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今、俺はシエラに襲われようとしている。
自分のベッドで寝ている途中、目が覚めたら俺の上にシエラがいたのだ。
俺としては‥‥‥見たときは驚いたがそうなるだろうとは思っていた。
実はガビルの誕生日の次の日から妙に目線を感じ、目が合うと避けられていたので、『もしかして発情期か?』などとバカなことを考えてほかっていた。
そして次の日の夜‥‥‥今夜襲われていると言うわけだ。
「レイ~。なんかね、なんかね、私‥変なの。なんだか体が熱くて‥‥それでね、それでね‥‥‥」
「まあ、落ち着けって。」
俺はそっとシエラに口づけをし、そのあとみねうちをした。
「ごめんな、シエラ。俺の初めてはもう決まってるんだ。」
誰に言うことなくそう呟いて俺はまた寝た。
次の日の朝
俺を起こしにきたセレナは、俺の横でスヤスヤと眠っているシエラを見たが「なんでシエラがこんなところで寝ているのよ。」と愚痴を言っただけで、俺達にとっとと起きろと急かしてきた。
「‥‥‥なんでセレナは怒らないんだ?」
俺は思ったことを口に出してしまった。
「なんでって、それはシエラとそういう約束したからよ。」
「約束って、なんの?」
「そ、それは秘密よ、秘密。」
実は俺はその秘密を知っている。
秘密と言うのは前にセレナとシエラが喧嘩をしたあと、俺が
「二人のことは大好きだ。どちらかと言えばシエラかな。セレナはシエラに悪戯してたし。俺は俺が大好きな人どうしで喧嘩なんかしてほしくないんだ。もし、俺が別の人を好きになってもその人とも仲良くしてほしいんだ。もちろん二人とも好きなままだぞ。」
と言った覚えがある。
今思い出しても何を言いたいのかよくわからんが、要約すると、
俺は二人のことが好き
好きな人どうしで喧嘩してほしくない
将来俺に好きな人ができても容認してほしい
一生二人のことを愛している
と言うことだ。
それを聞いた二人の反応は
セレナは「どちらかと言うとシエラ」で、硬直して涙を流しており、
シエラは俺の言いたいことが分かったらしく、涙を流しているセレナに、必死に俺が何を言いたいか説明しようとしていた。
俺はそっと立ち去り、風属性魔法でなかの会話を盗み聞きしていた。その中で、
『レイのことはレイが好きになった人と支えあう。』
と約束したのを聞いた。
まあ、そんなわけで俺は異世界を謳歌できる。
‥‥‥なんかムラムラしてきた。
決して何をとは言わないが‥‥‥