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向かってくるエアカッター。
俺は右腕を上げ、タイミング良く振り下ろした。
すると、エアカッターが切られて消えていった。
「なに!」
俺がやったのはいわば手刀だ。魔力で強化されているが‥‥‥
「今度はこっちから行くぞ。」
そう言い俺は右手に魔力を込め、身体強化して一気にめんどくさい冒険者に近づき、回転をかけた正拳突きを食らわした。
すると、冒険者は1と1/8回転して後ろの練習場の壁に激突した。
「かはっ‥‥‥」
俺自身、正しい正拳突きを知らないがそれっぽくはなっただろう。
「さて、後ろのやつもかたずけるか。」
そう言いながら俺が振り替えると、五人、杖を構えている人がいた。
そのまま躊躇せず俺は五人に襲いかかった。
ラリアットをくらわせ、アッパー、腹パン、肘うち、顔面へ蹴りして一気にかたずけた。
「と、そうだった。この決闘の負け条件が気絶か死亡だったな。」
さっきの五人はまだ意識があるので、唯一吹き飛ばなくて近くにいた腹パンを食らわした女性に近づき、首を絞めた。
「グァ‥‥‥くっ‥‥‥」
「悪いな。女子供には多少手加減するがやるやらないは別なんだ。運悪く死んでも文句言うなよ。」
このタイミングで魔法が飛んできたので、今の女性を盾にした。
「ギャャャャャ‥‥‥‥‥‥」
『気絶した。撃ってきたのは火と闇か、痛みで気絶か?いやどう考えても強制的に気絶させられたか、なら闇系の魔法だな、一発アウトになりたくないし。ちょうど気絶した人もいるし俺も闇属性魔法、試してみるか。』
まだくたばっている二人の方へ一瞬で移動し、闇属性魔法を発動してみる。
すると魔法を発動させ気を失わせた。
『おお、初めて人に向けてやったが、案外うまくいったな‥‥‥闇属性魔法て言うんだから、もしかして操れるんじゃないか?『俺を守れ。』』
そう心のなかで命令すると、後ろから来た魔法を、基礎魔法の『シールド』で守ってくれた。
基礎魔法とは
無属性魔法が使えるものつまり魔力があれば使えるもので、身体強化や治癒等と言った冒険者にとって重要なものだ。他にも魔力弾や魔力砲と言った、魔力だけの魔法。
『なるほど、どうやら俺が直接他人の魔力で魔法を発動できないが、命令遂行のために魔法を発動してくれると。黒い糸のようなのが操っている二人に繋がってるな。』
「命令だ、二人を殴りまくれ。」
俺がそう命令すると、操っている二人が残りの二人に身体強化を使いそして、殴り始めた。
ただ殴っている光景は異様だった。
体への過剰な身体強化で腕から血を流してまでも殴り続けているのだ。
『いやいや……べつにそんなんなるまで殴らなくていいのに………』
ザンッ
飛んできた斬擊が黒い糸のようなものを切った。




