3.5
皆さん初めまして私の名前は、セリナと言います。
‥‥まあ、ありきたりな名前ですよね~、『セリナ』なんて。もうちょっといい名前があっただろうにぶつぶつ‥‥。おっと話がそれました。
ええっと、名前を言ったから次は‥‥ええっと私は『イルーシオ』と言う村にある教会のシスターです。私のいる教会では孤児院も兼用しています。教会なのでもちろん神様にお祈りをします。と言っても私なんかがお祈りしたところで信託(神様からのお言葉。実際に聖女と呼ばれるお人は聞こえるんだとか何とか)なんてくださるはずもなく、村のかたたちの寄付とここを出ていった孤児たちの差し入れ等で細々と暮らしています。
そんなある日、
「すみません」
「はい、なんでしょう?」
私が教会の前の掃除をしていると、冒険者らしき人が声をかけてきました。
「あのー、この教会で孤児、引き取ってもらえるって聞いたんですけど?」
「はい、ここでは孤児院も兼用していいるので~。もしかしてその子ですか?」
私のは冒険者らしき人が抱えている清潔そうな布にくるまれた産まれたばかりのような子を指します。
「そうです、そうです。この子、森で素っ裸のままでウルフに喰われそうになってたんですよ」
「すっぱ、え?!す、素っ裸?!」
「は、はい‥‥」
ど、どう言うことでしょうか。たとえ孤児で赤ちゃんでもせめて布にくるわれているのが普通なのに。服が無いほど貧しいところなんてこの近くにも無いのに‥‥。
「‥‥‥まあ、分かりました、その子引き取りましょう!」
「それはよかった。じゃあ頼むよ。」
「金貨一枚です。」
「は、はい?」
「金貨一枚です。」
「か、金と‥‥」
「金貨一枚です。」
「‥‥‥分かったよ」
ショウガナイヨネ、オカネトルナンテ。こっちは孤児を引きってあげる側なんだからー。これで今日の夕食はちょっと豪華になるかなー。
「あら、シスターセリナ。その子はどうしたの?」
「あっ、テレサ様。ええっとこの子、森に捨てられてた孤児のようで引き取りました。‥何かまずかったですかね?」
「いいえそんなことはありません。身寄りの無い子供達を預かるのも私達『イリス』教の聖職者の役目です。」
「はい!ありがとうございます!」
「うふふ」