66.5
内容がかなりディープな物だったので遅れました
‥‥‥消されないよね
セレナ達がギルドに行くと、体調が悪そうなカイザーとリーンさんを見つけ、シエラの聖魔法で治したあと受付のイーラさんからCランクへランクアップしたことを伝えられ、お祝いとしてリーンさんの取っている宿で、女子会をすることになった。
「リ、リーンさん、そんなに飲んだらまた気持ち悪くなっちゃいますよ。」
「いいのいいの、そんときはまたシエラちゃんに治して貰うから~」
「治して貰うこと前提に考えるのはどうかと‥‥‥」
「いいじゃない、ねー、セレナちゃん。」
「うわ!酒臭!」
「もう、ひどいな~。私ぐらいの年になるとやってられないのよ。」
「やってられないって、リーンさんは何歳なの?」
「ふふんー。何歳に見える?」
「えっと、二十代ぐらいには‥‥‥」
「ぶっぶっー、はっずれー。今年で三十三才でーす。」
「「え?!」」
「何よー。そんな驚くことないでしょ?」
「それにしては‥‥‥」
「幼く見えるでしょ?」
「あ、いや、えっと‥‥はい。」
「でしょ?そのせいで色々大変だったんだから。あ、そうだ。貴方達Cランクになったら冒険者ギルド本部や、迷宮街に行きたいって行ってたわよね。私がアドバイスしてあげるわ!」
「「お、お願いします。」」
「じゃあ始めに本部について。本部って言ってるぐらいだから私達よりも強い奴が結構いるし、とっても治安が悪いからあまりおすすめしないわ。ほら、貴方達容姿がいいから、すぐ目を付けられわよ。」
「それ、イーラさんも言っましたね。ものすごく治安が悪いって。」
「とにかく、ギルド職員が言うぐらい悪い所なのよ。私も何回も拐われそうになったわ。」
「聞けば聞くほど悪い所ね‥‥‥」
「そ!で!次に迷宮街、ここから一番近いメイリーズの街の話ね。迷宮街っ言われる所は他にもあるんだけど、メイリーズの街のダンジョンは他と比べてとても階層が深いの。深い階層ほど、レアアイテムが入手しやすいんだけど、その分強い魔物があらわれるから、潜った冒険者が戻って来ない事が多々あるわ。あ、近くには階層が浅いダンジョンもあるから、そこで腕試しをするのをおすすめするわ。」
「へー。でも、深い所に行けば行くほど行き帰りが大変になるわね。」
「その点は大丈夫よ。階層が深いダンジョンでは五階層か十階層ごとに転移門ってのがあってね。それを使えば一気にダンジョンの入り口に戻れるのよ。」
「とっても便利そうね、その転移門は。」
「そうなのよね~。他にもダンジョン内で魔物を倒すと勝手に倒した魔物のアイテムだけがドロップするのよ。わざわざ剥がさなくていいからどんどん狩れちゃうんだから。」
「つくづく冒険者に便利な所ね‥‥‥」
「でも油断しちゃダメよ。何せダンジョンにはトラップが沢山あるから、引っ掛かるとやっかいなことになるからね。」
「トラップ?トラップって一体なんですか?」
「トラップってのはね。ダンジョン内にできた罠の事を言ってるのよ。ちゃんと見分けないと即死トラップに引っ掛かって即あの世いき~なんて事をあるから気をつけてよ。でも即死トラップなんて結構深い所にしかないし、種類によっては発動しても避けられるものもあるみたいだし、そもそも即死トラップ自体、報告がすごく少ないから、もしかしたら即死トラップなんてなくて、たまたま避けられなかったもしくは避けずらい普通のトラップなんじゃないかって言われてるわね。」
「‥‥‥色々あるのね、ダンジョンって。」
「そう、そう。あ、女冒険者として一番重要な事を忘れてたわ。」
「今までのお話も十分、重要な話だと思うんですが、それ以上の事があるんですか?」
「そう、一番重要なこと。それわね‥‥‥‥‥‥他人に抱かれる覚悟があるかどうかよ!」
ボン!
「ちょっ、いきなりなに言い出すんですか、リーンさん!」
「そうですよ!他人にだ、だだだた抱かれる覚悟って!」
「あははは、私も最初はそんな反応だったわよ。でもね、これは本当に重要な事よ。」
「「‥‥‥ゴクリ‥‥」」
「ダンジョンってなね、深ければ深いほど一層が広くなってくものなのよ。それだと全然下に進めなくって、色々溜まっちゃうのよね。」
「‥‥‥溜まる‥‥」
「そう。それでね、男どもは女を捌け口にするのよ。ほら、女っていろいろこだわりたいじゃない、メイクしかり、料理しかり、男どもはメイクなんてしないし料理も食えればいいなんて大雑把で、女と一緒のパーティーだと食欲と性欲を満たせるから、女性は持ってこいなのよ。しかもそれが女冒険者なら戦いにも使えるから超便利なの。」
「「‥‥‥」」
「男って溜まるとすごいんだから、ちゃんとしなきゃダメよ。」
「‥‥‥なんだか、とっても生々しいお話ですね。」
「生々しいもなにも、私だって体験したことよ。何でも、女冒険者はこうやって次の女冒険者に語り継いできたんだって。失敗も含めて。」
「え!じゃあリーンさんは――」
「処女なんてとっくの昔にカイザーに上げちゃったわ。」
「あわわわわ‥‥‥」
「‥‥‥すごいですね、リーンさん‥‥」
こうして女子会は幕を下ろした。