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「うん‥‥‥‥‥‥なんだセレナか。」
「なんだセレナか、じゃないわよ!んん~」
俺を揺さぶって起こしたセレナは、泣き顔で俺に抱きついた。
木の枝の上でセレナは俺の横に腰掛けた。
「それでどうしてこうなったんだ。シエラ。」
「セレナがレイを心配して飛び出してきちゃったのよ。この辺の魔物はみんなセレナがかたずけちゃったわ。」
「ああ――――魔力切れになったからな。やむおえず霧を消したんだ。」
「まったく、MPポーションぐらい自分で持っててよね。はい。」
「いいよそれ。不味いし。」
「いいから飲む。今は森から強い魔物がでできて大変なの。」
「へいへい。‥‥‥不味い。」
「おーーい!どこだーー、レイーー!セレナーー!シエラーー!」
「この声はスティーブさんだな。ここだーー!」
「そっちに全員いるかーー!」
「全員いるぞーー!」
「ほらセレナ。スティーブさんがくるし、もう離れてくれ。」
ふるふる、
「しょうがない、分かったじゃあおんぶするから。」
セレナは言うことを聞いて、器用に俺の背中へ抱きついた。
「レイ!よかったー、生きててくれて‥‥」
「スティーブさん。心配かけてすみませんでした。」
「たく、本当に心配したんだからな。こんなことは今後止めてくれよな。」
「‥‥‥分かった、今後こんなことはしないよ。」
「よし。それじゃあカイザーさん達と合流するか。」
スティーブさんはファイヤボールを上へと打ち上げた。
すると別の方角から同じくファイヤボールがうち上がった。
「それじゃあとっとと街へ行くぞ。そういや、この辺りには魔物も魔物の死骸もないな。」
「ここは森の奥らへんだからな、魔物の死体の上でなんて休憩したくないからな。」
「辺りに魔物がいないのは全部セレナが倒したからです。その死骸は私が回収しました。」
「そうだったのか。まあいい、今は森を出るぞ。」
スティーブさんに続き、森を抜けようと走った。
「よく一人であれだけの数を倒せたな。」
「まあな。」
「その‥‥‥いつまでセレナをしょってんだ?」
「さあ?セレナが甘え終えるまでじゃないか?」
「そ、そうか。まあいいわ。」
その後魔物を蹴散らしながらカイザー達と合流し、また魔物を蹴散らしながら説教されながら、街へと向かった。




