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それから二日後、馬車が混んでたので王都セントールまで飛び、夕暮れ時についた。
宿は出発してもそのまま取っておいたので、特にすることもなくその日は寝た。
次の日、ギルドに行ってみると、
「あら、レイくんじゃない。‥‥‥あれ、セレスちゃん達は?」
「昨日帰ってきたばっかなんだ、今日は休むって。」
「あらそう。そうだ!レイの大量発生での噂、聞いたわよ~。」
「そりゃどうも。」
「そうそう、レイくんがやったて言う大規模魔法って本当に一人でやったの?」
「ああ、俺一人でやった。強いて言うなら自然の力を借りたが‥‥‥」
「自然の力?」
「そうだ。例えば火系統の同じ大きさの魔法を水中と地上で発動するとき水中での威力がものすごく小さくなるんだ。」
「へえー。それがレイくんの魔法とどういう関係が?」
「威力が小さくなる事があるなら逆に威力が大きくなる事もあり得るってことだ、あのときはたまたま早朝で運が良かったんだ。」
「運が良かった‥‥‥ね。」
「それよりも、イーラさんなんか疲れてないか?」
「えへへへ‥‥‥やっぱりそう見えるかな。」
そう、今話しているイーラさんは目の下にくまができていたのだ。
それもはたから見て分かるぐらい。
「実は新しくダンジョンが発見されたそうなのよ、それもスタンピードが発生して判明したって、言う最悪なことでね。」
「スタンピード?」
「そう、ダンジョンてね最深部にあるって言われるダンジョンコアを壊すもしくは持ち出さない限り無限に魔物を発生させるのよ、だから何年も人の出入りがないダンジョンではダンジョン内が魔物で溢れて、本来出てこない魔物がたくさん出てきちゃうのよ。それがスタンピードの意味ね。」
「へえー。」
「しかもね、そのダンジョンってのが村の近くで実際に被害も出てきてね、被害者がそれだけならまだ良かったけど……不幸にも地方を統治してる貴族がそのスタンピードに巻き込まれて、護衛してた冒険者が逃げちゃって……責任がギルド側に来ちゃった。て言うことで、本来スピサの街の件の仕事と、貴族の仕事でゴタゴタしちゃって、徹夜だったのよ……眠い……」
と、ここまでいい終えてイーラさんは俺の手を掴み懇願する目線を送ってきた。
「‥‥‥俺が手伝おうか?」
「本当!助かるわ!」




