69
セレナ達に説明し、次の日の朝。
「レイ、起きろー!!」
「ん‥‥‥まだ暗いじゃないか‥‥‥もう少しだけ‥‥‥」
「朝早くって言ったのはレイでしょ!ほら、起きた起きた!」
「はあぁぁ~‥‥‥」
セレナに起こされた。
安心して眠ると平気で半日眠れる俺にとって朝は天敵だ。
俺は眠気を身体操作で消して、カイザー達の待つ南門に向かった。
王都は城壁で囲まれており、魔物がきても軍がきても壁で時間稼ぎできるようになっている。
南門は俺達が王都に来たときや、森に行くときによく使っている門だ。
早速南門に行くとカイザー達がもうすでにいた。
「よお、遅かったな。」
「(ほら、レイが寝坊何かするから。カイザーさん達もういるじゃない。)」
「(悪かったよ。)」
「ほら、こそこそ話してないでとっとと行くぞ。」
「じゃあ私は先に行ってるわ。」
と、リーンさんが杖に腰を下ろしたら杖が浮かんだ。
「おおー。」
「「え!?」」
「どうかしたの?」
「い、いや‥‥杖に乗れるなんて思わなくて‥‥‥」
「この杖はダンジョン産の特別な杖でね、魔力を込めれば浮くことができるの。ヘンテコな杖だけど使いようによっては意外と便利になるし、杖としてもなかなか強いのよ。」
『俺もやってみるか。』
俺は自分の下に風属性魔法で気流を作って浮かび上がろうとした。
ボワァ!
「のわ!」
「「「キャ!」」」
「うお!」
魔力を込めすぎたのか五メートルほど浮かび上がり、
「とと‥‥ほ‥‥やっ‥‥なかなか‥‥‥難しい‥‥‥な‥‥‥」
「ちょっとレイ!急に何するのよ!‥‥‥っ!」
「悪い悪い、ちょっと試したくってな。」
「おおー、浮いてわね。」
「すごい‥‥‥『フライ』の魔法をこんなあっさりと‥‥‥」
「すげーな、こりゃ。」
何とかバランスを保つことに成功した。
「レイくんは本当に魔法の才能があるのね。」
「ねえレイ!どうやってやったの、私にも教えて!」
「私も教えて欲しいわ。」
スピサの街に行く前にセレナ達に飛びかたを教えることにした。
「おいおい、本来の目的を忘れてねーか?」
全くもってその通りです、カイザーさん。




