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俺に魔力があることを知ってからさらに2ヶ月たった。
その間に、異世界の言葉がだいぶ聞こえるようになったり。首が座っだので、寝返りを打てるようになったり。小さい子供達(4~5才ぐらい、)に撫でられたり、つねられたり、叩かれて泣いたりした。
その中で一番驚いたのが、いつの間にか俺のいる部屋が変わっていて、仰向けになって右側に別のベビーベッド(俺と似たようなやつだから)があり、そこには、異世界で定番のエルフの赤ちゃんが居たことだ。
まあ、出会ったときはやらかしたが、
「‥‥‥」
俺は起きていつもと魔力の特訓をしようとしたが、部屋が変わってるのに気がついた。
『部屋が違うか?何で?』
分からなかったがとにかく辺りを見回した。すると、右側にベットが置いてあり、その上に人がいるのがわかった。なので、手を伸ばしてみるが、案の定届くはずもなく声を出してみた。
「あうーー。あうーー。」
すると、扉が開きシスターが入ってきた。
「あら、どうしたのレイちゃん?」
「あうーあうー」
俺は別のベッドに向かって両手をバタバタさせた。
「そう。そう。あっちの子が気になるのね。」
「あう。」
どうやら気持ちが伝わったらしく、シスターは俺を抱き上げ俺とは別のベッドの方に歩いた。
ベッドの上にいたのは、寝ているがどこか神秘的な感じがする異世界で定番の金髪エルフ、の赤ちゃんだった。
もちろん俺は驚き、
「おーー」
「ふふ。『セレナ』ちゃんを見て喜んでるのかしら?」
「うーー」『へ~、この子の名前ってセレナって言うのか。』
「ほぉ~ら、レイちゃん。『セレナ』ちゃんでちゅよ~」
するとシスターは俺をセレナの方に近づけた。もう少しでセレナの耳に届きそうだったので手を伸ばしてみる。
「ん?レイちゃんはセレナちゃんのお耳に興味あるの?」
ここはあえて無視して手を伸ばす。
「もう。そんなに焦らなくていいのに。ほぉら、レイちゃん。」
シスターはさらに俺をセレナに近づけた。そして俺は伸ばした手でセレナの耳をさわろうとした。が、
ペチン
体が思い通りに動かず、耳を叩いてしまった。
「あっ!」
「‥‥ぅんんん、びええぇぇぇぇ」
泣いてしまった。
そして俺ももらい泣きした。‥‥‥うん、まあ精神が引っ張られているからショウガナイ。