80
あのあと準備をして、練習場に九時過ぎに来てみるとすでにウォームアップしている冒険者がちらほらといた。
俺はそんなことお構い無しに、自分のウォームアップをした。
そして十時になった。
「これより、決闘を始める。審判は私、『新風の翼』リーダー、ウィードがする。両者異論は?」
「ちょっといいか。」
「なにかな?」
「こいつは先に五つも条件を出してきた、そして俺はそれを飲んだ。でもよ、こっちは五つも条件飲んでんだから、こっちの条件。一つや二つ、飲んでくれないか?」
「君はどうかな……」
「条件による。」
「ありがとよ。じゃあ、まず、負ける条件が相手の気絶もしくは死亡した場合のみってこと。次にお前が一度でも負ければ、今回の大量発生で得た物全てを無いものとする。それだけだ、別にいいだろ?」
「いいぞ。ただし、一つ目は俺にも適応されること。」
「ふん、いい度胸だな。」
「俺からも一つ条件の変更をしたい。」
「今さら何を。」
「この決闘の終了時間を今夜十時までにする事と、再戦を有りにすることだ。」
「いいだろう。早く始めてくれ。」
「‥‥わかった。それでは、始め!」
バッ、
俺は一気に後ろに下がった。
「なんだ、怖じ気づいたのか?」
「相手と距離を取るのは鉄則だと思うが?」
と、会話を挟んだ隙に後ろから魔法が飛んできた、
それを俺は見ずにかわしていった。
『初手に雷、スタンを狙いか。次に氷、俺の動きを止めようとしたが、かわされたから胴体を狙いに行ったか。そのあとは闇と風系の魔法でいたぶる。風魔法を使えるやつがいるな、風が反対側まで行くやつがあったし。』
「なっ!‥‥‥」
「なんだ、交わしただけだぞ。」
「ストップストップ!そこ、何決闘の邪魔をしている!」
「おいおい、審判さんよ~。決闘の条件には一度にどれだけ参加していいかなんてなかったよな。」
今の相手が周りの冒険者に呼び掛ける。
無論、周りの冒険者はそれにうなずく。
あれ、こいつ昨日のめんどくさい冒険者じゃね?今気がついた。
「ほら、他の冒険者だってそう言ってるだしよ~べつに―――」
「―――別に構わないぞ。」
「‥‥‥あ゛あ゛?」
「だから構わないて言っている。両者合意の上だ、さっさと始めよう。」
「てめー。なめてると殺すぞ。」
「そっちがその気なら対処するまでだ。」
「生意気言ってんじゃね!『エアカッター』!」
めんどくさい冒険者がエアカッターを放ってきた。
敵の冒険者達について
E〜Cランクのパーティもしくはソロ
野次を飛ばした冒険者全員が決闘するわけではない
説明がないと野次を飛ばした冒険者全員と戦い、なおかつ高ランクの冒険者とも戦うことになりそうなので説明させていただきました。
主人公ならこれぐらい楽勝ですけど……




