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第21話 帰宅、そして衝撃の事実

こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

日の出と共に出発したこともあり、昼過ぎに拠点のある丘に到着することができた。



さあ成果物を活かして、より良い生活空間の実現を目指すか。


ひとまず各種鉱石を収納するために家の脇に小屋を建てる。

鉱石はそれぞれトン単位で採取してきたので、種類も相まって膨大な量となっている。

個別で小屋を建てることも考えたが、管理云々を考えて大きな倉庫にすることにした。


材料は建築材常連のフバツハートチークだ。

住居と同様にログハウス調に外側を作っていく。

ただ浸水被害を避けるために幾重にも床に木の板を敷いていく。

鉱石を保管することもあり、柱で支えるという造りが難しいからだ。


中は中央に通路を設け、左右をそれぞれ壁で4分割し、8部屋ずつ設ける。

そして出来上がった部屋にベースメタルになる鉱石と石灰石、石膏を個別に貯蔵していく。

都合1部屋空いていたので、そこに今は少量しか残っていないアンチディスダイトを収納する。

……この鉱物は貴重だからここだけ扉をつけて完全に密閉可能な部屋にしておこう。



何度目かの建設になるからペース自体は早かったが、いかんせん大きさが大きさであったため、気づけば辺りが薄暗くなっていた。


先に灯りを作っておけばよかったな。

後悔先に立たずである。

明日の計画を組み立ていると、今夜のアイネとの会話が始まった。


そして、開口一番アイネが言ってきた。


()()()()()()()()()()()()()()()()()()。』


ん?明日?

俺は少し考える。


『この1週間とても長く感じたわ。それこそ永い時を生きてきた中で1番時間の経過が遅く感じたの。』


1週間?何かあったか?

………あ、やばい。

明日の夜アイネ来ること失念してた。

とりあえず誤魔化さないと。


「……え、ああ、そうだな。俺も待ち遠しかったよ。」


『……ちょっと間があったわね。もしかしてだけど、()()()()とか言わないわよね?』


ダメだ、バレてる。

女の勘ってやつなのか?

こうなったら取り繕うのはやめて素直に謝罪するに限る。


「すまん、本当は忘れてた。こちらに来てからあまりにも目まぐるしく動いてたから、すっかり頭から抜け落ちていてしまった。許してください。」


怒らせてしまったな。

さっきから声とか雰囲気が若干不機嫌だ。

せっかく好感度上がってきてたのに、これでパーかな。


『まあしょうがないわね。許すも何も、怒ってなんてないわよ。』


「へ?」


思わず気の抜けた声が出る。


『まあテンションが下がったといえば下がったわ。けどね、ジョーがここ1週間の間頑張っていたのは他の誰よりも知ってるから、無理もないわと思って。責めようにもそんなことできないし、やりたくないの。ふふ、ちょっとした自己嫌悪よ。』


やはり、俺にはもったいないくらいいい女だ。


「やはり、俺にはもったいないくらいいい女だ。」


『ふえ?』


おっと、思わず口に出してしまったようだ。


「なんでもない、独り言だ。」|


『そ、そそ、そう?そ、そういうことにしておいてあげるわ。開拓するのもいいけど、私自身のこと蔑ろにするのは……なるべく避けてほしいわ。」


「わかった、アイネと神に誓うよ。」


『ふふ、2度も私に誓ってくれるのね。それなら安心。』


今、アイネの顔が見れたら、とびっきりの笑顔なんだろうな。

やばい、明日が待ち遠しくてたまらない。


『あ、覚えてると思うけど、1つ伝えとくわ。前言ったけども、私と会うことになるから、その子の、リメの持つ()()()()()()()|》《・》()()()()()からそのつもりでね。他の能力はそのままだから心配しなくてもいいわよ。』


あれ、私がそっちに行くことになったらって言ってた気がするんだけどな。

てっきり1年後かと思ってたんだが…


()()最初に訪れる日に権能を回収するつもりだったのよ。それにこれ以上、地上で私の権能を使い続けると、世界の法則が狂ってしまうの。』


ふむ、そういうことならしょうがない。

他の転移者に比べて優遇されすぎているような気がしていたからな。


ただこれ以降は自力で生産活動しないといけないのか。

そうなると、やはり人手が欲しいな。

……明日の日中にできる限りリメに作ってもらわないとな。


『……あと最後にひとつだけ…』


「ん、他にもあるのか?」


すると、少しの間沈黙が訪れる。

そして意を決したかのようにアイネは口を開いた。


『……私、あなたのこと、たぶん好きよ。--おやすみなさい!』


プツン。


思考が追いついていない俺を置いて、一方的に念話を切った女神様。

そしてやっと我を取り戻し、最後に伝えられたことを反芻する。


やべえ、めっちゃ可愛い。

悶死する。



その夜リメは見た!


耳まで真っ赤にし、顔を両手で押さえ、家中ゴロゴロと転がり続ける男を。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


その夜の天界



生命神であるリブネは見た!


『言っちゃった、言っちゃったよ。どうしよう……明日どんな顔して会えばいいの…』


ぶつぶつとなにか呟きながら、枕で顔を隠し、ベッドの上でゴロゴロと悶絶している奇怪な上司を。

次回更新日は8/5(水)です。


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