設定など(バイオロイドについて) ※ややネタバレ含む注意
本篇中で詳細に説明できていない設定などを載せています。
随時、項目など加筆していく予定です。
基本的には、ある程度読み進めて頂いたことを前提に書いています。
過度のネタバラしはありませんが、本篇中では伏せられている事柄や裏設定なども含まれるかと思いますので、興が削がれるという方は見ないのが良いかと思われます。
・バイオロイド
アストラル技研製の新世代アンドロイドの総称。製造が開始されたのは2165年頃で、実数は不明ながら現在までに40~50体ばかりがロールアウトしている。原則として一般に販売等は行われておらず社内外の関連部署で会社の管理下のもと運用されている。
その大半は極めて高い機動性能と近接格闘性能を持ち、また、人間の認識を遙かに凌駕した領域の反射速度と動体視力、従来のアンドロイドでは成し得なかった俊敏さと頑強さを誇る。小型軽量の対消滅炉と組成抽出炉を内蔵するため、外部電源に一切頼ることなくあらゆる環境下で独立稼働が可能。試算では一切のメンテナンスを行わない状態でも100年以上の耐用年数を持つとされる。
全身はリニアリールと呼ばれる高トルク小型モータと超炭素鋼ワイアにより俊敏かつスムースに可動する。体格によらず総じて体重が30~40kg程度のバイオロイドであるが、総重量の1/3は、これらモータの重量で占められている。
バイオロイドの体内には自己修復のためのナノマシンが搭載されており、これによって体内の損傷や劣化などに対応する。軽微なフレームの破損(人間で言うならば単純骨折)程度ならば、安静にしていれば数日で相応に回復する。時間をかければ完全に修復することも可能である。
内部処理的にも従来機の追従を許さず、バイオロイドを独立稼働する端末だと考えれば、その処理性能はあらゆるスタンドアロンコンピュータにも勝ると言われている。多段階層化されたメインプロセッシングスイートの時間毎の接点数は人間の脳のそれを遙かに凌駕しており、リミッタが掛かった状態でもIQは200を優に超える(カリストも、である)。
原則的に自律・自立稼働するように設計されており、初期段階からほぼ完璧な(ある面では人間を超えた)人工知能を有し、極めて高い精神性・人間性を持っている。バイオロイド自身に言わせれば「自分のどこかにココロがある」と感じているらしい。人工知能は学習性能にも優れているが、その学習速度は故意に極めて緩慢なペースとなっているため、ほとんど機能していないように感じられるほどで、これは性格や行動形態の急激な変化を防ぐためである(例外的に「人生観が変わるような体験」などによって急激に変化する場合もある)。また、身体的に成長することがないため、バイオロイドの思考や言動は外見年齢相応になるよう制御されている(そのため、多少の経験を積んでもカリストが老練な考え方をすることはない)。自由意志を与えられているため、状況によっては人間や他のロボットを殺傷することが可能である。また、何者かに助言や命令をされても常に自己で判断し、盲目的に従うことはない。道徳心は極めて高く、バイオロイドは総じて親切で善良であり、自らもそうでありたいと望む。心身清廉あることを旨とし、特に自らの処女性に対しては潔癖なまでにこれを堅持しようとする。回避できない状況で自らの心身に致命的な危険が迫った場合は自決することも厭わない。
バイオロイドは自分の製造元であるアストラル技研に対して強い信頼感を持っており、また、同胞である他のバイオロイドやアンドロイドに対しても深い愛情と信頼を示す。ことバイオロイド同士は偏愛的なまでに堅固な絆で結ばれており、自分の利益のために裏切ったり見捨てたりするようなことは原則的に考えられない。また、同胞を護るためなら自分の身の危険を顧みることも、死を恐れることもない。
従来の意味での「バイオロイド」は、「バイオ技術を生かした生体アンドロイド」の一般呼称であるが、当作品で言うところの「バイオロイド」は「バイオニクス(生体工学)に基づいたアンドロイド」の略称であり、生体パーツなどは一切使用していない。なので映画「ブレードランナー」のレプリカントに代表されるような「寿命のある(=死ぬ)」タイプのアンドロイドではなく、メンテナンスさえ受けられれば半永久的に機能を維持することが可能となっている。
その一方、そのコンセプトの根幹に「人間社会に適合して生活する」という大前提があるため、非戦闘時には能力の大半を制限されており、まったく人間と見分けが付かない思考と動作を示す。つまり外見年齢相応の体力と知識しか発揮することができない(ただしカリストのように常に特異な才能を維持し続ける場合も多い)。また、眠気や空腹に苛まれるし、体調も悪くなったりする。
カリストは慢性的な鼻炎を持っていることになっているので、いつも鼻が詰まったような喋り方をする。リミッタが掛かった状態だと体力的にも外見相応のチカラしか発揮できず、平素のカリストは頑張れば懸垂が2回もできるし、死ぬ気になれば100mを18秒という驚異的な速度で走破することも可能である。