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『準備している様子から四人パーティーか。盾役と魔法使いが男、双子か?それで剣士と僧侶が女、こっちも双子見たいに似てるな。』
子供達が準備している最中、『やっぱ止めようよ‥‥‥』と弱音が聞こえてきた。
ちなみに初めてに話していたのは盾役の子だ。
「それでは決闘を始める。両者準備は‥‥‥よろしい。始める!」
審判がそう合図したが、子供達は全く攻めてこない。
『いや、魔法使いが少しだが魔力を使ってるな。‥‥‥っ!』
突如、俺の下の地面に俺一人すっぽり入る穴ができた。
だが、簡単に落ちる俺ではない。
即座に風属性魔法で宙に浮いた。
「初手に落とし穴とはやってくれるな。」
「え‥‥‥なんで‥‥‥」
「ほらかかってこいよ。」
「くっ、やぁぁぁ!」
俺が落とし穴の左側に降りると剣士が突っ込んできた。
女が使いやすいようレイピアのように細い剣だ。
それを俺に向かって突き出した。
俺はそれを左側へ避けると、剣士が突き出した剣を俺の方向へなぎはらってきたので風属性魔法で、さらに左へ避ける。
「アースドロップ!」
魔法使いがそう唱えると、今着地しようとした地面に穴があいた。
しかし、それも風属性魔法で浮かび越えた。
「な、またかわされた!」
『さて、次はこっちから行くか。』
俺は前の落とし穴を飛び越えて剣士に向かうと、盾役が即座に間に入ってきた。
「『ガード』!」
ゴッン!
鈍い痛みと共に攻撃が防がれた。
「ハッ!」
間髪入れずに剣士が盾役の後ろから飛び出して、俺に斬擊を喰らわそうとしてきた。
それをまた避けようとしたが、
「アースウォール!」
後ろに壁を作られてしまった。
だが問題ない。
俺は壁に干渉魔法を使い、張りつき、そのまま後衛がいる方へと避けた。
『今のガード……子供があれだけの強化できると考えるのは難しい。だが一つだけ方法がある、それは聖魔法の強化だ。それなら瞬時に割り込んだことも、俺の攻撃を耐えたことも納得できる。それならめんどくさい後衛を潰すのがいいな。』
俺は幻影魔法で僧侶に向かう俺を作り出し、俺自身は魔法使いの方へ行った。
『だが要を守るために全力で阻止しようとするだろう。なら一人づつ潰した方がいいからな。』
「ユウマ、守れ!」
「っ、『アースウォール』!」
そして俺の幻影が壁に当たり消えた。
俺は魔法使いの後頭部を左手で掴み、
「始めは良かったが攻撃が単調だ。」
「え?」
「な!」
「ユウマ!」
「っ『狂戦士化』!」
ズドッン!
俺はそのまま魔法使いの顔面を地面に叩きつけた。
どうやら魔法使いは少しでも衝撃を和らげるよう魔法を使ったみたいだが、先に地面に干渉魔法を使って魔法を受け付けないようしておいたから、衝撃で気絶した。
干渉魔法は強度の強化または脆弱にでき、ほかにも物質に魔法や魔力を受け付けないようにもできる。
俺の干渉魔法以外は。
ただし、常に触れていなければ発動しないが、干渉中の物に触れている物にも魔法が発動できるので、今回は俺の靴から地面へ発動した。
と、ここで剣士が突っ込んできたが、俺は左腰にある剣を左手で抜き、剣士の突き攻撃をいなし、僧侶の方へ蹴り飛ばした。
「グハッ!」
「突っ込みすぎだ。」
「アヤメ!」
「アヤメ!今治してあげる!」
『僧侶を狙ったが外されたな。蹴る時、体を剃らされた。まあいい、次に僧侶を狙うか。そのために――』
俺は盾役に向かう幻影を作り出た。
「くそぉぉ!こい!」
盾を構えたって意味がない。なぜなら俺自身は僧侶の方へ行っているからだ。
『なんとか回復される前につくな。剣で切るのはあれだから手刀で、浅い傷ならポーションですぐ治せる。』
空いている右手に魔力をまとわせ、僧侶を襲おうとしたとき、僧侶を覆うドーム状の土壁ができた。
『「チッ」まだ魔法使いが生きてたか?まあいいや。じゃあ、このまま殴るか。』
ズドッン!
『!これ、ただの土壁じゃないな。泥みたいになってる。‥‥‥それにこの魔力……』
「シエラか。」
「ええそうよ。」
剣士 アヤメ女
僧侶 アヤカ女
盾役ユウト男
魔法使いユウマ男
一応名前