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馬車での移動は特に何事もなく王都についた。
ただ、今回の移動で、こっちの世界では移動するだけで苦労していることがよく分かった。
まず始めに長期の移動でも食べられる食料が不味かった。
干し肉は塩がきいていて美味しかったが水がほしくなるし、特にパンにいたってはパンかどうか疑うレベルのものだった。
俺達はセレナが『アイテムボックス』をシエラが『時空間魔法』を持っているので、ちょっとした手料理なら食べられた。
次に排泄物だ
イルーシオではボットントイレぽかったのでまあ許容範囲だったが、移動中は簡易トイレを建ててそこで用をたす。
いちいち組み立てるのが面倒だか俺達が買ったものは結構高いもので、浄化魔法が施されており常に清潔だった。
とまあ、俺は用意周到だったが、いかんせん王都に着くまでに結構な日数がかかり、途中で乗り合わせた人としゃべっていたりしたがめっちゃ暇だった。
馬車事情としてはこんなもんだった。
そういえばセレナが「何で干し肉をそのまま食べてるの!それは水で塩を洗い流してから食べるものよ!」と、言っていたが、俺としてはそのまま食べた方が美味しかった。
「うんーー!だはぁ~疲れたー。やっと王都ね。」
「そうね。キャラバンだとやることがなくて暇でしたもんね。」
「ふんっーーううん。とっととギルド行って金稼ぎするか。俺ら金欠だし。」
「えーー!ちょっと観光しようよ!」
「その観光するお金がないから金稼ぎするんだよ。それに今のお金じゃ二部屋借りれるかあやしいし。」
「別にいいじゃん。一部屋で。」
「お前がよくても俺がダメなんだ。」
「喧嘩はダメよ。早くギルドに行ってお金稼ぎましょ。」
シエラに急かされ、俺達はあらかじめ馬車で聞いておいたギルドの場所に向かった。
「あれか?」
「なんだか普通ね。」
「ねえ、レイ。本当にここなの?」
「行ってみるだけ行ってみるか。」
教えてもらった通りに城下町を歩くと、そこにはシエラが言ったように周りと比べても大差ない建物があった。
ギイィィィ
俺は建物の扉?(ガンマンの劇に出てきそうな上と下が無いもの)を押して、俺を先頭に中に入っていった。
中は、昼前と言うこともあり、冒険者がちらほらといるだけだった。
「おいまた、子供が迷い混んできたぞ。」
「またですか~。はあー。」
そう冒険者に言われて、ギルド職員の一人が受付から出てきて俺らの方へ歩いてきた。
『流れてき見て、子供は俺らかな。』
「どうしたの僕達?ここは冒険者ギルドって言って、怖いおじさんたちがたくさんいるところよ。」
「やっぱりここがギルドであってたな。」
「そ‥そうね‥‥」
「‥‥‥うん‥」
二人の反応がおどおどしている。
理由は周りからの品定めされてるような目線だろう。
二人とも顔が整っているからしょうがないと思う反面、鬱陶しい。
異世界転生のテンプレ通りの突っかかってくれた方がよかったのかも。
この世界には収納魔法があるが、冒険者の大半はいつでも武器を構えられるよう、魔法なんかにしまわずに帯刀してる。
と言うか収納魔法の消費魔力が洒落になら無いくらい多い。
来週からいろいろあるから遅れました。