べるため、季節

  ごとに拠点を変える性質がある。

  採取できた羽毛はその恒温性により衣服などに

  利用され、一種のブランドとなっている。



ガチョウの癖に渡り鳥なのか?

まあそのおかげで優れた布団が作れそうだ。

勿論衣服にも利用するつもりだ。


スパン――クエッ…


もう拠点周辺の魔物を狩るのは慣れてきたな。

どうやら防御系特化が多いらしく、俺の能力相手には格好のカモだ。


十数羽いた群れを狩り尽くし、素材を集め終わる。

さあ次の作業だ、急がなくては…




拠点に戻ってきて、生産活動に入る。

今夜までしか使えないリメの《生み出すモノ》をフル活用してもらう。



まずは固有スキルを使ってもらわないと加工できないアンチディスダイトからだ。

小屋に残っている残り少ない現物を全て使ってもらう。


作ってもらうのは工具と武器の2種類だ。


工具は、今後生産活動するためのことも考え、思いつく限り作ってもらう。

素材の節約や使い勝手を良くするために、フバツハートチークも併用して工具へと加工していく。

リメが気を利かせて、工具入れ用のケースも作ってくれた。

ほんとよくできた分霊だよ。


武器は今ある木刀のアンチディスダイト版である。

残りの鉱石を全て使い切って作ってもらう。



[異刀:不抗]

  創造神の分霊リメ作。

  武器ランク:測定不能

  アンチディスダイトを加工して作った刀。

  刃を極限にまで薄くしており、切断性能を追い

  求め、ストラトラトスに存在する全ての物質を

  切断できる。

  また不壊石という素材に恥じず、最高レベルの

  耐久性を持つ。



……これがでんせつのぶきというやつか…


思わず思考停止してしまうレベルの武器が出来上がってしまった。

とりあえず凄い武器なんだろうなってことは分かった。

絶対に他人に取られないように、《分解結界》を幾重にも付与する。

……これでまた耐久性が上がってしまったな。


今度狩りに行く時に使ってみるかな。



お次は室内灯だ。

俺はルミレットフライの光源をリメに取り出してもらい、仕掛けを施す。

具体的には、オンオフできるようにスイッチ紐をつける。

ミスリルウィップスパイダーのミスリル糸とフバツハートチークを組み合わせ、地球にいた頃よく目にしていたあの形にしていく。


そして、設置作業へと移行する。

先ほどの俺の作業中、リメにお椀型のガラスを作ってもらっていた。

ガラスの原料である珪砂は河原に行った時に採取したものだ。

そこに工具で外側に等間隔で4つ、穴を開けていく。

これで準備は完了した。


ガラスの中に光源を入れ、それを俺が《魔糸操作》で素材のミスリル糸を使い、先ほど開けた大きめの穴に通しながら、天井からぶら下げる。

……ぶっつけ本番だったが上手くいった。

それにしても神経がすり減るな。


何はともあれ、さっそく灯りをつけてみる。

おお思ったより明るいけど、なんか物足りない光量だな。

やはり電球みたいなしっかりとした光源を作らないといけないみたいだ。


とりあえず物としては使えそうなので、住居内の各部屋と倉庫の方に設置しに行く。



休んでいる暇はない。

設置し終えた俺は、すぐさま家の備品作成に取りかかる。


アイネが来た時に使いそうなものはっと…

調理道具あたりが1番可能性が高そうだな。

あとはまあ夜だから寝ることも考えて布団かな。

……べ、別に下世話な意味はないんだからね!


倉庫へ行き、ベースメタルを用意する。

行平鍋は使い勝手の良さを考えてアルミニウム製、フライパンは調理方法の選択肢から鉄製、包丁は当たり前のことだが鉄製、などと調理器具を次々作ってもらう。

後顧の憂いを軽減するために、予備も含め、複数個作ってもらう。



倉庫で布団を作ることは生理的に無理だったので、家の中に戻り作ってもらう。


実は今日までベッドはあるものの布団はなく、葉っぱを敷いて寝ていた。

直で寝るよりは幾分マシだったが、それでもすっきりとした眠りにつけることはなかった。

それが今日改善されるとなると、喜ばずにはいられない。


パパッと、ミスリルウィップスパイダーのミスリル糸とサーモキプトバードの羽毛を組み合わせて敷布団と掛け布団を作る。

サーモキプトバードの特殊な羽毛により、布団なんとオールシーズン対応の逸品となる。


本心を言うとベッドに乗せるんだから、やはりマットレスが欲しいところであるが、そんな素材はない。

いずれ自力で作るしかなさそうだ。

……俺の真の安眠への道のりは未だ長そうだ。




その後諸々と下準備をしていると、すっかり日は暮れ、夜の光に大地が彩られた。


さあ準備はできたぞ、早く来てくれアイネ!

良かったら評価の方よろしくお願い致します。

ブックマーク、感想、レビュー等頂けたら励みになりますので、併せてよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別作品もどうぞよろしくお願いします!

勇者?聖者?いいえ、時代は『○者』です!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ