49
現在俺はステータス鑑定する部屋の片隅にある椅子に座っている。
対面にはヴェン爺がいる。
「大丈夫ですよ、そこまで長い話をするわけではないので。‥‥‥では龍族について話しましょう‥‥‥」
以下要約
龍族とは龍と人族の混血と言われ、絶大な力と魔力を有するが、数が少ない種族。
よって貴族等に、権力の象徴として高く買われるため、奴隷にしようとするものが少なくない。
半龍族の場合、龍族よりも、力、魔力共に少なく、その方が奴隷化するのにもってこいだそうだ。
ただ龍族の血が強いせいか外見は人と変わらないが龍族になることもよくあるらしい。
「幸いレイの容姿は人族そのものですので、自分からばらさなければいいでしょう。」
ヴェン爺と話した結果、セレナとシエラには話しておくことにした。
「へえー、だからあんな強かったんだ。」
「納得ね。」
と、二人の反応は以外と淡白だった。
教会に戻ったのち、自分のスキルについて話し合った。
いくら大人に言ってはダメと言われても、やっぱり自分の事を自慢したくなるものだ。
「―――それでね、私にもガビルとおんなじように特殊スキルってのがあってね、『精霊眼』と『精霊王の祝福』と『精霊召喚』と『弓術の才』と『アイテムボックス』だって。」
「え!?セレナは5つも特殊スキルがあったの!?」
「ふふーん。すごいでしょ。シエラの方は?」
「私は『神獣の加護』と『剣術の才』と『魔導の才』だったわ。」
「それでもすごいじゃない。3つなんて。それでレイは?」
「俺か?俺は‥‥‥」
疑似神眼ことを話すか迷う。
だが‥‥‥
「何よ、レイ。もったいぶってないで教えてよ。私達も話したんだから。」
「‥‥‥‥‥分かった、俺の特殊スキルは『疑似神眼』てスキルだ。」
「へえー、どんなことができるの?」
「どんなことって言われても‥‥そーだな、遠くがよう見えたり、シエラの使ってる『幻術魔法』が効かなかったりするぐらいだな。」
「なんか地味ね。」
「ちょっと、セレナ。」
「いいっていいって、ヴェン爺が話してただろ?特殊スキルってめっちゃくちゃ珍しいものなんだって。あるだけ、ありがたいよ。それよりシエラ、また尻尾増えたか?」
「?そうよ。今、合計で八本、尻尾があるわ。」
「一体何本まで増えるんだろうな。まあ、いくつあっても冬には便利なだけど‥」
バッ、
シエラが自分の尻尾を抱え込んだ。
「何度も言ってるでしょ!私の尻尾を暖房がわりにしないで!」
「アッハハハハハハ、冗談だよ冗ー談。」
「ふんんんん。」
「そんな睨むなって。」
こうして俺の誕生日は終わった。