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あの決闘+カイザーの件からはや二ヶ月、カイザー達とは一緒に依頼をこなしたり、模擬戦をさせられそうになったり、 Bランクの依頼を吹っ掛けられたり、酒に付き合えと言われたり、色々あった。
色々あったがそれなりに楽しかったので良しとしよう。
現在、俺はギルドにいる。
特に変わったことのない、いつもどおりのだ。
俺が受付をやっていること以外。
受付の作業もとい、依頼やら整理やらをやっていると視線を感じ、扉の方へ視線をやると扉からカイザーが俺の事を見て‥‥‥
どこかに行った。
今日俺がギルド職員の服を着て作業をしてから何度も同じ様な視線をもらっているから、もうなれたものだ。
「よおレイ、何してんだ?」
「全く、レイくんが受付なんて―――」
「何だ?」
「レイくん!え!え?え!え!!?」
俺は見世物じゃないぞ。
「こほん、さっきは取り乱してごめんね。それで何でレイくんだけが受付に?」
「それは、今日西側で外国から来た劇団がショーをやるらしく、どうしても見に行きたいってイーラさんが言ってたから、俺達のランクアップを早くしてくれる条件に変わるっていったらこうなった。三人でやるとでも思ったんだろうな。」
「立派な職務放棄ね‥‥‥今からでも手伝ってもらえば?」
「今二人は森の奥魔物を狩ってるから、行こうにも広し、
その間誰もギルドの受付やるやつ少ないし。」
「あれ?ギルド職員って男性もいたはずだったけど‥‥‥」
「仕事ができるひょろい人は、冒険者に何言われるか分からないし、そうじゃない人は解体やらの仕事ができないからな。適任が少なかったらしい。」
「元冒険者が受付をするって話は聞くけど以外と簡単そうね。」
「マニュアルを見ればだいたい書いてあったし、重要なのは別の人がやってるから単純な手伝いなら依頼の形で大丈夫らしい。これだけでランクアップが早くなるなら美味しすぎる依頼だな。」
「‥‥‥なあ、ちょっといいか?お前ってメガネなんてかけてたっけ?」
「これか?これはだてメガネだな。その方が職員ぽいって、言われたからつけてるだけだ。」
「‥‥(すごい破壊力ね)」
「何か言ったか?」
「ううん、何にも。」
少し沈黙
「なあ‥‥‥ギルド内での武器の使用や魔法の行使は禁止なはずだよな?」
「ああ、そうだが。」
「お前のそれって、いいのか?」
「別に問題ないんじゃないか?職員のマニアルにはどうしてもって時はOKて書いてあったし。」
初めて受付をする俺が効率よく作業できるよう、仕方なく魔法の補助が必要だからな。
「お前っ、本当に大丈夫かよ‥‥しっかし、器用にやるもんだな。」
「ええ‥‥レイくんはとても『魔力制御』が上手ね。」
「まあな。」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
思いつきで書き始めた話なので、全体の話とはやや離れてるようになってしまいました。




