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その後、金髪、蒼眼の青年は普通の剣を買い、店を出ていった。
「何であんたはあんな奴に金を貸したんだ?」
「貸してなんかいない、あげたんだ。あいつがこの先どうなろうと知っらん。冒険者は自己責任だ。」
「それでも無駄死にする奴が減ることはいいことだと思うが?」
「無駄死にするかしないかは、本人の実力のせいなのがほとんどだ。死ねばそれだけのこと。」
「情のねぇ奴だな。」
「興味ないからな。他人が死ぬことには。」
「へっ。それで、うちにはどういったようで?」
「これの修理を頼む。」
「双剣使い方か、しかも片刃ね‥‥‥‥‥‥ふん、刃こぼれが多少かよく使われたいい剣だ。銀貨三枚で二日後には終わるな。急いでんならプラス二枚で明日の朝ぐらいならには終わらせるが、どうだ?」
「銀貨三枚で。あと、金貨十枚で予備の剣と投擲用のグズ剣をくれ。」
「あいよ。」
無事に剣を買い、街を探索。
『貴族街よりになるとパン屋やレストランなんかが色々あるな。そんなかに武器屋ってのがあると何かシュールだが、この世界では武器屋は包丁や鍋なんかを売ってたり、直したりもする場所なんだよな。しっかし、大通りはちゃんと道が舗装されて街灯も立ってるから、中世ってよりも、近世に近い中世なのかな。よく違いが分からんが。』
と、街の様子を見ていると、セレナ達を見つけた。
街中等の人が密集している所で感覚系のスキルを使うと、俺の場合は酔ってしまうので、ある程度セーブしている。
「よう、セレナ。」
「うん?あらレイ、偶然ね。その剣どうしたの?」
「ああ、今修理に出してて、予備の剣を買ったんだ。セレナは‥‥リンゴを買ったのか?」
「そうよ。」
「今、かわいい子がリンゴ売りをしているって、有名な店で買ってきたんですよ。」
「ふーん、かわいい、ね。俺にとっては二人ともかわいいと思うけどな。」
「ちょっ、レイ、いきなり何言い出すの!」
「ふふ、ありがとう、レイ。」
「そうだ、俺さっきCランク冒険者になったぞ。」
「本当!良かったじゃない。やっと、Cランク冒険者になれて。」
「もしかしたらセレナ達もランクアップしてるかもな。この後時間があればギルドに行ってみるといいよ。」
「そうね、今からでも行って見ようかしら‥‥」
「この後の予定も無いから、行ってみましょ。」
「それもそうね、じゃあ私達はギルドに行ってみるわ。またね、レイ。」
と、横切るときにシエラが、
「(かわいい子って言うのは、いつかレイが助けた銀髪の女の子だったわよ。)」
「(そうか、ありがと。)」
『いいことをした‥‥‥てのは慢心かもしれないが、素直に良かった。』
いつかまた行ってみようと思う俺だった。