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「はぁ‥‥はぁ‥‥はぁ‥なかなか‥やるわね‥‥」
「はぁ‥はぁ‥はぁ‥貴方‥はぁ‥こそ‥‥」
「‥‥もう終わりに‥しましょ」
「‥‥ええ」
『やっと終わりにしてくれるか。二人とも五分五分位だな、セレナは弓を使っているがちゃんと間合いを取ろうとしていたし、そのままなら当たる位置に矢を放っていたな。シエラはセレナの弓矢を剣で弾く程、剣術が上達しているし弾幕と矢が降り注ぐなかを掻い潜れるほどの運動神経がいいな。さすがエルフ、さすが獣人って言ったところか。だか、セレナは弓だから当然矢のストックが無くなれば負ける。現に後、三発位しかないし。それにシエラはそうとう息が上がってる。しかしシエラはセレナと同じ位の魔法を放っているがセレナよりもたくさん魔力が残ってるな。』
と、俺が二人のことを分析している間に魔力が練り上がった。
「『氷の精霊、風の精霊よ!―――――――!」
「はあぁぁぁあ!灰も残らず燃え付きなさい!」
セレナは水の上位属性の氷を、それに加え風の精霊を使うことでブリザードのようにシエラに放つつもりらしい。
対してシエラは頭上に巨大なマグマ見たいなもの、おそらく土属性魔法との混合魔法を放とうとしている。
『と言うか二人ともヤバイな。本気で殺すつもりでやってるよ‥。このまま行けば良くて相討ち、最悪魔力切れで仲良死になるな‥‥さすがに俺が割り込むか。もともとそのつもりつけてきたわけだし。』
「「いっけぇぇぇぇぇえええ!」」
「そこまで!」
「な!」
「レ―」
ボオォォォォ! ジュュュウウウ!
俺はセレナの魔法に対して、火属性魔法と闇属性魔法の混合魔法を、シエラに対しては水属性魔法と光属性魔法の混合魔法をそれぞれ放った。
結果はもちろん成功し、俺はピンピンしている。
「レイ!!!」
「大丈夫だ。俺は生きてるぞ。」
そう言いながら駆け寄ってきたのはシエラだった。
セレナは魔法を放ったところで座り込んでいる。
魔法を俺に放った事に呆然として、今の俺達の姿を見て泣きそうな顔を見られまいとうつむいた。
「レイは‥‥シエラを‥‥選ぶ‥‥‥の‥‥‥ね‥‥。」
セレナはか細い声でそう呟いた。
「ううん~。確かにシエラも選ぶが―」
そこまで言うとセレナは涙を流して、立ち上がろうとするが上手く力が入らないのか顔を真っ赤に染めてそっぽを向いた。
俺はそんなセレナに近づき、
「セレナも選びたいからな。」
すると、ばっ!と顔を俺に向けた。
「どうやら俺は自分が思ってる以上に二人を好きになってるみだ。」
俺はそっとセレナの前にしゃがみこんだ。
「ほら、前にも行っただろ?お前は笑ってる方が良い。だから泣き止めよ。」
俺はそう言ってセレナの頬に手をあてて‥‥‥
セレナの唇にキスをした。