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「ねえ、僕達はどこから来たの?」
「イルーシオから来た。はい、これがギルドカード。受付の水晶玉にかざせば本物とだって分かるはず。」
「‥‥これは僕が作ったの?」
「かざせば分かると思うけど。」
「うっ‥‥。わかったは、じゃあかざしてみよっか。」
ギルドの受付にはステータスの時に使ったものと似たような水晶玉があり、それにギルドカードをかざすと、水晶玉が光を放つようになっている。
もし光らなかったら、そのギルドカードが偽物、あるいは持ち主が絶命しているかのどちらかである。
そしてこのギルドカードは本人の魔力を記憶しており、収納魔法等でも他人のカードをしまえない。
そしてさっき俺は収納魔法でこのカードを取り出した。
と言うことは‥‥‥
「!」
水晶玉が光った。
「ほ、本物‥‥」
「二人もかざしてみろよ。」
二人も水晶玉が光った。
「これで冒険者だって証明できたな。早く依頼受けようぜ。」
「ちょっ、ちょっと待ちなさい!」
「まだなんかあるの。」
「いい、冒険者ってのは――」
「常に危険と隣り合わせ、なんだろ。それぐらいわかってる。」
「いいえわかってないわ。貴方達はまだ子供なのよ。」
「でもこれがある限り成人として認められているって事だろ。」
「たとえ、法が成人と認めても貴方達はまだ若いの。もっと別の――」
「もういいじゃねぇか。」
そう言い出したのは、子供が迷い混んできたぞ、と言ってきた冒険者だった。
容姿は茶髪、茶目の三十いってるおっさん、だ。
一応ギルド職員の容姿はくすんだクリームの髪に、蒼眼‥に、ちょっと緑を足したような眼をしている。
「冒険者は何があっても全て自己責任。それが冒険者ギルドのいいぐせだろ?そいつらがどうなろうが勝手じゃねぇか。」
「そ、それはそうですが‥‥‥」
「あの人も言ってるとおり、冒険者は自己責任なんだろう。二人も、とっとと依頼受けようぜ。」
「‥‥‥私はまだ納得いきませんからね。」
その後、手短な薬草採取の依頼を受け、なんとか部屋を二部屋取れた。