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ランクアップしてはや一ヶ月。
俺達は、「メイリーズの街に行こう。」てことが決まり、そのための準備を色々としているので、まだ南の街にいた。
そんな中、三人で討伐を終えてギルドに行くと何やらあわただしくなっていた。
「イーラさんどうしたんですか。」
「あ、レイくん討伐の換金ならちょっと待っててね!そうだ、レイくん達はスピサの街って知ってる!」
「一応は‥‥‥」
「確かスティーブさんの故郷だったわよね。」
「そのスティーブさんが誰か知らないけど、さっき大量発生の予兆が出たらしいの!」
「成る程、だからあわただしかったんだな。」
「それで悪いんだけどレイくん手伝って!」
「いや――」
「私手伝っていいですか!」
「ありがとー、セレナちゃん!」
「いえ、一度やってみたかったんですよ。」
「それじゃあ―――」
「ふふ、私達も手伝いましょ。」
「‥‥‥分かった。」
スピサの街
王都から南東に早馬で二日~三日行った所にある街
そこでは数年単位で森から魔物が大量発生する
期間が空くほど魔物の量、種類が増えて街になだれ込んでくる
冒険者の間では五年以上あいた発生がうまいと言われている
「大変ね、みんな馬車で移動するみたいね。」
「それもそうだろ、予兆が起こってから早くても三日後にはくるんだから。」
「私の魔法で全部倒しちゃうんだから。」
「あまりやり過ぎないようにね。スピサの街の近くには草原とか森があるから。」
「俺達間に合うのか?」
その後も雑務をこなし、
「お、レイ達じゃねえか。また、雑務の依頼でも受けたのか?」
「カイザーか。さっきスピサの大量発生の予兆があったらしくてこのざまさ。」
「あ~あれか~。それっていつ頃来たんだ?」
「さあ?イーラさん、予兆っていつ頃来たんですか。」
「ちょっと待って‥‥‥えっと確かお昼後、三時頃に確認されました。」
「三時頃か‥‥なら間に合いそうだな。」
「カイザー達も行くのか。でも間に合うってなんだ?」
「間に合うってのは大量発生までにスピサの街に着くことだな。大量発生つっても来る時間は朝か昼にしか来ねーからな。昼過ぎに予兆が来たんなら四日目の昼に大量発生が起こる、と俺は予想するからだ。」
「四日目の朝か。なら今から行く奴らは十分間に合うってことだな。」
「そうゆうこった。ま、俺達は走って行った方が早く着くから、馬車はいらねーな。」
「カイザー達、走っていくのか?!」
「おうよ。その方が向こうで色々と準備できるからな。なんならお前達も一緒に走ってくか?」
「何か面白そうだな。バテても途中で馬車を捕まえればいいしな。」
「お、やけにのるきじゃねーか。じゃあ明日の朝早く南門前に集合だな。」
馬車の余りに乗るのではなく走って行くことになった。




