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シエラの首輪を取った次の日。
『さて、今日はシエラの首輪に付いていた魔法をどう誤魔化すか、今は俺にそれがかかってるが‥‥森に行って隷属魔法?だっけそれが切れたことにしようか。このまま魔力が吸われ続けるのうっとうしいし。探知されても森なら魔物に喰われたと思われるだろうし。‥‥‥それにしても眠いな~、寝ながら魔法を保つやり方を教わりたいものだ。』
俺はそう思い立ち、朝早くに教会を出た。
西の森の奥深く。
「こなへんでいいか。『浅霧』」
俺は霧魔法をなるべく広く発動させた。
これは最近分かった事だが、ルーデンスさんに教えてもらった基本魔法はどんな状態でも発動する。例えば水の中でも発動するが、一瞬で水に消火される具合にだ。
だが、俺の霧魔法や幻影魔法は条件によっては効率よく発動する。
霧魔法なら明け方、幻影魔法なら闇属性魔法か霧魔法で作った霧にかけると効率がいい。
効率がいい、悪い言っても1.2~0.7の差なので大差ないと思うが‥‥何故か干渉魔法は等倍で発動しており、これは相手の魔力量によってスムーズに進かの違いとして出ていると思われる。
「まっ、ここら辺でいいかな。」
俺は適当に森の奥で魔法を解除してとっとと教会に帰った。
‥‥‥ちなみに朝霧と浅霧をかけたところでなにも面白くないからな‥‥
俺が教会に帰る途中、ばったりとスティーブさんに会った。
「お!レイじゃないか、どうしたこんな朝早くに。」
「‥‥たまたま目が覚めたから。それでスティーブさんは?」
「俺か?俺はもちろん朝稽古のためだ。‥‥その~何だ、年末の祭りの件よろしくな。」
「もちろん。」
と言う会話をして俺は教会に帰り、朝食を食べた。
ちなみに年末の祭りの件とは、スティーブさんがシスターセリナに告白をすることだ。
スティーブさんは俺と初めて会った後、シスターセリナと知り合い一目惚れしたそうだ。
これはシスターセリナも同じらしく、片思いと思っている両思いを続けて五年もたつのだから両方すごいと思っているが、スティーブさんからすると恩師の子供を妻にと思っているからさぞふみこみずらいだろう。
それを押しきり告白に踏みきったスティーブさんを俺は素直に称賛する。‥‥‥互いに関係が良さそうだから村の中心らへんにある時計の前で告白すればとしかアドバイスしてないが。
たぶん大丈夫だろう。俺にはシエラの首輪が外れた事によってセレナからの嫌がらせががエスカレートしないかの方が気がかりな訳だが‥‥