70.5
どうやって入ろうか迷った結果、前書きにどんなシーンかを説明するという暴挙に出ました
スピサの街に行く途中の野宿したときの話
ローテーションで見張りをすることになり、リーンさんからシエラに変わる時
「大丈夫ですか、リーンさん。何だか体調が悪いように見えますが‥‥」
「大丈夫わよ。‥‥‥て、言いたいけど、実はちょっとね。」
「私でよければ魔法で治しましょうか?」
「じゃあ、お願いしようかしら。」
「頭痛だなんて、またお酒の飲み過ぎですか?」
「いいえ、これは違うわ。」
「じゃあどうして?」
「月のものよ。」
「‥‥‥成る程。」
「貴方達にあるでしょ、月のもの。」
「それはもちろんです。」
「月のものが来たとき私の場合は頭痛がして、しかも魔力制御がうまくいかなくて、精密な魔法ができなくなるの。貴方達は?」
「私は特には。セレナはよく頭痛が痛いって言ってますけど、半年に一回ぐらい。」
「ふふ、『頭痛が痛い』‥‥‥ね。獣人は気にならない人が多いとは聞いたけど、エルフが半年に一回ってのは始めて聞いたわね。でもいいものよね、獣人とエルフって。」
「いいんですか?」
「そうよ。女冒険者にとって。」
「女冒険者にとって‥‥‥」
「ええ。長期間危険な場所に居なきゃならないときとかね。一番分かりやすいのは、ダンジョンに潜ってるときかしらね。私もダンジョン内で月のものが来ちゃって、カイザーに迷惑かけたわね。」
「そうなんですか。人族にとっては月のものって。大変な事なんですね。」
人族
人の事をさいている。人間は通常の姿が人によくにている種族の総称であるため、あえてリーンの事を人族とよんだ。
人によってはエルフや獣人等を亜人と言う人もいる。
亜人とよぶ人の中には、『亜人は穢れた血』『魔物と人族のハーフ』『人のなりそこない』『異形』『人族に似た魔物』等々、亜人を嫌う人族至上主義(亜人差別)な人もいる。
「じゃあ私はもう寝るわね、おやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」




