86.5
「ん、んん。よく寝た~。ふわぁ~、確かにレイくんに受付任したんだっけ、そろそろ変わってあげるか。」
「レイくん、ありがとうねー」
「いえ。‥‥‥‥‥‥ギルドマスターあてに手紙が来てましたよ。」
「ギルドマスターあてに?何かし‥‥‥て、これ貴族からじゃない!」
「やっぱり貴族からのか。」
「やっぱりって、そう思ったなら何ですぐに私を呼ばなかったのよ!」
「イーラさんて更衣室で寝てましたよね。」
「あ‥‥‥」
「しょうがない、今回はおおめに見てあげるわ。そろそろ時間だしもう上がっていいわよ。」
「分かった。」
レイは更衣室へ行った。
「さて、私はこれを届けるか。」
イーラは冒険者ギルドの奥へと進んでいった。
コンコンコン
「イーラです。」
「入れ。」
「失礼します。」
ガチャ、
イーラが入った部屋はギルドマスターが入る部屋である。
そこは入ってすぐに応接間のような配置でテーブルとソファーが置いてあり、その奥にギルドマスターが座っている机があり、右側に本棚、左側は何もない、そんな部屋だった。
「どうした、イーラ。更衣室にベッドの一つや二つ欲しいのか?こっちは寝ずに雑務に追われてたのに。」
「‥‥‥‥‥‥」
「まあいい、それで用件はなんだ。」
「これを。」
イーラが差し出したのは、レイから受け取った手紙である。
「ほお、貴族からか。もらうぞ。‥‥‥‥‥‥なるほど、『スピサの街で活躍したレイと言う冒険者を寄越せ』と、‥‥‥そういえばお前に探り入れて来いって指示、だした覚えがあるんだが。」
「ちゃんと探ってきましたよ。」
「ほお、それで?」
「『俺一人でやった。強いて言うなら自然の力を借りた。』て言ってました。」
「なるほどな。魔法の扱いにはたけているってことか。そうか分かった。明日にでも話をかけといてくれ。」
「分かりました。ではこれで。」