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第19話 初めてのスキル獲得

こちらは本日2話目です。

前話は12時の更新となります。

未読の方は是非ご覧になってください。

日もほとんど落ちかけた今、俺は洞窟の前にいる。

先ほどリメに建ててもらった小屋の中でアイネから連絡が入るのを待つ。

勿論《分解結界》を付与することも忘れていない。


そして、その手には先ほど手に入れた物体が握られている。



『はーい、待った?どうせならそっちから連絡してくれればいいのに。』


気の抜けたような声が聞こえてくる。

相変わらず楽しそうで何よりだ。

その様子だけで、度重なる戦闘による疲労感が和らいでいくよ。


けど、連絡は俺からはできないし待つしかなくないか?

自分から連絡できるなんて聞いてないぞ。

それに知ってたならもっと早い時間から声掛けてたさ。


「いや、やりたくても方法わからんし。どうやったらできるの?」


『え?』


「え?」


するとアイネは慌てたように弁解を始める。

教えたと思ってたんだけどな、とか言ってるけど聞いてないぞ。


曰く、リメは分霊であるため、それを通してメッセージらしきものは送って呼びかけるぐらいのことはできるらしい。

ただスキルの問題もあり、こうしてノータイムで言葉を何度も交わすことはできないとのこと。

それがしたければ、スキルが必要になるんだと。


『まあ、今さらスキルを与えてあげることはないし、呼びかけてもらえればこうして私の方でなんとでもなるから気にしなくていいわよ。』


若干悲しそうな声色だ。

俺もできることなら自分から話しかけてあげたいところだ。

まあやれるだけやってみたいな。


「なあ、スキルってどうやったら手に入れられるんだ?」


この世界に来る時に説明してもらったが、この世界には一般的にはスキルと固有スキルというものがあると聞いた。

スキルに関しては後天的に手に入ると言っていたし、俺も獲得できるかもしれない。


『え、ああ、スキルの獲得方法についての説明はしてなかったわね。()()()()()()()()だから教えてあげる。』


なにがちょうど良いのか全くわからんが、よろしく頼むよ。

俺は話を続けるように促す。


『新しい能力を手に入れる方法は、3つあるわ。そのうち1つはスキルしか獲得できないけど、残りは固有スキルを獲得できる可能性もあるわ。』


これはグッドニュースだ!

まさか後天的なスキルだけでなく、先天的な固有スキルも手に入れられるかもしれないとはな。

権能だと良くも悪くも人に見せられる能力じゃないから、なにか誤魔化しが効きそうなスキルが欲しかったところだ。


『じゃあまず、唯一スキルだけが獲得できる方法ね。これはなにも難しいことじゃないのだけど、日々生きていれば突然スキルが発現するわ。方法というには確実に獲得できるという保証はないの。』


曰く、日々行っていることに関連する能力が発現しやすいらしい。


例えば、常日頃から剣を扱った鍛錬をしていると《剣術》や《身体操作》などの戦闘系スキル、農作業に従事していると《栽培》や《収穫量増加》などの生産系スキルが手に入りやすい。

また、あくまでも獲得できるかは確率に左右され、一生涯かけても獲得できない者や、初めて触れたにも関わらず直ぐに獲得できる者と様々だ。


()()()()()()()()()()()、ぐらいのスタンスでいよう。



『次からは、固有スキルも含めて獲得できる方法ね。先に若干メリットが少ない方法なんだけど、既存のスキルが単一もしくは複数種組み合わさって他スキルへと進化するという方法よ。新しい能力が手に入るというより、それまでのスキルの使い勝手が良くなるって感じね。』


曰く、基本的には能力の効率が良くなったり、同系統の能力が増加したりするらしく、全く新たな能力が手に入るというわけではないらしい。

ただ変化した結果強力な固有スキルへ昇華されるケースも確認されており、一概に他に比べメリットが少ないというわけでもない。


例えばであるが、《剣聖》という固有スキルがある。

これは高レベルに達した剣に関するスキルを多く持つ者が、死亡などにより前保持者が《剣聖》のスキルを喪失した時に、自動的に選別され、その関連する所持スキルを複数統合し進化することで発現する。

誰が《剣聖》のスキルを獲得できるかは完全に運任せであるが、獲得した者は剣士に対して絶対的優位を得られる。


この方法はおそらくスキルをほぼ持たない俺には関係なさそうだな。

忘れてしまっても問題はあるまい。



『最後が、今あなたに最も関係する方法だわ。ちょうどいいって言ったのもそれが理由。今手に握ってるものがありでしょう?』


「ん?()()のことか?」


そこには先ほどミスリルウィップスパイダーを倒して《素材分解》を使用した結果できた謎の塊がある。

ただ塊というには、あまりにも形が整っている。

正三角形で構成された八面体であり、その色は透明でありながら、どこか薄紫がかっている、なんとも不思議な印象のする結晶である。


『そう、それよ。その結晶は、()()()()()()と呼ばれるもので、使用するとそのオーブに閉じ込められている能力が手に入るの。結晶が薄緑色だとスキルが、薄紫色だと固有スキルが手に入るわ。今回の感じだと固有スキルみたいね。』


「まじか!」


思わず声に出し歓喜する。

願わくば手に入ればと思っていた固有スキルがこんなすぐに手に入るとは思わなかった。


ビクッとしたであろう、アイネは話を続ける。


『……だいぶ嬉しそうね。スキルオーブを使うには噛み砕くか心臓のあたりに当てる必要があるの。まあ噛み砕くのは大変だろうから、心臓に当てるのがいいでしょうね。けど、先に権の…』


アイネが言葉を紡ぎ終わる前に、オーブを左胸に持っていく。

すると、オーブはなんの抵抗もなく身体の中へと落ちていった。

入ったというよりは、落ちたという感じだ。


『ちょっと!話を最後まで聞きなさい。先に権能でどんなスキルなのか調べてみてって言おうとしたのに。もしマイナス系のスキルだったらどうするの?

()()()()()()()()()()()()()()!』


しまった、やらかした。

これは完全に浮かれてた俺が悪い。

最後までちゃんと説明を聞けばよかった。


「……ごめん…」


『……まあ反省しているならいいわ。別に異常とかないみたいだし、今回は大丈夫みたいね。ただ、次回以降は気をつけなさい!』

「わかった、気をつけるよ。心配してくれてありがとな。」


『ふ、ふん!分かればいいのよ、分かれば。それで?どんなスキルだったの?』


アイネに促されながら、自分に《情報分解》を使う。


すると、やはりというか自分のステータスに変化があった。



名前:黄道 丈


能力:《言語理解》《魔糸操作》Lv1

   【分解】LvⅡー《情報分解》

           《素材分解》

           《分解結界》

           《認識分解》

次回更新日は8/2(日)です。


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