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「きゅ、急に何言い出すの、ムミちゃん。」
「うん?だから、イーラ先輩が会いたがってた、『首狩り』が、この人。難癖つけずに接してくれるいい人。」
「そんなまさか、レイくんが首狩りなんてあるはずないじゃない。」
と、イーラさんが俺を見てきた。
「俺かどうか知らんが、夜にギルドは利用してる。それに魔物を確実に殺すためには首を跳ねるのが常識だろ。俺でもやってる。」
「それでも流石に高ランクの魔物を戦うとは考えにくいような‥‥‥」
「もう日が落ちたし、帰るか。」
「あ、ちょっと!」
イーラさんの制止をきにもとめないで俺達は宿屋へ向かった。
宿屋で夕食を済ませ、セレナ達が話をしたいと言ってきたので俺の部屋に呼んだ。
「それで、本当にレイがあの首狩りなの?」
「俺がそのみんなが言ってる首狩りかどうかは知らないが、夜にギルドを利用してる。二人に無断で出掛けてたことは、申し訳ないと思ってる。」
「‥‥本当に申し訳ないって思ってるのかしら。」
「‥‥‥」
ギュ、
「いはい(痛い)」
「ちゃんと反省してよね。まあ、いいわ。これからのこと話しましょ。」
その後一時間ほど話し合い、シエラの剣が刃こぼれが激しく、直るまでは王都の観光をセレナと一緒にしたいこと、冒険者ランクがCになったら西側に行こうと言うこと、その他色々と話した。
「なあシエラ、お前の剣って特殊だよな。どうやって戦ってるんだ?」
「ん~とね。見てもらった方がいいかもね。」
そう言い自分の武器を取り出し、魔力を込めて刀身を伸ばし、刃と刃の間にまた魔力をさらに込めて新しい魔力の刃を作った。
「こんな感じに魔力で刃を作って、伸びた刀身分の隙間を埋めてるの。これでどれだけ伸ばしてもいいようにしてるんだけど‥‥‥結局刃こぼれができちゃうのよ。そもそも鞭みたい使ってるのが悪いんだけどね。」
「シエラの使ってる蛇腹剣は特殊だからな。それにしても魔力で刃を作ってるのか、なかなか面白いことするな。」
俺は目をつぶって、いつも使っている剣を思い浮かべそのように魔力を操作していく。
「こんな感じか?」
「うーーん、まだね。でもちゃんと剣の形にはなってるわね。」
「武器が無いよりかはいいな。‥‥‥これならセレナの矢切れにも使えそうだな。」
「ふっふん、私はもう魔力で矢を作れるようになってるわよ。それに精霊に頼んで属性の矢を作ることだって出来るんだから。」
「おお、それはすごいな。」
こうして俺は新しい魔力の使い方を学んだ。
‥‥‥使うかどうか分からんが
話している最中、セレナが俺の横に座ったので、肩を引き寄せたら思いっきり肘が飛んで来て、もろに腹に入った。




