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第9話 拠点作成①〜水場を求めて〜

徐々にですが、ブックマークおよび評価してくださった方が出てきており、とても嬉しいです。


こちらは本日1話目です。

次話は18時の更新となります。

いい加減拠点となる土地を探して選ばなきゃな。

適当に場所を選ぶと後悔することになる。



ひとまず水場の確保が先決だ。

そのうち水関連の魔法を覚えて、それで水を作れるようになるかもしれないが、それよりも現地調達した方が勝手がいい。


とは言ったもののどうやって探したものか?

探査系の能力もないし、移動効率をあげる身体強化系の能力もない。

捜索する方面間違えると確実に1日を棒に振っちまう。


木に登って周辺を見渡すか?

いや、これも確実な方法ではない。

周辺一帯を見渡せるとなると、その分高さが必要になる。

しかし、周りの木々は日本では御神木認定されるレベルの大きさであるが、それが1本や2本ではないのではなく、全ての木々がなのだ。

これでは意味がない。



思案に暮れて、つい頭を抱えてしまう。

するとポヨンという感触が手に伝わってきた。

リメ、おまいだったのかい!


ん?リメか!

ここで1つ作戦が思いついた。

ただ許可なくやると、確実に嫌われそうだな。


そして、リメにある能力の有無とその方法を伝えてみた。

一瞬動揺したかのようにビクッとなったが、しっかり頼み込んだ結果、ポヨンと跳ねた。

どうやら納得してくれたらしい。



早速リメに野球ボール大になってもらった。

掴んでみる、なかなか癖になりそうな触感だな。

思わずプニプニ握ってると、リメはほんのりピンク色になりプルプルとし始めた。

いかん、遊びすぎた…


気を取り直して、リメを思いっきり真上に放り投げた。

やはり全然高さを稼げない、15mぐらいか。


ただここはファンタジーの世界。

リメに魔法を使ってさらに加速してもらった。

いわゆる身体強化というものだ。

すごいな、魔法使えればすぐにプロ野球選手になれそう。


あっという間に木々の高さを越え、全体を俯瞰できそうな位置に至った。

その瞬間勢いが消え、徐々に落下し始めた。

リメが身体をパラシュート状にして、降下し始めたからである。

ひとまず上手くいったようだな、リメも無事みたいだ。




地上に舞い戻ったリメに質問しながら、結果を確認する。

リメはそれに対して、身体をうまく使いながら頑張って説明してくれる。

時には身体の大きさを変えたり、時には地面に絵らしきものを書いたりしてくれた。

なんとも健気で愛らしい生き物なんだ、この子は!


どうやら自分が今向いている斜め右方向に河川があったらしい。

川幅も周囲の木々との比較でおよそ5メートルほどになるそうだ。

川の状態も特に濁ったり禍々しい色をしているのではなく、比較的綺麗であるとのこと。

遠目から確認できた情報的にはなかなか良い条件のようだ。


ただやはり現地に行かない限りは判断は下せない。

水場があるという確証なく、なにも当てがないまま歩くよりよほどマシか。




道中は比較的順調な道のりであった。

運がいいのか悪いのか先ほどのゴブリンらしきもの以降魔物と対峙することはなかった。


そして、目的の川へと到着した。

流れている水を《情報分解》で調べる。



[清涼水]

  クロージャーゼン山脈より流れる、無名の川の

  水。

  山脈由来の様々なミネラル分を多く含むが、無毒

  であり飲み易い。

  摂取すると、多少の魔力回復も見込める。



よし、飲み水としては優秀だ。

水場はここにしよう。


どうやらここは弧を描くようにカーブしているところの外側であるようだ。

そこら中に角が取れた丸みを帯びた石が転がっている。


これは()()()()()()立地だな。

運搬作用で流されてきた石がしているということは、少なからずこの地帯を水が通る可能性があるということだ。

雨量が増えた時に川底になるのかもしれないし、鉄砲水となって氾濫するのかもしれない。


カーブの内側の方へ渡りたいな…

水の流れは早いから、泳いで渡るのは厳しい。

やはりリメに橋でも作ってもらうの得策か。


「リメ、お前に簡単な橋を作ってもらいたいんだができるか?」


ポヨン、とリメは肯定する。


「ありがとう、じゃあまず木材を集めるか。」


幸いにも木材となる木は枯渇するとは思えないほど、周囲に溢れている。

当面はなんでも木材で賄うとするか。


《情報分解》を使用して、周囲の木の品種を探る。

数種類生えていたが、やはり耐久性で言ったら先ほど木の棒でお世話になったフバツハートチークに軍配があがった。

他の木々はまた違う機会にお世話になろう。


「何本ぐらい採取すればいい?それよりも何本もストックしておけるのか?」


リメは身振りで表現する。

なるほど、この川幅なら1本もあれば簡単なものはできると。

そして、身体の大きさに左右されるが、少なくともバスケットボール大の今でも10本ストックできると。

後々のことを考慮して、とりあえず限界までストックしてもらうか。


木々を《素材分解》して、リメに渡していく。

身体に刺さったと思うとその先から光になって消えていく。

うーん、ファンタジーだな…


素材も集まったことだし、早速リメに橋を作ってもらう。

今回はあくまでも仮ということで簡単なものでいいという意思を伝える。



………早くない?

リメが俺の肩ぐらいの高さになって光ったかと思うと、目の前にだいぶご立派な橋が掛かっていた。

わざわざ赤く塗ってあるし、国文に指定されそうだな。


すまんな、魔物とかが渡って襲ってくる可能性があるから、今回は向こう岸に渡ったら撤去させてもらおう。

ごめんな、せっかくの大作を…

リメを腕に抱えて撫でながら、橋を渡った。


渡った対岸は丸石も少なく水が流れてくることも少なさそうだ。

この周辺で拠点になりそうな場所を探すか。

川岸から2、30分歩いた先に少し小高い丘があった。

周辺を《情報分解》で調べた結果、不都合な要素も見当たらなかった。




――よし、ここに拠点を作ろう。

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