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さらに数日がたち、年末の祭りがあと三日に迫っている今日この頃。俺は壁に耳を当てて盗み聞きをしている。
何をかって?それはセレナとシエラの修羅場を聞いている。
「だから、私はれいが好なの!だからあなたは邪魔だから出ていって!」
「私もレイが好きなの!あなたは最近私に嫌がらせがばかりするから嫌われてるのよ!」
「なによ!私だってあんたがいなかったらそんなことしないもん!この女狐!」
「なつ!いったわね、この耳なが星人!」
「「ぐぬぬぬ~」」
と言った会話ををしている。
この世界には少なくとも地球から来た人がいた、もしくはいるのが予想できる。理由としてはこの世界に地球と同じような内容の物語が沢山あるからだ。
それも世界中童話など。
ガチャ、
『おっと、考え事してたらどっか行くみたいだな。』
俺は付いていくことにした。
セレナとシエラの後を付けていると、どうやらギルドのに行くようだ。
『あ~、この後の展開何となく分かったわ~。大人に相談orけんかだろうな~、出来れば前者であってほしい。』
と言う願い裏切り二人はギルドの練習場にある練習用の剣と弓をもって西の草原に行った。
「さあ、どっちがレイの隣にふさわしいか勝負よ!」
「望むところです!」
そして乙女の戦が始まった。
ちゃんと己の力量が分かっていて、被害があまりない草原でやる辺りちゃんと考えてるようだ。
え?なに二人の戦いを実況しろと?
そんなこと俺にも作者にもできんぞ。
シエラは剣で戦うスタイルで、セレナからの矢をかわしたりなぎはらったりしながら背後で全属性の魔法を射ちまくっている。
セレナはエルフの代名詞である弓で戦うスタイルなので斬りかかってきたシエラをバックステップで避けながら、弓で応戦。
こちらもまた全属性の精霊魔法が使えるので大きな魔法を放ってシエラの弾幕を防ぎながら押し返している。
魔法は基本、火→風→土→水→火、のように矢印の方向に強い。(何故風が土に強いの、とか、何故土が火に強いの、とかは、何故かそうなるので割愛させてほしい。)
まあ、混合魔法やユニーク魔法は違ってくるらしいが‥‥‥何でもありすぎて分かんないと、ルーデンスさんは言っていた。
そんな事は置いといて何故セレナやシエラがヴェン爺達に気づかなかったと言うと‥‥‥もちろん祭りの準備があったのもあるが、俺の霧魔法で隠していたからだ。
もちろん面白そうだったからだが、イメージで透明な霧(実際は熱いお湯から出る湯気のようなうっすらとした物。)に隠蔽、隠密、幻影魔法、二人の気配の希釈(気配が広範囲に届くが、虫のように気づきずらくなる。)の四重で隠していたが、戦が長引くにつれ派手になっいき、スキルでのカバーが困難になり、さすがに潮時だと思っていたとき、
決着をつける大技を放とうとした。