71
「ここが?」
「そうよ、ここがスピサの街よ。」
昨日から魔法で飛び昼前にやっとスピサの街に着いた。
飛んでいる最中は特にやることもなく、ただただ空中を平行移動していた。
飛びながら食事をしたことは始めての経験だったが、一時間とかからないので、やはり暇だった。
「なあ、リーンさん。カイザーはあとどれくらいでここに来るんだ?」
「そうね、明日の朝早くかしら。その事が何かあるの?」
「いいや、たまたま気になったから。」
「そう。じゃあ早く宿とって昼食にしましょう。」
「はーい。」(セ)
宿は部屋があまり空いてなく、二部屋を何とかとって近くの店で食事をすることに。
「リーンさん、聞きたいことが。」
「なに?」
「今回の大量発生ってどれぐらいたってから来ますかね?」
「そうね、私は天災を予測なんてことは出来ないからはっきりとは言えないわ。でも大量発生は遅くとも七日たつとくるから、多くてあと六日はここにいることになるからそのつもりがいいわ。」
「ありがとうございます。」
「レイ、このお肉美味しいわよ!」
「ああ、ありがとセレナ。‥‥‥‥‥‥確かに美味しいな。」
「ふふ、でしょ!」
「(しれっと、あ~んを‥‥‥見せつけてくれてるのかしら。)」
と、食事を終えてギルドの練習場に行こうとしていたとき、
「お!レイじゃないか、久しぶりだな!」
「「「スティーブさん!」」」
「やあー、本っ当久しぶりだな、三人とも。半年も見ない間にずいぶんと板についてるじゃないか。」
「本当久しぶりね、やっぱりちゃんと会えたわね。」
「お久しぶりです、スティーブさん。」
「おう!と、ちょっといいか。」
「なんだ?」
「俺はさっき着いたばっかだから宿がまだ取れてなくて探してるだけど、どっか空いてる宿無いか?」
「うーん‥‥‥」
「‥‥難しいな。」
「そうね、何せ大量に稼げる大量発生だからどこもかしこも埋まっていると思いますよ。」
「やっぱそうか‥‥しょうがないから野宿でもするか。」
「あ、ねえレイ。私達って三人で一部屋使うんだよね。」
「そうなるな二部屋しか取れなかったんだし。」
「それなら、レイ達の部屋に追加で入ったら?」
「おお~、頼むレイ。」
「俺は別にいいぞ。」
「本当か!ありがとよ。さ、宿も決まったし俺は昼飯食べに行くは、それじゃあな。」
スティーブさんはそのまま走り去ってしまった。
そのあとやることもないので、夕方までギルドで練習していると、カイザーがやって来た。
「お、いたいた。探したぞレイ。」
「カイザーか‥‥‥そうだったな、後から来たんじゃ誰か迎えなきゃならないよな。」
「全くだ、おかげて町中走り回ることになったんだぞ。」
俺は町中を駆け回るカイザーの事を思い浮かべ、
「ふっ‥‥‥」
「おい笑うんじゃねー!」