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カイザーが「飲み足りない」と言っても、ギルド内で飲んでないのでどうせ、隣にある飲み屋にでも行っていたのだろう。こっちよりもあっちの方がつまみの品揃えが豊富だし。(俺達は行ったことがないが。)
そんなこんなで時間が進み、イーラさん達が帰って来て終わりかと思ったが『確か依頼の終了時間、書いてなかったわよね?』と脅されて仕方なく職員の依頼を続行していたら、夕暮れ頃にセレナ達が帰って来た。
「ふ~、やっと終わった~。早く換金して‥‥‥どうしたのシエラ。。」
「‥‥あ、いや。そのー」
「うん?」
シエラが俺に向けて指をさし、つられて俺を見たセレナが固まった。
「‥‥‥レ、レイ?!何やってんの、そんな職員みたいな服着てメガネなんてつけて。」
「そう言う依頼を受けたからしょうがないだろ。もうすぐ日が暮れるから早く換金してもらえ。俺ももうすぐ終わる。」
「わ、分かったわ。」
セレナ達が換金しにいってる最中、
「やー、レイくんが手伝ってくれて助かりました。はいこれお土産と報酬のお金。」
「どうも‥‥‥このお土産って何ですか?」
「これわね、ガムって言うお菓子なんだって。ゴムみたいな食感だけどちゃん甘くてね、とっても美味しかったわよ。あ、でも長いこと噛んでると甘くなくなっちゃって、そしたら包み紙に捨ててね。」
「‥‥ガム‥‥ですか。ありがとうございます。」
「‥‥‥ねえレイくん。本気でギルド職員になってみない?」
「急に何言い出すんですか。」
「そんな嫌な顔しないで。だってレイくんの作業効率いいし、それに女性の冒険者がいっぱい来てくれそうだから。ね。」
「嫌です。俺はセレナ達と冒険を続けたいので。」
「う‥‥、分かったわ、今は諦めとく。」
と、話しているとセレナ達が換金し終わった見たいだ。
「遅かったな、二人とも。」
「そりぁ、たくさん倒したもの。遅くて当然よ。」
「そうか。‥‥‥セレナ、口開けろ。」
「へぇ?」
「いいから。‥‥‥‥ほれ。」
「んぐ‥‥‥なにこれ、あまーい。」
「ふっ、ほらシエラにも。」
「ふふ、私は手に貰おうかしらね。」
「‥‥‥‥‥‥ボン!」
セレナが自分のしたことが恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にしてうつむいた。
と、そうこうしている内に夜番のギルド職員が来た。
「こんばんは、イーラ先輩。」
「あら、ムミちゃん。もう、時間なのね。」
ムミちゃんと呼ばれた人は、黒髪、黒目、で、眠たそうな目元をしている。あと、小さい。リーンさんといい勝負だ。
そして、ムミさんは俺の事をジーと見つめて、
「首狩り?いつもより早いね。」
「‥え?」
そういい放った。