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第114話 真相の問題

気付いたら、ブックマーク500件超えていました!

ありがとうございます!!

それから、数日に渡って地下空洞内調査を行った。


正しくは、数日経ったあたりで急速に空洞内の建造物が風化し始め、崩壊事故に巻き込まれる可能性が高くなってしまったためだ。

知識欲を満たしたものの、流石に命と交換は出来なかった。


ちなみに、風化の原因はこれまで密閉されていた空間に外気が流入し始めてしまったことによるものだと考えている。



調査の結果分かったことがいくつかあった。


まず、生命体の痕跡がないということ。


宿泊施設があったりしたため、完全に生命体がいなかったというわけではない。

だが、これだけ町のように発展している中で、あって当然というべきものがなかった。


レインやハイゴブリン達に聞いたのだが、この世界の埋葬という行為は、基本的にその場所あるいは近場で行われることになっている。

身分の高い者が戦場などで死んだ場合は、例外的に屋敷の方まで運び込まれ埋葬されるようだ。


だが、これだけの規模の町なのだ。

全く死人が出なかったというのは余りにも考えられない。

少なくない死者が存在しているべきなのだ。


しかし、残念なことに墓石もしくは墓所らしき物は発見できなかった。

まあ地下空洞の外れの方に()()()()()()()()()()()()はあった。

もしくはそこが墓所であったのかもしれない。

1つだけ言えるのは、人骨のような物が地下空洞内全域において何一つとして確認できなかった、ということだ。


また、高度な技術が使われていそうな物品もまるで見当たらなかった。


鉄筋コンクリートの建造物やパラボラアンテナのような建造物も高度な物品と言えるかもしれない。

だが、人一人で持てるような物、地球のもので言えばパソコンや炊飯器のような電化製品、は何もなかった。

電化製品でなくとも、魔道具らしきものがあって然るべきなのだが、それもまたなかった。


仮にここに存在していた生命体が何処かへ旅立ったため、何も残っていないとしても異常だ。

何故なら、皿や椅子といった物品は風化してはいたものの綺麗に残っていたのだ。

言うなれば一定以下の文明レベルのものだけが残存しているといった感じだ。

これには奇妙な感覚を覚えてしまった。


決定的に違和感を覚えたのは、兵舎や訓練所のような施設を調べた時のことだ。

弓道場のような場所があり、そこには弓がいくつもあった。

だが、弓に必要となる矢なのだが、矢尻の部分だけがない状態で残っていた。

明らかに不自然だった。



分かったことはあったものの、これといった成果を上げることはできなかった。

強いてあげるなら、鉄筋コンクリート製の建物の構造ぐらいか?


結局、不可解な点だけ残した調査になってしまった。

考察を立てようにも、ヒントがあってないような物であったため、泣く泣く断念した。

俺は、昂った知的好奇心を燻られることになった。




『ああ、アレね。てっきり答えが分かるまで頑張るかと思ってたんだけどね。』


俺は知的好奇心をそのままにしておくことが我慢できなかった。

ではいったいどうするのか?


答え――アイネに教えてもらう、だ。


この世界ストラトラトスの主神なのだ、正体を知っていてもおかしくはない。

そして、案の定答えを知っているようだ。


「いや、もう風化してボロボロになったから探索しようがないしね……というか、その言い方だと知っているようだな。」


『勿論!』


絶対今いい顔してるんだろうな。


『いつだったか、私がジョーにこの樹海の話をしたこと覚えている?』


この樹海の話か、確か転移直後あたりだった気がする。

イベリア半島程度の面積を誇り、周囲を10000m級の山々に囲まれている魔境。

基本的に魔物ランクB以上しかいないって話か?


「ああ、一応覚えているよ。」


『その話の時に、開拓は進んでないって言ったじゃない?開拓団なんて作られてないって。』


「そう言ってたな。」


ん、開拓されていないって言うのに、あんな施設が樹海の中にあったのか?

明らかに高文明レベルのものだったぞ。


『ふふふ、樹海外から開拓しにきた者達がいたら、開拓が進んでないなんて言わなかったわ。』


ということは原住民がいた可能性が高くなる。

原住民と呼称すると不思議と文明レベルが低く感じてしまうが、この場合はその限りではない。

イメージ的にはアトランティスとか超古代文明という類だ。


もし、そうであるなら納得はいく。

あの状況から察するに、超古代文明らしき民族は既に途絶えている。

そのため、開拓は進んでいない、という理屈が成立する。

当然、元々この樹海に存在していた集団であるため、開拓団でもなんでもない。

あの時の言葉はそういうことだったのか。


「なるほどな、普通にスルーしていてすっかり騙されたよ。」


『人聞きの悪いこと言わないでよ!嘘なんてついてないんだし。』


まあ、嘘ではないがな。

それにその説明が違ったとしても、今までやってきたことと同じ軌跡を歩んだだろうし。


「この際だ、その集団はどうなったんだ?」


遠回しに滅んだと言われた以上、地下空洞でこれといった成果がなかった身としては答えを教えてもらうしかない。

それに、地下空洞ばかりに時間はかけてられないしね。


本当は考古学者みたいな感じで調査したいんだけどな。


『ああ、滅んだんじゃなくて、滅ぼされたんだよ。』


「ん?滅ぼされた?」


『うん、"滅びの一族"によってね。』


待て待て、ここでまた新単語が飛び出してきたぞ。

"滅びの一族"とか物騒な感じしかしない。


「"滅びの一族"って何だ?」


『ああ、まずそこからね。話したことなかったわね。』



"滅びの一族"とは、言葉通り滅びを齎す一族。


この世界の誕生より存在し、数々の文明に滅ぼしてきたらしい。

その目的は、文明レベルの極端な向上による世界秩序破壊の阻止。

簡単にいうと、文明レベルの向上を軍事関連に振り切って、他集団を脅かそうとする存在を認めないということだ。

元凶となる集団を鏖殺し、その文明の軍事関連の物品および同等認められる物品を排除することを、生業とする一族のようだ。


例えば、今は地球でいう中世程度の文明レベルだ。

そんな中でアサルトライフルとか生み出して戦禍を広げようとしようものなら、すぐさま"滅びの一族"とやらが赴いてくるらしい。

さらには、"滅びの一族"はスキルにより、文明レベルを逸脱した代物による干渉を無効化するらしい。

高度文明キラーというやつだ。


そして、件の地下空洞で確認した集団は、その対象になったらしい。

何でも地球の第二次世界大戦で使われていたレベルの戦車を作り上げていたそうだ。

当然、"滅びの一族"の排除対象となり、敢えなく滅亡。

骨も残らず、この世から抹消されたとのこと。

外れにあった不可解な抉り取られた地面ってそういうことだったんだな…

ちなみに、建造物はただの生活空間として認定されたため、残存することができていたようだ。 



『――ということでジョーも気をつけてね。』


アイネの締めくくりの言葉に思わずドキッとしてしまう。


うん、他人事でない気がしてきた。

"滅びの一族"に排除認定されかねない物いくつか考えていたわ。

とりあえず鉄道計画が軍事関連認定されたら堪った物じゃないから、計画は凍結としよう。


謎の教訓を得ることができた地下空洞探索はこうして幕を下ろした。

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