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「‥‥て‥‥‥‥起き‥‥‥起きて!」
「‥‥‥うん?‥‥‥」
目を覚ますとセレナが俺を起こそうと揺さぶっていた。
「‥‥‥どうしたセレナ‥‥‥そんな慌てて。」
「慌てるわよ!大量発生が来るんだから!」
「‥‥‥もしかして昼後まで寝てたのか、俺!」
「違うわ、今は朝よ!早朝の!」
「じゃあなんで?」
「精霊が騒がしかったから起きたの。そしたら精霊がたくさん魔物が来るから逃げた方がいいって言ってて、だからもしかしたら大量発生の事を言ってるんじゃ無いかと思って‥‥‥」
「‥‥分かった、準備しておこう。シエラは?」
「もう起きて、準備してる。」
「okセレナも準備しといてくれ。」
ちなみに、こっちの世界でも簡単な英語?は浸透しており、さっきのok等がそうだ。
「さて、ちょっかいかけたバカは誰かな。」
俺は準備して、外に出て、だってが来るであろう森を強化系スキルを使い見渡した。
『うん~~。やっぱ透視できないから探すのは難しいな‥‥‥‥‥‥‥‥‥お、いたいた。しかもあいつ、俺が金貨あげたやつじゃねえか。』
俺がそいつの事を覚えていたのは、俺達と同い年ぐらいでなかなかの美形だったからだ。
『あれは大鬼に追われてるな。しかもあの大鬼知恵が回るから結構強いな。』
この世界にはおそらくレベルと言うものがある。
これは冒険者をしていてよく分かったことだ。
本格的に冒険者をしていると、明らかに子供の時よりも魔力量が増え、筋力も増えていたのだ。
カイザー達に聞いても、やはり子供の時に持てなかったものが今は軽々持ち上げられるようになったと、実感しているようだった。
そしてこれは魔物にも当てはまり、俺がシエラを助けたときの大鬼はレベルが低くて勝てた。
しかし、今回の大鬼は五体を操っているのでレベルが高いとおもわれる。
『さて、どうすっかな。』
「レイ、準備できたわよ!」
「ああ。今見てたが、本当に来るみたいだった。まずはスティーブさんとかカイザーに知らせて準備してもらおう。あの数じゃ俺達が本気出しても負けそうだ。‥‥‥スティーブさん達いなかったのか?」
「いなかった。」
「たく、どっかで飲んだくれてるな。まあいい、とにかく数が多すぎる。」
「そんなに数が多いの?」
「多いな。数は暴力だ、種類が弱い奴ばかりでも死にかねない。俺が霧魔法で撹乱するから、その間に準備させといてくれ。」
「ちょ、ちょっと待って!今の流れ的に、みんなで準備して迎え撃つんじゃないの!」
「今からじゃ、全員万全の準備はできないだろな。だから俺が行く。大丈夫だ、死ぬようなまねはしない。」
「で、でも。」
「今は時間がおしい、頼む。」
「あ、ま――――」
セレナが何か言おうとしたが、俺は無視して大量発生がくる森に向かった。